グラディエントの作成

 
 
 

グラディエント(階調)を使用して、さまざまなシェーディング エフェクトを作成できます。グラディエントをテクスチャ オブジェクトに使用するほか、グラディエントを使用して他のシェーダのパラメータを取り扱うことができます。一般的に、グラディエントは 2 つのテクスチャのブレンドに使用されます。

グラディエント シェーダ

カラーやアルファのグラディエントを個別に設定できるGradient(グラディエント)テクスチャ シェーダを使用して、グラディエントをシーンに追加できます。最大で 8 つのカラーまたはアルファ値を持つグラディエントを作成できます。

  • グラディエント テクスチャ シェーダは、グラディエント テクスチャを選択したオブジェクトのサーフェイスに適用します。

    この例では、グラディエント テクスチャ シェーダを使用して頭部がテクスチャリングされています。[スペクトル]プリセットが設定されている標準的な垂直方向のグラディエントは、頭部のサーフェイスをシェーディングします。

  • [2D Gradient]シェーダは、スカラまたはベクトル入力を受け取って、それを基にカラー グラディエントを出力します。これにより、たとえば距離、ベクトル座標、または下の図でいえばインシデンスに基づき、グラディエントを作成できます。

    この例は、インシダンス シェーダがそのグラディエントを制御する、2D グラディエント シェーダでテクスチャリングされた頭部です。インシデンスはグラディエント カラーの配置場所を決定します。

グラディエント シェーダの接続

グラディエント テクスチャ シェーダやグラディエント ミキサ シェーダをオブジェクトに接続するには、テクスチャを適用するで説明するテクスチャリング方法のいずれかを使用します。

グラディエント シェーダを適用したら、プロパティ エディタを開き、次のセクションの説明に従ってグラディエント コントロールを使用してグラディエントを定義します。

グラディエントコントロールを使用したグラディエントの定義

グラディエント テクスチャ シェーダまたはグラディエント ミキサ シェーダのプロパティ エディタに存在するグラディエント スライダで、グラディエントを作成・調整します。 このスライダには、左から右へのグラディエント、つまり、開始位置(0.00)から終了位置(1.00)までのグラディエントが表示されます。デフォルトでは、新しいグラディエント シェーダに、6 つのマーカーが設定されたマルチカラーRGBA グラディエント([RGBA グラディエント]タブ)と 2 つのマーカーが設定された黒から白のアルファ グラディエント([アルファ グラディエント]タブ)が表示されます。

[RGBA グラディエント]タブで RGBA グラディエントを定義する方法を以下に説明しますが、[アルファ グラディエント]タブでアルファ グラディエントを定義するプロセスもほぼ同じです。アルファ グラディエントの定義の詳細については、「アルファグラディエントのアクティブ化」を参照してください。

ヒント:まず、プロパティエディタのプリセットボタンをクリックして、用意されているプリセットのいずれかにグラディエントを設定します。プリセットは、RGBA グラディエントとアルファ グラディエントの両方で使用できます。

グラディエント コントロール

 

 

A

カラー マーカー

  • カラー マーカーをクリックすると、そのカラーと位置が表示されます。

  • マーカーを移動し、カラーの位置をグラディエント内で調整します。

詳細については、「カラー マーカーをグラディエントに追加する」および「グラディエント上のカラー マーカーの位置を調整する」を参照してください。

B

補間マーカー

  • 補間マーカーをクリックしてその位置を表示します。

  • マーカーを移動し、隣接する 2 つのカラー間の中間点を調整します。

2 つのマーカー間のブレンドを調整する」を参照してください。

C

グラディエント スライダ

グラディエント スライダは、グラディエント カラーがどのようにブレンドされるかを表します。

D

カラー スライダ

スライダを使用し、選択したカラー マーカーのカラーを調整します。「カラー プロパティを定義する」(「インタフェースおよびツール」)を参照してください。

E

リニア補間/キュービック補間ボタン

このボタンをクリックすると、2 次補間と 3 次補間が切り替わります。「グラディエントの補間を設定する」を参照してください。

F

[グラディエント タイプ]ドロップダウン リスト

矢印をクリックするとリストからグラディエント タイプを選択できます。「グラディエント タイプの選択」を参照してください。

G

方向反転チェックボックス

ここをクリックしてグラディエントの方向を反転します。「グラディエントの反転」を参照してください。

H

[クリップ]チェックボックス

終端カラーが有効範囲からはみ出さないよう、ここをクリックしてグラディエントを固定します。「グラディエントのクリッピング」を参照してください。

I

グラディエント スライダ(点線でハイライト表示)

