テクスチャ レイヤについて

 
 
 

テクスチャのレイヤ化とは、複数のテクスチャを順にミックスして 1 枚のテクスチャにする処理です。それぞれのテクスチャは、前に処理されたテクスチャに重ね上げられ、ブレンドされます。Softimage では、テクスチャ レイヤをオブジェクトのマテリアルやシェーダに追加することによって複雑なエフェクトを作成できます。

テクスチャリング プロセス時にいつでも任意のレイヤを追加、修正、削除し、最終的なエフェクトを自在に調整できるため、テクスチャ レイヤは非常に強力です。Render Tree のミキサ シェーダでテクスチャをミックスすると、レイヤのブレンド順序を変更することがかなり困難でしたが、テクスチャ レイヤではすばやく簡単にブレンド順序を変更できます。テクスチャ レイヤは指定のポートにのみ作用するため、多数のレイヤをシェーダの各属性にブレンドし、属性ごとに複雑なエフェクトを作成できます。

 

風雨にさらされたこの道路標識は、[Lambert]でシェーディングした基本グリッドに 3 つのテクスチャ レイヤを追加して作成されています。以下のイメージは、レイヤを段階的に重ねた効果を示しています。

   

グリッドの[Lambert]サーフェイス シェーダのパラメータはベース レイヤで表されています。この例では、[Lambert]シェーダのポートには何も接続されていないため、ベース カラーだけが表示されます。

   

1 番目のレイヤは、標識の基本テクスチャを[Ambient]ポートと[Diffuse]ポートに追加しています。テクスチャのアルファ チャンネルは透明度のコントロールに使用され、標識のシェイプを切り抜いています。

   

2 番目のレイヤにはさびを少し加えています。アルファ チャンネルと独立したマスク(この場合はウェイト マップ)に従って、さびのテクスチャが[Ambient]ポートおよび[Diffuse]ポートにブレンドされます。

   

[Ambient]、[Diffuse、および[Transparency]にブレンドされた最後のレイヤに弾痕を追加します。このレイヤのシェーダではバンプ マッピングが有効になっており、それぞれの弾痕の周囲にくぼみが作成されています。

テクスチャ レイヤをシェーダに追加すると、そのシェーダの 1 つまたは複数のパラメータ(ポート)がレイヤに追加されます。このレイヤは、選択したポート上でミックスされます。このミキシング処理は、いくつかの異なるミキシング方法のいずれかを使用して、割り当てられた強度(ウェイト)に従って行われます。

テクスチャをレイヤ化するために、シェーダのポートはたばねられてベース レイヤとして扱われ、テクスチャ レイヤとブレンドされます。シェーダの一部のポートが別のシェーダに接続すると、接続先のシェーダもベース レイヤの一部と見なされます。たとえば、セル テクスチャが[Phong]シェーダの[Ambient]ポートと[Diffuse]ポートに接続されている場合、セル テクスチャは[Phong]のベース レイヤの一部として扱われます。

以降のテクスチャ レイヤは、それぞれに固有のウェイト、固有のミキシング方法で順番にブレンドされていきます。各テクスチャ レイヤは、ミキシング順序での位置とは関係なく、レイヤが追加されたポートにのみ作用します。