ここでは、クロスまたはソフト ボディのパフォーマンスを最適化するためのヒントをいくつか紹介します。
クロスまたはソフトボディシーンのレンダリング時にモーションブラーを使用する場合は、オブジェクトの[Motion Blur]プロパティエディタで[デフォーメーションブラー](Deformation Blur)が選択されていること、およびRender Managerの[mental ray] [モーションのステップ](Motion Steps) [デフォーメーション](Deformation)オプションに0より大きい値が設定されていることを確認してください。
詳細については、「mental ray のレンダリング設定」(「カメラとモーション ブラー」)を参照してください。
クロスの初期状態を直接設定することはできませんが(クロスのシミュレーションは何らかの変形状態から開始されるため)、次のような方法が有効です。
クロスが希望どおりの状態にあるフレームでクロスをフリーズし、クロス オペレータを再適用します。この方法の欠点はフォースと障害物をクロスに再適用しなければならないという点ですが、プロパティは保持されるため、再度設定し直す必要はありません。
ここでは、クロスまたはソフト ボディ シミュレーションのパフォーマンスが悪くなるのを防ぐ上で役立ついくつかのヒントを紹介します。
クロスまたはソフト ボディをオブジェクトに適用する前に、オブジェクトのジオメトリ スタックに不必要なオペレータが含まれていないかを確認しましょう。
たとえば、不要となったモデリング オペレータ(コンポーネントの移動、押し出しなど)があることが考えられます。可能なら、クロスまたはソフト ボディを適用する前にオブジェクトをフリーズしましょう。
シーンで適切なシミュレーション オブジェクトを見つけるために、*.clothop、*.softbodyop、*.obstacleprop などのワイルドカード選択を使用します。意外なシミュレーションを探せる場合もあります。
障害物では、どうしても必要でない限り[オブジェクトの変形アニメーションに対応](Animatable Deformations)をオフにしてください。これはジオメトリが、ある期間にわたって実際に変形する場合にのみ必要です。また、メモリを消費するオプションです。
また[両面衝突検知](Double face collision)が必要でなければ、[障害物]プロパティ エディタでオフにしておきます。
障害物に対して、スフィア、グリッド、ボックスなどのプリミティブ形状(あるいはそれらの形状に非常に近似するジオメトリ)を使用している場合は、[実際の形状](Actual Shape)ではなくバウンディング シェイプを使用してください。これにより多量のメモリを節約できます。
より正確な(「実際の形状」での)衝突を検出する場合は、高解像度でジオメトリを表示する代わりに、低解像度のオブジェクトを使用してください。
外観を希望どおりに維持できる範囲で微調整を行い、[フレーム毎反復回数](Iterations per Frame)の値を可能な限り小さく設定してください(「クロス シミュレーションの精度を設定する」または「ソフト ボディ デフォーメーションを安定させる」を参照)。
シーンの 1 つまたは 2 つのオブジェクトのみをシミュレートしてみて、フレーム間の反復回数を低い値から開始し、リアルなシミュレーションを得られるまで値を上げてください。
2 などの低い設定が適切な場合もあります。クロス オブジェクトまたはソフト ボディ オブジェクトごとに別々に調整してください。通常は同じ設定を使用しません。この値は、[硬さ]や[質量]などのプロパティ設定によって大きく異なります。
シミュレーションは、可能な限り小さい範囲に適用しましょう。オブジェクトの衝突をフレーム 107 から開始する場合は、その辺りからシミュレーションを開始し、できるだけ短時間で(たとえば、オブジェクトがビューの外に出たらすぐに)停止します。どうしても必要でない限り、シーンの全時間をシミュレートすることは避けてください。これにより、シミュレーション結果のキャッシュに使用されるメモリをいくらか節約できます(ただし前述の問題点ほど重要ではありません)。
シミュレーションの計算が終了したら、そのシミュレーションを保存しておくと(クロス シーンを保存するとき、またはシーンを保存する前に[ソフト ボディ オペレータ]プロパティ エディタの[シミュレーション保存](Save Simulation)をクリック)、シーンを開くたびに再計算を行う必要がなくなります。