グラディエントを、表示のみのガンマ補正で表示します。

  • グラディエント スライダの任意の位置を右クリックしてポップアップ メニューを開きます。ここで、対応するプロパティ ページのすべてのカラー ウィジットの[ガンマ補正](Gamma Correction)で指定できる表示設定のオン/オフを切り替えることができます。

特定のカラー ウィジットのガンマ補正をオフにすると、ローカルでのみこのウィジットはオフになります。グローバル プリファレンス設定は変更されません。

色補正のオプションの設定方法については、「[Display]プリファレンス」(「プリファレンス リファレンス」)を参照してください。

J

カラー チップ(点線でハイライト表示)

カラーを、表示のみのガンマ補正で表示します。

  • カラー チップを右クリックすると、対応するプロパティ ページのすべてのカラー ウィジットの[ガンマ補正](Gamma Correction)で指定できる表示設定のオン/オフを切り替えることができます。

特定のカラー ウィジットのガンマ補正をオフにすると、ローカルでのみこのウィジットはオフになります。グローバル プリファレンス設定は変更されません。

色補正のオプションの設定方法については、「[Display]プリファレンス」(「プリファレンス リファレンス」)を参照してください。

カラー マーカーをグラディエントに追加する

  • グラディエント スライダの任意の位置をクリックし、新しいカラー マーカーを追加します。デフォルトでは、グラディエントのカラーがクリックした場所にあると認識されます。グラディエントには最大 8 個のマーカーを配置できます。

    カラー マーカーを追加すると、追加したマーカーと隣接マーカーの中間点に、補間マーカーが自動的に挿入されます。

マーカーの RGBA 値の編集

  1. 任意のマーカーをクリックして選択します。

  2. カラー スライダ(またはカラー コントロール)を使用し、そのカラーを調整します。

    カラー定義の詳細については、「カラー プロパティを定義する」(「インタフェースおよびツール」)を参照してください。

グラディエント上のカラー マーカーの位置を調整する

  • 任意のカラー マーカーをクリックして選択し、次のいずれかを実行します。

    • マーカーを新しい位置にドラッグします。

      または

    • [位置](Pos)テキスト ボックスに新しい位置の値を入力します。Pos 値の取り得る範囲は、0.0(グラディエントの開始位置)から 1.0(グラディエントの終了位置)までです。

2 つのマーカー間のブレンドを調整する

  • 2 つのカラー マーカーまたはアルファ マーカー間にある丸い補間マーカーをクリックして選択し、次のいずれかを実行します。

    • 補間マーカーを新しい位置にドラッグします。

      または

    • [位置]テキストボックスに新しい位置の値を入力します。補間マーカーで使用できる範囲は、0.05 から 0.95 までです。

グラディエントからカラー マーカーを削除する

  • カラー マーカーを右クリックし、メニューから[マーカーの削除](Delete Marker)を選択します。

グラディエントの補間を設定する

  • 補間ボタン(選択した補間タイプに応じて[キュービック](Cubic)マークまたは[リニア](Linear)マークになる)をクリックし、3 次補間と 2 次補間を切り替えます。

    [キュービック](3 次)補間はグラディエント カラー間でスムースなトランジションを作成し、リニア(1 次)補間は急激なトランジションを作成します。

グラディエント タイプの選択

  • リストから、以下のグラディエントのいずれかを選択します。

A

使用するグラディエント: スペクトルのプリセット

B

[垂直]: テクスチャ プロジェクション オブジェクトの下部から始まって、上部に徐々に移行する標準リニア グラディエントを作成します。

C

[水平]: テクスチャ プロジェクション オブジェクトの最も左のエッジから始まって、最も右に徐々に移行する標準リニア グラディエントを作成します。

D

[放射状の波]: テクスチャ プロジェクションのセンターを起点にグラディエントを作成します。外側に向かってカラーがトランジションし、的のようなパターンを持ちます。

E

[放射状の虹]: 同様に、テクスチャ プロジェクションの中心を基点とする虹のようなグラディエントを作成します。ただし、このモードではリニアで左右対称なパターンを使用します。

