Texture Layer Editor を使用する
 
 
 

Texture Layer Editor は表形式のエディタで、すべてのシェーダまたはマテリアルのテクスチャ レイヤの表示と編集が可能です。表では、行によってレイヤを表し、列によって選択されたシェーダの入力またはポートを表しています。個々のセルに、テクスチャ レイヤへのポ―トを追加します。

各レイヤには、そのプロパティの編集をコントロールする部分があります。また、接続されている各ポートのセルには、対応するレイヤのポートへのエフェクトの微調整をコントロールする補助的な部分があります。

Texture Layer Editor には、大量の情報が比較的小さなインタフェースに詰め込まれているという利点があります。一見しただけで、どのシェーダがシェーダのポートに直接接続されているか、そのシェーダに追加されているテクスチャ レイヤの数、そのレイヤの適用対象になっているポートの数、レイヤのブレンドの方法と順序が分かります。このほか、各レイヤほとんどのプロパティを修正できるため、Texture Layer Editor は実に強力なツールです。

A

Texture Layer Editor のコマンド バーを使用すると、Texture Layer Editor で一般的に使用されるコマンドにすばやくアクセスすることができます。

B

選択済みシェーダのポートは、テクスチャ レイヤおよびベース レイヤに追加することができます。

C

シェーダ リストには、現在の選択のマテリアルに接続されたシェーダがすべて表示されます。シェーダを選択して、そのレイヤでエディタを更新します。

D

テクスチャ コントロールを使用すると、選択したレイヤの[Color]入力と[Mask]入力に割り当てられたテクスチャ プロジェクションをコントロールすることができます。

E

ベース カラー レイヤには、接続されていないすべてのポートのカラー ボックスが表示されます。

F

ベース レイヤには、現在のシェーダのポートに直接接続されているシェーダが示されます。

G

テクスチャ レイヤは、ベース レイヤおよび別のテクスチャ レイヤとブレンドされます。

レイヤは、2 つのグループに大別されます。ベース レイヤとテクスチャ レイヤです。

Texture Layer Editor では、テクスチャ レイヤの追加と削除、テクスチャ レイヤをブレンドする順序のコントロール、各レイヤが作用するポート(および作用の度合い)の指定、レイヤのほとんどのプロパティの編集を行うことができます(「テクスチャレイヤプロパティの設定」を参照)。

注:

テクスチャ レイヤのほとんどのプロパティは Texture Layer Editor で編集することができますが、いくつかのプロパティはレイヤのプロパティ エディタからしかアクセスできません。また、レイヤのプロパティも、レイヤのプロパティ エディタでしかアニメートできません。

レイヤのプロパティを編集する方法の詳細については、「テクスチャレイヤプロパティの設定」を参照してください。

Texture Layer Editor を開く

Texture Layer Editor を最初に開いたときに表示される内容は、エディタを開く前の選択対象(選択していた場合)によって異なります。

  • 何も選択していなかった場合は、Texture Layer Editor は空白になります。オブジェクト、シェーダ、またはマテリアルを選択してワークスペースを更新する必要があります。

  • シェーダを選択していた場合は、そのレイヤが表示されます。

  • オブジェクトまたはマテリアルを選択していた場合は、Texture Layer Editor には[Material]ノードの[Surface]ポートに接続されているシェーダのレイヤが表示されます。

  • 複数のオブジェクトまたはマテリアルを選択していた場合は、Texture Layer Editor には各[Material]ノードの[Surface]ポートに接続されているシェーダのレイヤが表示されます。1 つのシェーダに属しているポートは、他のシェーダに続いているレイヤでは淡色表示されます。

Texture Layer Editor を開くには

  1. 次のいずれかの操作を実行します。

    • メイン メニューで[ビュー](Views) [レンダリング/テクスチャリング](Rendering/Texturing) [Texture Layer Editor]を選択するか、[Shift]+[7]キーを押してフローティング ウィンドウ内に Texture Layer Editor を開きます。

      または

    • 任意のビューポートの[ビュー]メニューから、[Texture Layer Editor]. を選択します。

  2. 必要に応じて、オブジェクト、マテリアル、またはシェーダを選択して Texture Layer Editor を更新 します。

選択範囲のシェーダにアクセスする

特定の選択範囲について、Texture Layer Editor を更新すると、マテリアル ノードとそれに接続されたすべてのシェーダを含め、Texture Layer Editor のコマンド バーの選択リストから選択範囲のマテリアル全体にアクセスすることができるようになります。

シェーダ(またはマテリアル ノード)をリストから選択すると、そのシェーダの Texture Layer Editor が自動的に更新されます。現在のシェーダにレイヤを追加すると、そのレイヤのポートに接続されているシェーダが選択リストに追加されます。

この選択リストには、現在の選択範囲のすべてのシェーダとマテリアルが表示されます。いずれかを選択して、そのレイヤで Texture Layer Editor を更新します。

このため、シェーダを Explorer で探して選択しなくても、オブジェクトやマテリアルのいくつかのシェーダにテクスチャ レイヤを追加することができます。また、Render Tree を使用してテクスチャ レイヤを追加することも可能です。

