パーティクル ストランドは、ICE が生成し操作することができる一種のプリミティブであり、 パーティクルの後に描かれるソリッドなシェイプのトレイルです。これらのソリッドなシェイプは実際には、インスタンス化されたジオメトリ、球、矩形、ボックス、円盤、ブロブなど、ユーザがそのパーティクルに対して選択したシェイプの連続的なセグメントです。このパーティクル シェイプが、ストランドに沿って連続したポイント位置で繰り返されます。その後、レンダリング時にストランドが mental ray プリミティブに変換されます([セグメント]シェイプの場合は mi_hair プリミティブ、他のシェイプの場合はジオメトリ プリミティブ)。
ストランドにより、リボン、海草、髪の毛など、ソリッド感の強いオブジェクトを必要とするエフェクトや、光の縞や煙の跡などの軌跡タイプのエフェクトを簡単に作成できます。
ストランドは連続発生のように新しいパーティクルのセットを作成するわけではありません。ストランドは「パーティクル トレイル」と呼ばれることもあります(「ICE パーティクルの連続発生」を参照)。
ストランドはパーティクルから作成されるため、パーティクルの放出属性も数多く備えています。また、ストランドの数をフィルタリングする場合、通常どおりいずれかのフィルタ コンパウンドを使用できます。放出オブジェクトでウェイト マップを使用するなど、パーティクルを放出時にフィルタリングする場合は、ストランドもフィルタリングされます(「ICE パーティクル放出をフィルタする」を参照)。
数多くのストランド コンパウンドを使用することによって、ストランドの外観と動きを高度にコントロールして、さまざまなタイプのパーティクル エフェクトを作成できます。実際にストランドを作成するときに使用する主なコンパウンドは、[Create Strands]コンパウンドと[Generate Strand Trails]コンパウンドの 2 種類です。これら 2 つのコンパウンドでは、さまざまな方法でストランドを作成するため、同じ ICE ツリー内では、いずれかのコンパウンドしか使用できません。また、[Emit Strands]コンパウンドを使用して、ストランド ダイナミクスを使用することもできます。
[Create Strands]は、パーティクル ストランドを作成する基本的なコンパウンドです(「ストランドを作成する」を参照)。
[Generate Strand Trails]では、草やツタといった「成長する」ものなど、シミュレーションの長さと制限されたセグメントの数に基づいて、動的にパーティクル ストランドを作成することができます(「ストランド トレイルを生成する」を参照)。
[Emit Strands]はパーティクルを放出し、そのストランドを作成して、ストランドの属性を初期化します。これにより、髪の毛の作成などを目的として、ストランドでダイナミクスを使用できるようになります。詳細については、「ストランド ダイナミクスを作成する」を参照してください。
ストランドを作成または生成したら、他の任意の[Strand]コンパウンド([Turbulize Strand]や[Twist Strand]など)とこれらのストランド作成コンパウンドを組み合わせて、ストランドのシェイプや動作を変化させることができます。詳細については、「ストランドの形状調整」を参照してください。
これらの[Strand]コンパウンドは、単独で使用したり、または状態システムからさらに大きなエフェクトの一部として使用することもできます。状態システム内でストランドを使用するには、任意の[Execute]出力を[State]コンパウンドの適切な[Execute]ポートに接続します。状態の詳細については、「ICEパーティクル状態」を参照してください。
[Strand]コンパウンドではうまくコントロールできない場合は、ストランドの操作方法をカスタマイズするために用意されているいくつかのストランド属性を使用できます。これらの属性の多くは、このセクションで説明しているさまざまな[Strand]コンパウンドで既に使用されていますが、使用されていない属性もあります。
ICE パーティクル属性を使用するで説明されているように、[Get Data]および[Set Data]ノードで指定することで、任意の属性を ICE ツリーで単独で使用できます。
属性全般の詳細については、「ICE 属性」(「ICE リファレンス」)を参照してください。