F

[対角の下方]: テクスチャ プロジェクション オブジェクトの左下隅から始まって、右上隅に徐々に移行する標準リニア グラディエントを作成します。

G

[対角の上方]: テクスチャ プロジェクション オブジェクトの左上隅から始まって、右下隅に徐々に移行する標準リニア グラディエントを作成します。

注:[アルファ グラディエント]タブのアルファ グラディエントを有効にしている場合は、[RGBA グラディエント]の[グラディエント タイプ]を変更すると、[アルファ グラディエント]の[グラディエント タイプ]も変更されます。

グラディエントの反転

  • [方向反転]オプションを有効にして、上から下へのグラディエントが下から上の方向になるように、グラディエントの方向を反転します。

注:[アルファ グラディエント]タブのアルファ グラディエントを有効にしている場合は、RGBA グラディエントを反転するとアルファ グラディエントも反転されます。

グラディエントのクリッピング

  • グラディエントの最初のカラーと最後のカラーがカラー有効範囲外にはみ出さないようにするために、[クリップ](Clip)オプションを有効にします。

    [クリップ]オプションを有効にすると、グラディエントの開始から最初のカラーの有効範囲の先頭まで、そして最後のカラーの有効範囲の終端からグラディエントの終了までが、黒に設定されます。

    このオプションが無効になっている場合は、以下が発生します。

    • グラディエントの最初のカラーは、グラディエントの開始位置から最初のカラーの有効範囲の開始位置まで適用されます。

    • グラディエントの最後のカラーは、有効範囲の終了位置からグラディエントの終了位置まで適用されます。

注:[アルファグラディエント]タブのアルファグラディエントを有効にしている場合は、RGBAグラディエントをクリップするとアルファグラディエントもクリップされます。

アルファグラディエントのアクティブ化

[RGBA グラディエント]のほかにも、[グラディエント]シェーダはアルファ チャンネル内に独立したグラディエントを作成できます。これにより、カラーとは個別にグラディエントのアルファを変更できます。

たとえば、あるカラーから別のカラーへ変わるときの階調の透明度が全体的に徐々に低くなるように、7 つのマーカーが設定された[RGBA グラディエント]と 2 つのマーカーが設定された[アルファ グラディエント]を使用できます(以下の図を参照)。

   

[カラー グラディエント]: 頭部は、グラディエント シェーダでテクスチャリングされています。[RGBA グラディエント]のみを使用しています。

     

[カラー グラディエント]と[アルファ グラディエント]: 同じ頭部に有効な[アルファ グラディエント]があり、階調の終わりに近づくにつれ[RGBA グラディエント]を徐々に不透明にします。

注:アルファ グラディエントを有効にすると、[RGBA グラディエント]でカラー マーカーに設定した任意のアルファ値が上書きされます。

アルファ グラディエントを定義するには

  1. [Gradient](テクスチャまたはミキサ)プロパティ エディタから[アルファ グラディエント]タブに移動し、アルファ グラディエントを有効にします。デフォルトでは、黒から白への階調が表示されます。

    注:

    目的の[プリセットボタン](Preset button)をクリックすると、グラディエント用プリセットのいずれかにすばやく設定できます。

    • [黒白](Black and White): 2 つのマーカーを持つアルファ グラディエント。黒(アルファ値=0)から白(アルファ値=1)にトランジションします。

    • [白黒](White and Black): 2 つのマーカーを持つアルファ グラディエント。白(アルファ値=1)から黒(アルファ値=0)にトランジションします。

  2. グラディエント コントロールを使用して、カラー グラディエントと同じ方法でアルファ グラディエントを定義します(「グラディエントコントロールを使用したグラディエントの定義」を参照)。

ただし、カラー スライダでカラー値を設定する代わりに、ひとつの[アルファ](Alpha)スライダで各マーカーのアルファ値を設定します。

A

[アルファ グラディエント]のグラディエント スライダおよびその他のグラディエント コントロールは、[RGBA グラディエント]と同じ機能を持ちます。

B

ここをクリックすると、アルファ グラディエントが有効になります。

C

アルファ スライダを使用し、グラディエント内で選択したアルファ マーカーのアルファ値を設定します。

[アルファ グラディエント]のその他のグラディエントパラメータも、[RGBA グラディエント]と同様の機能を持ちます。

注:[アルファ グラディエント]および[RGBA グラディエント]に、異なるグラディエント タイプを適用することはできません。同様に、[アルファ グラディエント]の反転と固定も[RGBA グラディエント]のそれと同じでなければなりません。