Texture Layer Editor を開き、メニューから[ビュー]>[設定]を選択します。

Texture Layer Editor 設定では、行や列のデフォルトの外観と動作を指定することができるほか、行や列に示されるレイヤやポートの外観と動作を指定することができます。

Texture Layer Editor 設定を設定するには

  1. 次のいずれかの操作を実行します。

    • Texture Layer Editor を開き、メニュー バーから[ビュー](Views) [設定](Preferences)を選択します。

      または

    • 設定ビューを開き(メイン メニューから[ファイル](File) [設定](Preferences)を選択します)、Explorer で[エディタ](Editors) [Texture Layer Editor]を選択します。

      右側のペインで[Texture Layer Editor 設定]プロパティ エディタが開きます。

  2. 必要に応じて設定します。「Texture Layer Editor プリファレンス」を参照してください。

レイヤ表示順序を選択する(リスト ビュー/スタック ビュー)

Texture Layer Editor には、シェーダまたはマテリアルのテクスチャ レイヤがリストの場合は上から下に表示され、スタックの場合は下から上に表示されます。この違いは、次の図で確認することができます。

   

リスト ビュー: リストの一番上にベース レイヤが表示され、一番上のテクスチャ レイヤが一番下に表示されます。つまり、リストの下にあるレイヤほど、ミキシング順序が後になります。

スタック ビュー: ベース レイヤがスタックの一番下に置かれ、一番上のテクスチャ レイヤが一番上に表示されます。つまり、リストの上にあるレイヤほど、ミキシング順序が後になります。

ヒント:2D イメージ編集プログラムでレイヤ化されたイメージを操作するのに慣れている場合は、スタック モードの方が使いやすいかもしれません。

リスト ビューとスタック ビューを切り替えるには

  1. Texture Layer Editor を開き、メニュー バーから[ビュー](Views) [設定](Preferences)を選択します。

  2. [最後のレイヤを先頭に表示(スタック ビュー)](Show Last Layer First (Stack View))オプションをアクティブにするとテクスチャ レイヤがスタック ビューで表示され、このオプションを非アクティブにするとテクスチャ レイヤがリスト ビューで表示されます。

注:レイヤの上下移動は、リスト ビューでもスタック ビューでも同様に動作します。詳細については、「テクスチャ レイヤを記録する」を参照してください。

Texture Layer Editor で作業する

次のセクションでは、レイヤおよびポートの選択作業の基本のほか、Texture Layer Editor のインタフェースを使用した作業について説明します。

レイヤとポートを選択する

行(レイヤ)および列(ポート)は、キーボードまたはマウスを使用して選択することができます。行または列の見出しでカーソルを移動するには、矢印キーを使用します。

   

選択したレイヤが緑色でハイライト表示されています。

選択したポートが赤色でハイライト表示されています。

以下のさまざまな方法を使用して行および列を選択することができます。

  • 列見出しをクリックすると、1 つのポートが選択されます。

  • 行見出しをクリックすると、1 つのレイヤが選択されます。

  • [Shift]キーを押しながら矢印キーを使用すると、レイヤまたはポートの選択範囲が拡張されます。

  • 複数の行見出し上または列見出し上をドラッグすると、複数のレイヤまたはポートが選択されます。

レイヤ/ポート セルを選択する

キーボードまたはマウスを使用して、Texture Layer Editor のセルを選択することができます。矢印キーを使用し、グリッド内でカーソルを移動するか、セルをクリックし、そのセルをハイライト表示します。

選択したセルが紫でハイライト表示されています。

また、以下のさまざまな方法を使用して、複数のセルを選択することもできます。

  1. [Shift]キーを押しながら矢印キーを使用すると、矩形領域として選択された領域が拡張されます。

  2. [Shift]キーを押しながらクリックすると、最初に選択したセルから[Shift]キーを押しながらクリックしたセルの範囲で、選択したセルの矩形領域が選択されます。1 つのセルから別のセルへマウスをドラッグしても、矩形領域を選択できます。

  3. [Ctrl]キーを押しながらクリックすると、1 つのセルが選択に追加されます。

  4. [Ctrl]キーを押しながらドラッグすると、矩形領域が選択に追加されます。

  5. Texture Layer Editor の左上の隅をクリックすると、すべてのセルが選択されます。

レイヤ入力に関する情報を取得する

テクスチャ レイヤおよびベース レイヤに接続されているテクスチャやシェーダに関する情報を確認するには、マウス ポインタをレイヤのサムネイル(またはカラー ボックス)上に置きます。情報は、ポップアップ表示されたツールチップに表示されます。

ベース カラー ボックス、またはレイヤの未接続の[Color]入力のツールチップには、カラーの RGBA 値が表示されます。

イメージ クリップに接続されていると、[Color]入力、[Mask]入力、またはベース レイヤのサムネイルのツールチップには、クリップを使用するシェーダの名前、クリップの名前、クリップのソースへのパスが表示されます。

