mia_physicalsky

 
 
 

カテゴリ: mental ray > 環境

シェーダ ファミリ: ボリューム

出力: カラー

[関連 Softimageシェーダ](Related Softimage shader): Physical Sky(mia)(自然の空(mia))

このシェーダは、[mia_physicalsun]シェーダと併用するように設計されており、本物に近い昼間をシミュレートし、昼間のシナリオを正確にレンダリングします。また、このシェーダを[mia_material]シェーダと関連付けて使用することもできます。

自然の空シェーダは、大空を表現するカラー グラディエントを作成します。このカラー グラディエントは、ファイナル ギャザリングを使用してシーンをライティングするために使用されます。環境として使用すると、空をカメラに映し、反射させることもできます。

また、このシェーダは、モデルの下にある仮想地面も作成するため、ユーザはジオメトリを地平線までモデリングする必要はありません。仮想地面は、ビジュアルと地表からの反射の両方を備えています。

[Physical Sun]シェーダと[Physical Sky]シェーダにはいくつかの同じパラメータがありますが、それらすべての機能は同じです。物理的な正確性を保つため、両方のシェーダでこれらのパラメータをお互いに同期させておく必要があります。たとえば、太陽と空の「もや」の値が異なる場合、「本物らしさ」を確保できなくなります。最も重要な共通のパラメータは、シェーディングおよびカラー化モデル全体を操作するもの(もや、赤青シフト、彩度)です。

名前(Name)

Render Tree に表示されるシェーダ ノードの名前。任意の名前を入力するか、デフォルト名を使用します。

オン(on)

このシェーダをアクティブにします。

乗数(multiplier)

光出力のスカラ乗数。デフォルト値は 1 です。

rgb_unit_conversion

本物の測光単位以外に出力を変換します。この値が 1 1 1 の場合、mental ray シェーダ API 関数 [mi_sample_light](太陽光)および [mi_compute_avg_radiance](天空光)によって返される両方の値([mi_luminance] 関数を介した場合)は、測光値に数値的に一致します(単位は lux)。

大気外の太陽の強度は 127500 lux にキャリブレーションされるので、従来のレンダリング(通常、光の強度は 0~1)と比較すると、とても明るくなります。RGB ユニット変換パラメータは乗数として適用されるので、1 より小さな値(0.001 0.001 0.001 など)に設定し、lux 単位の数値をより管理しやすい値に変換する必要があります。

便宜上、内部的に 0 0 0 という値が設定されており、80000 lux(晴天の日のおよその光の総量)が従来の光レベル 1 に相当します。

もや(haze)

空気中のもやの量を設定します。範囲は、0(まったくもやのない快晴の日)~15(どんよりした曇りまたは砂嵐のような天気)です。もやは、空および地平線の強度と色、太陽光の強度と色、太陽の影のぼかし、太陽の周辺の光のぼかし、および空気遠近法の強さに影響を与えます。

赤青シフト(redblueshift)

光の赤みを調整します。既定値は 0(物理的に正確な値)ですが、このパラメータを使用して変更することができます。範囲は、-1(完全な青)~1(完全な赤)です。

彩度(saturation)

彩度を調整します。物理的に計算された彩度レベルは 1 です。範囲は、0(黒白)~2(最高彩度)です。

horizon_height

地平線のレベルを設定します。既定値 0 では地平線が標準的な高さになりますが、さまざまなレンダリング場所(山の頂上や高層ビルからの展望)に合わせるためにこの値を変更することもできます。

3D 空間では、地平線は特定の「高さ」にあるわけではありません。特定の角度より下に入るレイのシェーディング エフェクトに過ぎず、このパラメータを使用して変更することができます。範囲は-10(地平線が最も下にある)~10(地平線が天頂にある)ですが、小さい値の方が便利です。たとえば、-0.2 に設定すると、ある程度見えている地面の端のやや下に地平線が押し下げられます。

このパラメータは、自然の空シェーダの地平線のビジュアル表現だけでなく、自然の太陽そのものの色にも影響を与えます。

horizon_blur

地平線のブラーを設定します。この値が 0 の場合、地平線は完全に鋭角になります。通常は低い値(0.5 より低い値)が使用されますが、最大値は 10(ブラーのみで構成され、実際の地平線が存在しなくなる)です。

ground_color

仮想地面の色。これは拡散反射光反射値(アルベド)です。この色の地面は、Lambertian リフレクタのように見えます。太陽と空のみから光を受け、影はまったく当たっていません。

night_color

可能な限り暗くできる空の色の最大値。このパラメータは、日没後も光を放つ月、星、上層巻雲などのエレメントを追加する場合に便利です。日が沈み、空が暗くなっても、このパラメータの効果は変わらず、基本の光レベルのままとなります。