グラディエントマーカーのアニメート

RGBA/アルファ グラディエントのカラー/アルファ マーカー(四角形)および補間マーカー(円形)は、時間の経過とともにそのカラー/アルファ値と位置を変化させることができます。

また、補間マーカーの位置をアニメートすることもできます。この操作は、指定マーカーのカラー、アルファ、またはポジション パラメータに対し、キーフレームを設定することにより行います。

ご想像どおり、普通に実行すればこの作業は時間を取ることがあります。しかし、この操作のために[Gradient]プロパティ エディタにはアニメーション ツールが用意されており、グラディエント マーカーのキーイングを容易にしてくれます。以下に、使用できるボタンを示します。

これらのボタンをクリックすると、カラー マーカーや補間マーカーへのキーフレームの追加、アニメーションの削除、マーカーからのシェーダのアタッチといった操作をすばやく実行できます。

注:

[すべてキー](Key All)ボタンと[キーの削除](Remove Keys)ボタンでキーの設定や削除を行うと、タブのパラメータに対してのみキーが設定または削除されます。

たとえば、[アルファ グラディエント]タブの[すべてキー](Key All)ボタンをクリックすると、アルファ グラディエントのパラメータのみにキーが設定されます。同様に[RGBA グラディエント]パラメータにキーを設定するには、[RGBA グラディエント]タブの[すべてキー](Key All)ボタンをクリックします。

グラディエント マーカーをアニメートするには

  1. キーを設定したいフレームに移動します。

  2. [RGBA グラディエント]タブまたは[アルファ グラディエント]タブで、以下のいずれかを実行します。

    • グラディエント内に表示されているすべてのマーカーをキーイングするには、[すべてキー](Key All)ボタンをクリックします。四角形のカラー/アルファ マーカーの [Color/Alpha] 値および [Pos] 値がキーイングされ、円形の補間マーカーの [Pos] 値がキーイングされます。

      または

    • 四角形のカラー/アルファマーカーまたは円形の補間マーカーを選択し、[カラー][アルファ](Color/Alpha)パラメータまたは[位置](Pos)パラメータのアニメーションアイコンをクリックします。

マーカーのアニメーションを削除するには

  • [RGBA グラディエント]タブまたは[アルファ グラディエント]タブで、任意のフレームにおいて以下のいずれかを実行します。

    • マーカーの全パラメータからすべてのキーを削除するには、[キーの削除](Remove Keys)ボタンをクリックします。

      または

    • カラー/アルファ マーカーまたは円形の補間マーカーを選択し、キーを適用したフレームに移動して、[位置](Pos)パラメータのアニメーションアイコンをクリックします。

マーカーの位置をリセットしてキーを削除するには

  • [リセット](Reset)ボタンをクリックします。

    これにより、カラー/アルファ/補間マーカーのキーがすべて削除され、すべてのマーカーが元の位置に戻ります。また、それらのカラー値、アルファ値、補間値も元の値に設定されます。

シェーダとグラディエント マーカーの接続

シェーダを任意のグラディエント カラー/アルファ/補間マーカーと接続できます。[カラー]マーカーおよび[アルファ]マーカーは[Gradient]プロパティ エディタから接続できます。[補間]マーカーは Render Tree で接続する必要があります。たとえば、テクスチャの階調の作成が可能になります。

マーカーのカラー/アルファ パラメータにシェーダを接続するには

  1. [RGBA グラディエント]タブまたは[アルファ グラディエント]タブで、[カラー/アルファ]マーカーをクリックし選択します。

  2. 次のいずれかの操作を実行します。

[カラー/アルファ]マーカーと[補間]マーカーからすべてのシェーダを削除するには

  • [RGBA グラディエント]タブまたは[アルファ グラディエント]タブで、[シェーダ削除](Remove Shaders)ボタンをクリックします。グラディエント マーカーの[カラー/アルファ]パラメータおよび[位置]パラメータにアタッチされているシェーダがすべて接続解除されます。

注:

[RGBA グラディエント]タブの[シェーダ削除](Remove Shaders)ボタンをクリックすると、[RGBA グラディエント]のパラメータに接続されたシェーダだけが削除されます。

[アルファ グラディエント]タブでこのボタンをクリックすると、アルファ グラディエントのパラメータに接続されたシェーダだけが削除されます。