エクスプレッションとは、アニメート可能なパラメータのコントロールに使用する数式です。パラメータには、移動、回転、スケーリング、マテリアル、テクスチャなどがあります。
パラメータ間には、単純な "A = B" のような関係から、定義済みの変数、標準数学関数、乱数ジェネレータなどを使用した非常に複雑な関係まで、必要に応じたほぼすべての関係を作成することができます。エクスプレッションをどのように使用しても、パラメータ レベルに至るまで正確なアニメートが可能になるため、エクスプレッションが非常に強力であることがわかります。
エクスプレッションは、オブジェクト、パラメータ名、数学演算子、および関数や定数を表すトークンを含む文字列です。たとえば、オブジェクト A の Y 軸を中心とする回転を、オブジェクト B の X 軸に沿う移動に拘束する場合は、[A.kine.local.roty]に文字列[B.kine.local.posx]を含むエクスプレッションを設定することになります。
パラメータにエクスプレッションを設定した後では、パラメータをインタラクティブに操作することはできなくなります。たとえば、オブジェクトのローカル X 位置にエクスプレッションを適用した場合、移動ツールを使って X 軸でオブジェクトを移動することはできません。
数学にあまりなじみがない方でも、高度な数学関数を理解することなく使用できる、基本的なエクスプレッションもいくつかあります。実際に、よく使用されるエクスプレッションの中には数学関数をほとんど、またはまったく使用しないものが多数あります。たとえば、コンストレイントを作成するために、パラメータを別のパラメータと等しくするものなどです。その場合に知っておくべきことは、オブジェクト名と目的に適したパラメータだけです。
Softimage wikiに用意されている基本的なエクスプレッションを試した後、少し複雑なエクスプレッションも試してみてください。
Softimage で数学的機能の経験を積んだユーザは、キャラクタ リグ、アニメーション コントロール システム、シミュレーションなどのあらゆる種類のカスタム セットアップを作成できるようになります。実際に、複雑なキャラクタのセットアップを行う際にエクスプレッションの知識は重要です。エクスプレッションを使用すると、コンストレイントをはじめ、その他の方法を使用するよりも単純で直接的な方法でセットアップが可能です。