以下の太陽のパラメータは目に見える結果(カメラに映るものや、反射または屈折で見えるもの)に影響を与えますが、ファイナル ギャザリングの結果には影響を与えません。これは、自然の空シェーダがレイを異なる方法で扱うためです。カメラからの直接光では、反射光および屈折光と同様、太陽のパラメータを含め、「全体的な」空エフェクトが見えます。ところが、ライティングには太陽を表す直接光がすでにあるため(自然の太陽シェーダを使用した場合)、ファイナル ギャザリング レイでは日輪が見えません。

sun_direction

日輪の方向。

太陽(sun)

ポップアップ Explorer からライト(太陽)を選択します。選択したライトが、シェーダの方向を決めるコントローラとなります。太陽を表現するディレクショナル ライトである必要があります。たとえば、[mia_physicalsun]シェーダを持つものと同じライトなどです。これにより、可視の太陽面は実際の太陽光の方向に自動的に従います。

sun_disk_intensity

目に見える日輪の強度。太陽の外観を調整するために使用します。

日輪スケール(sun_disk _scale)

目に見える日輪のサイズを設定します。値 1 が物理的に正確な値ですが、既定値 4 が最も本物に近いサイズになります。

sun_glow_intensity

目に見える日輪のグローの強度。太陽の外観を調整するために使用します。

use_background

このオプションがオンになっていて背景が設定されていない場合、レンダリングの背景は透明な黒になります(外部合成に最適)。背景シェーダがある場合は、レンダリングの背景はそのシェーダのものとなります(たとえば、実際の場所の背景写真をルックアップするテクスチャ シェーダ)。どちらの場合も、自然の空シェーダの結果は反射および屈折で見えたままになります。

背景(background)

ポップアップ Explorer からシェーダ(背景)を選択します。

visibility_distance

空気遠近法をエミュレートします。「空気遠近法」とは画家の専門用語で、物体の遠近感を、そのぼやかし方や、スペクトラムの青の終わりの近くの色に色付けることによって表す手法です。

このパラメータをゼロ以外の値に設定すると、「10% の距離」という定義になります。つまり、もやのレベル 0 で、およそ 10% のもやが見える距離です。

このエフェクトを使用するには、自然の空シェーダをレンズまたはカメラのボリューム シェーダとして適用する必要があります。

y_is_up

「上方向」を向く要素を定義します。Softimage では Y 軸が「上方向」であり、このパラメータをオンにする必要があります。

フラグ(flags)

これは将来的な拡張機能で、テストや内部アルゴリズムのコントロールです。ゼロに設定する必要があります。

sky_luminance_mode

[sky_luminance_mode]がゼロの場合、空の輝度はもやのレベルや太陽の位置などに基づいて自動的に計算されます。

[sky_luminance_mode]がゼロでない場合、天空全体の輝度配分は Perez モデルに従います。このモデルは、a、b、c、d、および e という名前の 5 つのパラメータにより操作されます。このため、このモードを使用するには、有効な Perez 係数のセットが必要です。ただし、天空全体のカラー配分は、[haze]パラメータによって定義されます。

[sky_luminance_mode]が 1 の場合、空の輝度は[zenith_luminance]パラメータまたは[diffuse_horizontal_illuminance]パラメータを設定して定義できますが、両方は設定できません。

[sky_luminance_mode]が 2 の場合、天頂の輝度は CIE クリアスカイ モデルから算出されます(「mia_ciesky」を参照)。

zenith_luminance

カンデラ/平方メートル単位で空の輝度を定義します。

diffuse_horizontal_illuminance

特定のルクス単位で空の輝度を定義します。

a、b、c、d、e

有効な Perez 係数を指定します。

Render Tree の使い方

このシェーダは、mia_physicalsunというシェーダと併用するように設計されています。また、このシェーダをmia_materialというシェーダと関連付けて使用することもできます。

このシェーダはマテリアルのノードの[Environment]パラメータにのみ接続することができ、これによって環境マップを作成できます。このシェーダはシーンのカメラ環境シェーダとして使用され、自然の太陽シェーダは太陽を表すディレクショナル ライトに適用されます。

環境シェーダは、ファイナル ギャザリングを使用してシーンを照らすために使用されます。太陽からの反射光は、反射したファイナル ギャザリングのディフューズ ライトか、グローバル イルミネーション(フォトン)によって処理されます。