シェーダのプリセットに接続されていると、[Color]入力、[Mask]入力、またはベース レイヤのサムネイルのツールチップには、シェーダの名前が表示されます。

レイヤとポートの表示/非表示を切り替える

レイヤやポートを非表示にするには、1 つまたは複数のレイヤまたはポートを選択して[H]キーを押すのが最も簡単です。これ以外にもいくつかの方法があります。

レイヤの表示と非表示を設定するには

  1. 1 つ以上のレイヤを選択します。

  2. 選択したレイヤのいずれかを右クリックし、選択したすべてのレイヤを非表示にする場合は[選択の非表示](Hide Selected)を選択し、非表示になっているすべてのレイヤを表示する場合は[すべて表示](Show All)を選択します。

    あるいは、Texture Layer Editor の[ビュー]メニューで[選択の非表示](Hide Selection)または[すべてのレイヤを表示](Show All Layers)を選択することもできます。

ポートの表示と非表示を設定するには

  1. 1 つ以上のポートを選択します。

  2. 選択したポートのいずれかを右クリックし、メニューから以下のいずれかのコマンドを選択します。

    選択するコマンド

    実行内容

    選択の非表示

    選択されたポートをすべて非表示にします。

    選択以外を非表示

    選択されていないポートをすべて非表示にします。

    未使用を非表示

    どのベース レイヤまたはテクスチャ レイヤにも追加されていないポートをすべて非表示にします。

    使われているものを表示

    1 つまたは複数のベース レイヤまたはテクスチャ レイヤに追加されているポートをすべて表示します。

    カラーの表示

    カラー入力を受け付けている、現在のシェーダのポートをすべて表示します。

    スカラの表示

    スカラ入力を受け付けている、現在のシェーダのポートをすべて表示します。

    すべて表示

    テクスチャ レイヤに追加可能な、現在のシェーダのポートをすべて表示します。

    様々なポート項目

    現在のシェーダのポートの組み合わせを一覧表示します。ポートを選択するか、[Shift]キーを押しながら複数のポートを選択して、ポートを表示します。表示可能なポートには、メニューでドット記号が付けられます。

レイヤとポートを集約および展開する

Texture Layer Editor でレイヤを追加してポートを表示したときに、一部の行や列を集約して作業領域のスペースを取り戻す場合があります。

A

集約されたレイヤには、ウェイト スライダと、[Color]入力のサムネールを縮小したものが表示されます。

B

レイヤまたはポートの表示を集約すると、レイヤの行とポートの列が交差するセル内のレイヤ/ポートの操作部はドットに置き換えられます。

ヒント:Texture Layer Editor 設定を設定して、既定でレイヤとポートの表示が集約された状態になるようにすることができます。Texture Layer Editor コマンド バーから[編集](Edit) [設定](Preferences)を選択し、[設定]プロパティ エディタ内の[デフォルトで集約](Default Collapsed)を有効にします。

1 つのレイヤの表示を集約または展開するには

  1. レイヤの集約(三角形)アイコンをクリックします。

1 つまたは複数のレイヤ/ポートの表示を集約/展開するには

  1. 1 つまたは複数のレイヤまたはポートを選択します。

  2. 選択した行または列のいずれかを右クリックし、[状態の集約のトグル](Toggle Collapsed State)を選択するか、[C]キーを押して、集約された状態を切り替えます。

    選択したレイヤまたはポートの表示が展開されていた場合は集約され、その逆の場合は展開されます。一部のレイヤまたはポートの表示が展開されており、別のレイヤまたはポートの表示が集約されていた場合は、すべて集約されます。

選択範囲のセルの表示を集約または展開するには

  1. 1 つまたは複数のセルを Texture Layer Editor で選択します。

  2. [C]キーを押して、集約された状態を切り替えます。

    各セルに対応するレイヤおよびポートが集約または展開されます。

すべてのセルの表示を集約または展開するには

  1. Texture Layer Editor の左上の隅のセルをクリックすると、現在表示されているセルがすべて選択されます。

  2. [C]キーを押して、集約された状態を切り替えます。すべての行と列の表示が、集約または展開されます。

レイヤとポートをサイズ変更する

必要に応じて、ポートの任意の列またはレイヤの任意の行のサイズを大きくしたり、小さくすることができます。

  • [列の表示サイズを変更するには](To resize a column): 列内のセルの右側の境界線をクリックしてドラッグします。

  • [行の表示サイズを変更するには](To resize a row): 行内のセルの下の境界線をクリックしてドラッグします。

ヒント:列または行を既定のサイズに戻すには、列全体または行全体を選択し、[C]キーを 2 回押して、集約された状態を切り替えます。列または行が、集約または展開された状態で既定のサイズに戻ります。

Texture Layer Editor を更新する

Texture Layer Editor のコマンドバーの[更新](Update)をクリックすると、エディタが更新され、現在の選択範囲のテクスチャ レイヤが表示されます。また、表示サイズが変更されたすべての行と列が既定のサイズにリセットされます。

テクスチャエディタをクリアする

Texture Layer Editor の作業領域の内容は、Texture Layer Editor コマンド バー上の[クリア](Clear )ボタンをクリックしてすばやく消去できます。クリア コマンドでクリアされるのは、ワークスペースのみです。レイヤが削除されたり、レイヤへの変更が元に戻されることはありません。