フォトン エフェクトのトラブルシューティング

 
 
 

ここでは、作成したシーンのライティングを最適化する上で役立つ情報と、一般的な問題のトラブルシューティングについて掲載します。「ライトのトラブルシューティング」で説明されているテクニック、最適化メソッドの多くは、フォトンを放出するライトにも適用できます。

注:スピードを最適化すると品質が下がり、品質を最適化するとスピードが落ちることに注意してください。

フォトンのテクニック

  • [1 回目のレンダリング](The first render): フォトンを初めてレンダリングする場合は、 フォトン マップを計算するため、その後のレンダリング処理よりも少々時間がかかります。

  • [レシーバの数](Number of receivers): フォトンのレシーバとして定義するオブジェクトが少なければ少ないほど、フォトンのレンダリング速度は向上します。

    必要がなければ、シーン内の各オブジェクトをレシーバとして定義しないようにしましょう。たとえば、室内の天井がカメラのフレームに入らない場合は、レシーバとして定義する必要はありません。

  • [小さい値で開始](Start small): グローバル イルミネーション エフェクトを調整する場合は、小さい値で作業を開始し、徐々に値を上げるようにしましょう。はっきりと見えるように放出フォトンを使ってみてください。

    はじめは 1,000 程度の値が最適です。フォトンの数を増やすほどエフェクトは滑らかになります。

  • [強度を高めにする](Use a high intensity): フォトン エフェクトを調整する場合は、[ライト]プロパティ エディタの[強度]の値を高くします。値を 40,000 程度にすると、はじめからフォトンがはっきり見えます。

  • [ファイナル ギャザリングを使用するときには](When to use final gathering): 複雑でボリュームのあるエフェクトを使用するシーンやスペキュラを多く使用するシーンではファイナル ギャザリングを使用しないようにしてください。ファイナル ギャザリングは、イルミネーションがまばらに散らばるシーンで効果を発揮します。

フォトン エフェクトを最適化する

ライト(処理速度の最適化)

配置するライトの数はレンダリング速度に大きく影響します。

  • 写真のようにリアルなシーンを作成しないのであれば、一部のライトをフォトンが放出しないようにすることも考慮してみてください。

  • フォトンの光線はコースティクス レシーバに容易に届きます。フォトンが不必要に弱くなったり消失しないようマテリアルを分散させましょう。

グローバル イルミネーションを使用する(処理速度の最適化)

グローバル イルミネーションのシミュレーションでは、レンダリングに大変時間を要することになります。相互反射の拡散処理やコースティクス エフェクトでカラー ブリーディングなどのエフェクトを必要としないのであれば、グローバル イルミネーションの代わりにアンビエント ライトやファイナル ギャザリングを擬似的に使うことも考慮してください。

コースティクス エフェクトを使用する(処理速度の最適化)

コースティクスは、グローバル イルミネーションのシミュレーションを含む完全なエフェクト セットのサブセットです。コースティクスだけが必要な場合は、コースティクスが使用されるレンダ パスの[コースティクス](Caustics)オプションだけを有効にします(notグローバル イルミネーションは有効にしない)。

フォトン エフェクトのトラブルシューティング

ここでは、一般的な問題点とその解決方法について説明します。

フォトン レンダリングを実行できない

キャスタ、レシーバ、およびフォトンの光源が定義されていることを確認してください。これらの項目のうち 1 つでも指定し忘れると、レンダリング時にエラー メッセージが表示されます。

注:投影、レシーバ、およびフォトンの光源がすべて定義されていないと、レンダ オプションによりグローバル イルミネーションとコースティクスの設定がオフに設定されます。

フォトン レンダリングの実行に時間がかかりすぎる

  • レンダリングに時間がかかるのは、放出するフォトンを多く指定しすぎているためです。

    エフェクトについて理解するまでは低めの値(例: 1000 まで)を設定します。

  • グローバル イルミネーション、コースティクスおよびファイナル ギャザリングを同時に使用すると、コンピュータに負荷がかかりすぎる場合があります。

    有効なエフェクトの設定を調整し、その後にもう一方のエフェクトを設定するようにしながら、なるべく 3 つのうち 2 つのエフェクトを無効にするようにしましょう。また、エフェクトを追加するにあたり異なるレンダ パスを使用すれば、システムの停止が防げます。

最初のフレームの直前または直後でレンダリングが中止されてしまいます

この問題は、ほとんどの場合、[フォトン マップ]に無効なパスが指定されていることが原因で発生します。

[mental ray レンダー オプション]プロパティ エディタを開き、[GI とコースティクス](GI and Caustics)タブをクリックします。タブの一番下のテキスト ボックスに、[フォトン マップ]ファイルへのパスが表示されます。(...)ブラウズ ボタンをクリックすると、新しいパスを選択できます。

グローバル イルミネーション/コースティクスのエフェクトが柔らかすぎます

どのライトが柔らかいエフェクトの原因かを判別し、ライト シェーダのプロパティ エディタからフォトン数を増やします([修正](Modify) [シェーダ](Shader)を選択します)。

グローバル イルミネーション/コースティクスのエフェクトがスプラッタ状態になります

この問題は、オブジェクトをヒットするフォトンの数が少なすぎて発生することがあります。通常は、フォトンがまず別のオブジェクトにヒットし、フォトンの一部しか目的の場所に照射されないため、エフェクトが不均一になります。

[精度]パラメータまたは[放出フォトンの数]パラメータの値を大きくすると、この問題を修正できます。

コースティクスが思い通りにシャープに表現できない

コースティクスのキャスタが、シャープなコースティクス エフェクトに適した形状であることを確認してください。通常はカーブ オブジェクトや厚みが変化するオブジェクトを使用します。

また、オブジェクトの屈折率は、少なくとも 1.33 または 1.5 にすることを推奨します。さらに、コースティクス レシーバは、適切な距離で配置する必要があります(遠すぎたり近すぎたりすると、エフェクトが発生しなくなったり、吹き飛ばされたりします)。ライト自体も、エフェクトを作成するのに十分な明るさにする必要があります。

変更しても効果がない

[マップのリビルド]がオンになっていることを確認してください。