カテゴリ: mental ray > マテリアル フェノメナ
実世界では多くの物質にある程度の透過性があるため、その表面で直接に光が反射することはありません。光は物質表面を貫通し、吸収または伝導される前に、物質内部で散乱します。サブサーフェイス スキャッタリングと呼ばれるこのエフェクトは、わずかに使用するだけでもレンダリングされる広範なマテリアルの写実性を格段に向上させます。
[misss_physical_phen]シェーダは、実世界の表面拡散プロセスの簡易版を使用し、サブサーフェイス スキャッタリングを物理的に正確な方法でシミュレートします。
サブサーフェイス スキャッタリングを正しく機能させるには、シーンの基本的な条件(以下)を満たす必要があります。
[Render Options]および/または[View Render Options]プロパティ エディタのレイトレースを有効にする
シーン ライト(理想的にはシェーディングされたオブジェクト上に焦点が合うスポットライト)の 1 つ以上をコースティックまたはグローバル イルミネーション エミッタとして設定する 放出されるフォトンの数およびエネルギー値を設定する
[Render Options]および/または[View Render Options]プロパティ エディタのコースティックおよびグローバル イルミネーションを有効にする
シェード オブジェクトの[Material]ノードの[Surface]および[Photon]入力にサブサーフェイス スキャッタリング シェーダを接続する
シェーディングされたオブジェクトをコースティック/グローバル イルミネーションのレシーバおよびトランスミッタとして設定する
[光学プロパティ](Optical Properties): サブサーフェイス スキャッタリングをコントロールする光学プロパティには、サーフェイス カラー、伝播カラー、屈折率、散乱係数および吸収係数、実際のスキャッタリング関数があります。 |
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名前(Name) |
Render Tree に表示されるシェーダ ノードの名前。任意の名前を入力するか、デフォルト名を使用します。 |
マテリアル(material) |
シェーディングされたオブジェクトのサーフェイス カラーを定義します。サーフェイス シェーダ(Phong、Blinn など)やテクスチャ シェーダなどの他のシェーダをこのパラメータに接続し、オブジェクトのシェーディング、サーフェイス カラーなどを修正できます。 |
透過(transmission) |
オブジェクトに進入する光をフィルタリングするトランスミッション カラーを定義します。このパラメータに 3D テクスチャ シェーダを接続すると、ライトがオブジェクトに進入するときにどのようにフィルタリングされるのかを調整できます。 |
ior |
透過マテリアルを通るときのライトの曲がり具合をコントロールします。屈折率はマテリアルの構造に従って変化します。 |
absorption_coeff |
チャンネルごとの吸収率を定義します。この値は、ライトがシェーディングされるオブジェクトを通り過ぎる際に、単位長あたりのライトの吸収率を決定します。 実世界における各マテリアルの吸収率の値は通常、光学書に掲載されています。このシェーダでこれらの値を使用し、目的のマテリアルのサーフェイス特性を正確に再現します。「ライト スキャッタリングと吸収係数」を参照してください。 |
scattering_coeff |
チャンネルごとの拡散率を定義します。この値は、ライトがシェーディングされるオブジェクトを通り過ぎる際に、単位長あたりのライトの拡散率を決定します。 実世界における各マテリアルの拡散率の値は、通常、光学書に掲載されています。このシェーダでこれらの値を使用し、目的のマテリアルのサーフェイス特性を正確に再現します。「ライト スキャッタリングと吸収係数」を参照してください。 |
scale_conversion |
ミリメートル(通常は吸収率や拡散率を表すための単位長)とシーン単位の間の変換を指定します。たとえば、シーン単位にインチを使用している場合は、このパラメータの設定を 25.4(mm/inch)に修正します。 |
scattering_anisotropy |
ほとんどのマテリアルの散乱光は均一には散乱しないため、その散乱度合いをコントロールします。 このパラメータの値の範囲は -1 から 1 までです。-1 の値は後方散乱のみ、1 の値は前方散乱のみが生成されます。0 の値は全方位に均等に散乱します。 |
[アルゴリズム コントロール](Algorithm Control): 以下のプロパティは、レンダリングの品質と複雑さをコントロールします。サブサーフェイス スキャッタリングの計算は、単一散乱、複数散乱、および拡散の 3 つのコンポーネントからなります。 その物質の光特性に応じて、各コンポーネントの影響力の強弱が決まります。たとえば、散乱が少ない状況下では単一散乱の影響が強くなり、吸収係数よりも散乱係数が大幅に上回るような大きく散乱する状況下では拡散の影響が強くなります。 各コンポーネントのオン/オフは必要に応じて切り替えることができます。大抵の場合は、どのコンポーネントもそのままの値を使用できます。 |
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深度(depth) |
このシェーダは 2 つの方法でフォトンを拡散します。一定の数のフォトンを拡散させるとスキャッタリングの精度は落ちますが、処理が速くなります。 このパラメータは、精細スキャッタリング(シャローレイヤ)を使用して実行されるスキャッタリング イベント数を指定します。この数に達すると、精度の低い「ディープ レイヤ」スキャッタリングが開始されます。 |
max_samples |
単一/複数散乱コンポーネントによって計算されるサンプルの最大数。一般的な値の範囲は 10 から 30 までです。 |
max_photons |
1 度の参照でサンプリングするフォトンの最大数。グローバル イルミネーションの[精度]パラメータに似ています。一般的な値の範囲は 100 から 1000 までです。フォトンが不均等に拡散するソーンでは 5000 までの値が有効です。 |
max_radius |
サンプル ポイントがフォトンを収集する場所を中心とする球内の最大半径。グローバル イルミネーションの[半径]パラメータに似ています。一般的な値は、オブジェクトの全体サイズに対し、小さい比率です。 |
approx_diffusion |
散乱コンポーネント計算のオン/オフを切り替えます。通常はオンにします。 |
approx_single_scatter |
単一散乱コンポーネント計算のオン/オフを切り替えます。通常はオンにします。 |
approx_multi_scatter |
複数散乱コンポーネント計算のオン/オフを切り替えます。通常はオンにします。 |
エフェクトを作成するライトを指定するライト リストを作成します。詳細については、「ライト一覧を使用する」(「直接照明」)を参照してください。
モード(mode) |
ライト リストのモード セレクタ。詳細については、「ライト一覧モードを設定する」(「直接照明」)を参照してください。 |