エンベロープは、IK チェインなどのデフォーマのセットに「スキン」として割り当てられるオブジェクトまたは階層です。エンベロープは、エンベロープのデフォーマの動きに応じて動いたりデフォームします。たとえば、文字のスケルトンをアニメートすると、そのとおりに文字が動きます。
エンベロープの各ポイントは、1 つまたは複数のデフォーマに割り当てられます。各ポイントに対し、ウェイトはデフォーマの相対的な影響をコントロールします。
エンベロープ設定処理は、スキニングやボーニングなどと呼ばれることがあります。
デフォーマとは、エンベロープのシェイプをコントロールするオブジェクトです。エンベロープのデフォーメーションを初めて作成する場合は、デフォーマを使用します。必要に応じて、後でデフォーマの追加と削除を実行できます。
通常、デフォーマにはスケルトンを使用しますが、実際にはどのようなオブジェクトでもデフォーマとして使用できます。エンベロープのポイントはデフォーマのセンターに割り当てられるため、デフォーマのジオメトリは重要ではありません (ボーンは例外で、ポイントはボーンの全長によってデフォームされます)。立方体、球、ヌルにかかわらず、周囲のエンベロープはシェイプではなく、サイズや方向、デフォーマ センターからの位置と相対的に変換します。ヌルとインプリシット オブジェクトはレンダリングされないため、よい選択肢となります。
電球のエンベロープ([A])。この電球は、立方体、円柱、および円錐の階層にエンベロープを定義したオブジェクトです。デフォーマを定義したオブジェクトが Explorer に表示されています([B])。この例では、立方体、円柱、および円錐が使用されています。ヌルを使用しても同等の結果が得られますが、ジオメトリック オブジェクトを使用するとよりわかりやすく表示できます。
スケルトンを変化させて電球を変形します。立方体の移動([C])、円柱の移動(D)、立方体のスケーリングと回転([E])。
エンベロープ上の各ポイントのウェイトを合計すると 100 になります。ウェイトは、各ポイントに割り当てられている 2 つのデフォーマに配分されます。たとえば、デフォーマ A に対して 75、デフォーマ B に対して 25 のウェイトを持つポイントでは、A の影響力が B の 3 倍になります。
ポイントの割り当て、ウェイト配分を実行する方法は、複数のレベルでコントロールできます。
エンベロープ デフォーメーションを適用すると、まず、デフォーマとウェイトがポイントに割り当てられます。ポイントへの初期割り当て方法をコントロールするオプションは複数あります。
次に、ポイントを選択して特定のデフォーマに再割り当てするのか、またはデフォーマにまったく割り当てないのかを選択できます。
ウェイトの初期配分を再計算しなければならないような変更を行っても(デフォーマの追加やリファレンス ポーズのリセットなど)、これまでに変更したウェイトはすべて保持されます。
ウェイト配分を修正すると、その変更はオペレータ スタックに追加されます(ジオメトリ オペレータ スタックと同様です)。エンベロープの修正が完了したら、「エンベロープ ウェイトをフリーズする」の説明に従って、ウェイトをフリーズしてパフォーマンスを向上させることができます。
ウェイトをフリーズした後でも修正することはできますが、Softimage は初期割り当てを再計算できません。
近似エンベロープ デフォーメーションでは、3D ビューで作業および再生しているときの標準的なエンベロープのパフォーマンスを、ほぼ 2 倍に高めることができます。標準のエンベロープでは、ジオメトリがデフォームされた後、新しい法線が算出されます。近似エンベロープでは、ジオメトリと法線の両方がデフォームされます。その他のパフォーマンスの改善もあり、そのため、結果はワイヤフレーム表示であってもすばやく表示されます。
レンダ領域内も含め、レンダリングの際は常に標準エンベロープが使用されます。そのため、レンダリングの結果と 3D ビューでの表示では、シェーディングが異なる場合があります。
近似エンベロープ デフォーメーションは、デフォルトでは有効になっていますが、プリファレンスでオンとオフを切り替えることができます。