Softimage のテクスチャリングについて
 
 
 

このセクションでは、テクスチャリング プロセスを通して理解しておくべき重要な基本概念をいくつか説明します。

テクスチャ タイプ

Softimage では、イメージ テクスチャとプロシージャル テクスチャの 2 つのタイプのテクスチャを使用できます。前者はオブジェクトのサーフェイスに適用される個別のイメージ ファイルであり、後者は数学的に計算されます。

イメージ テクスチャ

イメージ テクスチャは、オブジェクトを包むゴムの包装紙のように、オブジェクトのサーフェイスを覆うことができる 2D イメージです。イメージ テクスチャを使用するには、ペイント プログラムで作成された写真やファイルなどのピクチャ ファイル(PIC、GIF、TIFF、PSD、DDS など)を使用します。

重要:TIFF ファイルを 2D テクスチャとして使用するとき、mental rayレンダラを使用している場合は、LZW 圧縮せずにファイルを保存する必要があります。LZW 圧縮された TIFF は mental ray レンダラでサポートされていないためです。

プロシージャル テクスチャ

プロシージャル テクスチャは、それぞれが特定のアルゴリズムに応じて数学的に作成されます。通常は、チェッカーボードなどの諧調や反復パターン、および木、雲、大理石などの自然のパターンを表すフラクタルで使用されます。

Softimage のシェーダ ライブラリには、2D プロシージャル テクスチャと 3D プロシージャル テクスチャの両方が格納されています。2D プロシージャル テクスチャは、テクスチャ プロジェクションに従ってオブジェクトのサーフェイス上で計算されますが、3D プロシージャル テクスチャはオブジェクトのボリューム全体で計算されます。つまり、オブジェクトの表面に投影される 2D テクスチャとは異なり、3D テクスチャはオブジェクトの「内部」に投影されます。これは、3D プロシージャル テクスチャが、木の年輪や木の節など、内側に模様がある物質を表現できることを意味します。

テクスチャの内容

Softimage では、テクスチャは単なるイメージやシェーダ以上の役割を果たします。オブジェクトにテクスチャを適用すると、シーン内のテクスチャを定義するさまざまなエレメントが作成され、テクスチャが適用先のオブジェクトでどのように表示されるかがコントロールされます。

イメージ ソースとイメージ クリップ

イメージ ファイルをテクスチャとして適用すると、イメージ ソースとイメージのインスタンス(イメージ クリップ」と呼ばれる)が作成されます。イメージ ソースとイメージ クリップの詳細については、「イメージのソースとクリップを管理する」(「データ管理」)を参照してください。

一部のイメージ クリップは、同じソース ファイルから作成できます。作成されたクリップは、必要に応じてそれぞれ少しずつ編集できます。たとえば、サーフェイス テクスチャとバンプ マップの両方に同じピクチャ ファイル(ソース)を使用する場合、サーフェイス テクスチャとして使用されているピクチャが変更されないように、わずかなブラーなどのクリップ エフェクトをバンプ クリップに適用できます。

テクスチャ プロジェクションとテクスチャ サポート

各テクスチャは、テクスチャ プロジェクションに関連付けられている必要があります。プロジェクションは、オブジェクトのサーフェイスにどのようにテクスチャが適用されるかをコントロールします。

テクスチャ プロジェクションのタイプによっては、テクスチャ サポートが関連付けられている場合があります。テクスチャ サポートとは、たとえば 1 本のボトル上にラベルを貼り付けるとき、そのサイズと位置を決定する場合のように、プロジェクションを修正するための操作を実行できるシーン オブジェクトです。テクスチャ サポート オブジェクトは、3D ビューで濃い緑色のワイヤフレームで表示されます。

A

テクスチャ プロジェクション

B

テクスチャ サポート

テクスチャリング プロセスにおける動作は、スライド プロジェクタと似ています。次のような共通点があります。

  • テクスチャイ メージがスライドに相当します。

  • テクスチャ サポートがスライド プロジェクタに相当します。

  • テクスチャ プロジェクションは、スライドが実際にスクリーン上に表示されるエリアです。

  • オブジェクトまたはそのマテリアル ノードがスクリーンに相当します。

ここで、複数のスライドを同時に投影し、スクリーン上で各スライドを正確にコントロールできるスライド プロジェクタを思い浮かべてみると、 Softimage でのテクスチャリングの動作方法がよくわかります。

