CrowdFX は、アクション ソースが設定されたモデル内に存在する様々なリグ化ポリゴン メッシュ エンベロープに使用できるように設計されています。このモデルは、CrowdFX で使用されるときはアクターと呼ばれます。一般的な群集シーンでは、通常これらのアクターは二足歩行または四足歩行かもしれません。しかし、多足のキャラクタを使用することも可能です。
もちろん、モデルおよびそのアニメーションを CrowdFX のアクターとして使用できるようにするために満たすべき要件がいくつかあります。
単一のポリゴン メッシュ(ワンメッシュ)のデータを、エンベロープ ジオメトリとして設定する必要があります(メッシュは、エンベロープ オペレータをひとつだけ持つものとします)。モデル内に複数のエンベロープ メッシュが見つかった場合は、CrowdFX のモデルをロードするときにポップアップされるエクスプローラで適切なものを選択するように求めるメッセージが表示されます(「群集シミュレーションにアクターをロードする」を参照)。
キャラクタを準備する際に、複数のポリゴン メッシュ オブジェクトを次の方法で1つのエンベロープのメッシュマージすることができます。これには、[モデル](Model)ツールバーの[作成](Create) [ポリゴン メッシュ](Poly Mesh) [マージ](Merge)コマンドを使用します。「ポリゴン メッシュをブレンドおよびマージする」を参照してください。コンストラクション モードでは[モデリング入力](Modeling Input)を使用し、エンベロープのウェイト転送を忘れないでください。
キャラクタまたはポリゴン メッシュ オブジェクトには、エンベロープをデフォームするリグが必要です。次の点に留意してください。
メイン COG(重心)タイプ エレメントは、デフォーマの必要があり、任意の名前を使用できます。CrowdFX システムでは、CrowdFX のアクターが選択されるときにこのデフォーマを自動的に識別し、その速度が歩行運動の計算で使用されます(「アクターの重心(COG)デフォーマ」を参照してください)。
リグで設定できるエンベロープ デフォーマの数に実際の制限はありませんが、各デフォーマはアクターのシミュレート時にアクターの各インスタンス(パーティクル単位)で使用されることに注意してください。不要なデフォーマ(指、足、顔の余分なデフォーマなど)を削除すると、見た目は同じでも再生パフォーマンスが向上します。
群集シミュレーション用にロードしたすべてのアクターでリグが同一の場合は、多くの操作を簡略化できます。アクション ソースを共有し、リグ プロキシを変更すると、そのリグ プロキシを使用するすべてのアクターに影響を与えることができるといった具合です。たとえば、同一モデルを複製し、同一リグを維持したままエンベロープやマテリアルに変更を加えることができます。
各モデルには、アクション ソースに格納されているアニメーションが[ミキサ](Mixer) > [ソース](Sources) > Animation ノードで定義されている必要があります。
唯一の例外は、複数のモデルが同一のデフォーマ リグを共有する場合であり(前述の説明を参照)、このときはモデル間でアクション ソースを共有することができます。詳細については、「アクター間でアクション ソースを共有する」を参照してください。
アクション ソースに格納されている歩行運動タイプのアニメーションは、グローバル空間内を移動しているアニメーションでも、「定位置」にとどまにとどまっているアニメーションでもどちらも利用することもできます。
アクションがグローバル空間内にある場合は、たとえば前進する歩行サイクルのように、正の Z 方向に移動する必要があります。これにより、CrowdFX で群集シミュレーションでのすべての歩行運動に理想的な速度をすぐに計算することができます。シミュレーションの各アクション ソースに対して使用される速度は、キャラクタの COG デフォーマの水平方向の速度に基づいて計算されます。
アクションがたとえば「その場」での歩行サイクルのようにモデルのローカル空間内でアニメートされる場合は、アクション ソースをロードし、サイクル速度に対応した値で水平方向の速度を設定できます。詳細については、「「その場でアニメート」運動アクション ソースを使用する」を参照してください。
適切なマテリアルがキャラクタのエンベロープ オブジェクトに、またはエンベロープ メッシュの複数クラスタに適用されていることを確認してください。クラスタ上のマテリアルは、CrowdFX に読み込まれるときに、アクター上の ICE マテリアルに変換されます。詳細については、「アクターのマテリアルとテクスチャを修正する」を参照してください。
前述の CrowdFX 要件に加えて、ここでは Autodesk Maya などの別の 3D ソフトウェアからモデルを読み込む場合のヒントについて説明します。
FBX ファイル フォーマットは、Softimage にモデルを読み込む場合に最も一般的で安定しているフォーマットです。最初の FBX ファイルを読み込んでキャラクタ(メッシュおよびリグ)を取得し、次にリグは同じでアニメーションが異なる別の FBX ファイルを読み込むことができます。
読む込むアニメーションごとに、[FBX の読み込みオプション](Import FBX Options)ダイアログ ボックスの[インポート](Import)タブにある[アクション ソースとしてインポートする](Import as Action Source)オプションを選択して、アクション ソースとしてアニメーションのみを追加します。次に[アニメーション](Animation)タブで、読み込むテイクを選択します(一度に読み込めるテイクは 1 つのみです)。アニメーションのみが必要なときは、リグを再度読み込まないように、このタブで[スケルトン](Skeleton)オプションおよび[エンベロープ](Envelope)オプションを選択解除していることを確認してください。
モデルが複数のメッシュをで構成されている場合は、前述の「エンベロープ」セクションで説明するように、[モデル](Model)ツールバー コマンドの[作成](Create) [ポリゴンメッシュ](Poly Mesh) [マージ](Merge)コマンドを使用してメッシュを 1 つのみ作成します。
多くの場合、Maya モデルのスケールは Softimage のキャラクタの標準的な既定サイズよりもかなり大きくなることに注意してください。[FBX の読み込みオプション](Import FBX Options)ダイアログ ボックスでスケールを適切に設定していることを確認してください。たとえば、スケールの単位として[デシメートル](Decimeters)を使用します。すべてのモデルをヌルの親にし、CrowdFX で使用している他のキャラクタと合うようにそのヌルをスケール ダウンすることもできます。