各オブジェクトには、複数のプロジェクションおよびサポートを含むことができます。各プロジェクションには 1 つのオブジェクトと 1 つのサポートのみ関連付けられますが、1 つのサポートは複数のオブジェクト上の複数のプロジェクションに関連付けることができます。

たとえば、封筒のモデルには単一の平面サポートを適用し、切手、宛名および差出人の住所のためのテクスチャ プロジェクションを使用できます。

UV 座標

オブジェクトにテクスチャ プロジェクションを適用すると、テクスチャ座標セット(「UV 座標」または単に「UV」と呼ばれる場合もある)が作成されます。この座標セットは、テクスチャのどの部分がオブジェクトのサーフェイスのどの部分に対応するのかをコントロールします。座標セット内の各 UV は、「サンプルポイント」と呼ばれるオブジェクト上の場所とイメージ上の場所を関連付けます。オブジェクトのサーフェイス上の別の場所のテクスチャ値は、周りのサンプルから補間されます。

  • ポリゴン オブジェクトでは、サンプル ポイントはポリゴン ノードやポリノードに相当します。ポリゴンの角ごとに 1 つのポリノードが含まれます。

  • NURBS オブジェクトでは、サンプル ポイントはオブジェクトのサーフェイスの通常のサンプリングに基づいて生成されます。

UV 座標は、Texture Editor を使用して表示および調整できます。「Texture EditorでのUVの操作」を参照してください。

   

Explorer に表示されるテクスチャ プロパティ

テクスチャ プロジェクションに関連付けられているすべてのプロパティが、Explorer に表示されます。

A

プロジェクションを適用すると、サンプル ポイントの完全なクラスタが自動的に作成されます。

B

テクスチャ プロジェクション自体は、クラスタのプロパティです。クラスタには複数のプロジェクション プロパティを含むことができます。

C

テクスチャ プロジェクション定義では、変換とクラスタのその他のプロパティをコントロールします。

D

テクスチャ サポート ノードのインスタンスは、プロジェクションの変換とその他のプロパティに影響するため、定義の下に表示されます。

E

UV 座標の操作は、スタックに追加されます。

F

[TextureOp]ノードは、サポートから最初の UV 座標を生成します。

サーフェイス シェーダとテクスチャの相互作用

イルミネーション シェーダとテクスチャは通常、オブジェクトの外観を形成するために組み合わせて使用します。イルミネーション シェーダには、ベース カラー、透明度、屈折、反射率などのオブジェクトのサーフェイス特性が定義されます。

一方、テクスチャでは、イメージまたはプロシージャル テクスチャがサーフェイスに適用されます。テクスチャはサーフェイス シェーダ自体を扱うわけではなく、特定のシェーダ パラメータを処理します。

ヒント:テクスチャ シェーダは[Material]ノードの[Surface]入力に直接接続することもできますが、サーフェイス シェーダを通して適用するとより詳細にコントロールできます。

次の例では、テクスチャはサーフェイス シェーダの[アンビエント]および[ディフューズ]パラメータのみに接続されています。Phong シェーダでは、テクスチャの値を入力ディフューズおよびアンビエント カラーとして処理し、スペキュラとその他の設定に基づいてシーンのライティングを計算し、最終的なサーフェイス カラーを出力します。

マテリアル ノードは[Phong]サーフェイス シェーダに接続されています。デフォルトでは、サーフェイス シェーダはサーフェイス、シャドウ、フォトン入力に接続されます。

テクスチャはサーフェイス シェーダの[アンビエント]および[ディフューズ]パラメータに接続されています。サーフェイスのアンビエントおよびディフューズの値はオーバライドされ、[Material]ノードの[Surface]入力に出力されます。これで、オブジェクトがテクスチャを表示するようになります。