nucleus オブジェクトと外部ダイナミック フォース

 
 
 

他の Maya エフェクトと同様に、nucleus オブジェクトは外部のダイナミック フォースによって操作できます。ダイナミック アニメーションまたはシミュレーションでは、物理法則に従ってダイナミック フォースのモーションを生成します。フィールド(Fields)( nDynamics メニュー セット > フィールド(Fields)メニュー)を使用して、nucleus オブジェクトにさまざまなタイプの外部ダイナミック フォースを作成できます。ダイナミック リレーションシップ エディタ(Dynamic Relationships Editor)を使用すると、nucleus オブジェクトと Maya フィールドとの接続の表示、変更ができます。

フィールドは、nucleus オブジェクトのモーションにダイナミックに作用させるときに使用できるフォースであり、従来のキーフレーム アニメーションでは難しいリアルなモーションを作成できます。フィールドを単独のフォースまたはボリュームとして、nucleus オブジェクト上に作成することができます。

フィールドは単独で、オブジェクトとして、ボリュームとしてなど、さまざまな方法で適用できます。

注:

次のセクションで、外部のダイナミック フィールドが nucleus オブジェクトと相互作用する方法について説明します。Maya フィールドの詳細については、フィールド(『ダイナミクス』マニュアル)を参照してください。

スタンドアローン フィールド

スタンドアローン フィールドは、シーン内の静止位置からでも移動位置からでも nucleus オブジェクトに作用しますが、ジオメトリには接続しません。スタンドアローン フィールドを作成すると、ノードを示すアイコンがシーン ビューに表示されます。

オブジェクト フィールド

オブジェクト(Object)フィールドは、オブジェクトに接続され、そのオブジェクトから影響を与えることで nCloth、nParticles、および nHair に作用します。すべての nucleus オブジェクトに、複数のオブジェクト フィールドを接続することができます。オブジェクト フィールドを作成すると、シーン ビュー内で、接続されている nucleus オブジェクト上、またはその近くに、ノードを示すアイコンが表示されます。

オブジェクト フィールドは、nCloth メッシュのすべてまたは一部の頂点からの影響を受けることができます。オブジェクト フィールドが、メッシュ上にあるポイントの平均位置から影響を受けるように設定することもできます。

ボリューム フィールド

ボリューム(Volume)フィールドは、指定したダイナミック フィールドによって nucleus オブジェクトが作用される空間の領域を定義します。たとえば乱気流(Turbulence)を作成し、そのボリューム シェイプを円錐に設定した場合、その円錐の領域内のオブジェクトのみが乱気流に作用されます。

立方体、球、円柱、円錐、またはトーラスはボリューム シェイプとして使用でき、移動、回転、およびサイズ変更が可能です。これは、ボリューム軸フィールドとボリューム軸カーブの場合だけでなく、Maya のすべてのフィールドで使用できます。

フィールドのタイプ

nucleus オブジェクトに対して次のタイプのフィールドを作成できます。

大気(Air)

大気フィールドは大気の移動のエフェクトをシミュレートします。大気フィールドに nCloth、nParticle、および nHair オブジェクトを接続すると、アニメーションの再生時にオブジェクトの速度が大気の速度に合わせて加速または減速します。たとえば、nCloth で大気フィールドを使用して、旗をはためかせる風や、 シルク スカーフに波紋を起こす跡、 首を振りながらリボンを揺らす扇風機などを作成できます。nParticle で大気フィールドを使用して、煙粒子を立ち上らせる上昇気流、雨を横殴りにする風、砂埃を運ぶそよ風などを作成できます。

大気フィールドを使用するを参照してください。

ドラッグ(Drag)

ドラッグ フィールドは、ダイナミック モーションによってアニメートされる nucleus オブジェクトに対して、スピードに比例してブレーキとなるフォースを生成します。たとえば、nCloth でドラッグ フィールドを使用して水中でキャラクタの服衣のモーションを低速にしたり、nParticle でドラッグ フィールドを使用して降ってくる雪や水面に上ってくる気泡のモーションを低速にしたりします。

詳細については、ドラッグ フィールドを使用するを参照してください。

重力(Gravity)

重力フィールドは、地球の重力をシミュレートします。重力フィールドは、nucleus オブジェクトをオブジェクトの質量に関係なく一定の方向に一定のレートで加速させます。たとえば nCloth や nParticle で重力フィールドを使用して、シーンの大気に応じてオブジェクトの移動スピードを調整します。また重力フィールドを使用して、特定の nucleus オブジェクトのみに適用する重力を作成し、他のオブジェクトよりも速く落下させることもできます。

詳細については、重力フィールドを使用するを参照してください。

ニュートン(Newton)

ニュートン フィールドはオブジェクトを引き寄せます。ニュートン フィールドは、任意の 2 つの物体間には、その質量の積に比例して互いに引き付ける力が存在するという法則に従っています。物体間の距離が開くと、引き付けるフォースは小さくなります。たとえば、ニュートン フィールドを使用して nCloth オブジェクトに静電気によるまとわりつきのエフェクトを作成したり、nParticle を集めて雲を形成したりします。

詳細については、ニュートン フィールドを使用するを参照してください。

放射状(Radial)

放射状フィールドは、磁石のように、オブジェクトを押しやるか、または引き寄せます。たとえば放射状フィールドを使用して、磁気を帯びたボタンが nCloth オブジェクトに貼り付くエフェクトを作成できます。

詳細については、放射状フィールドを使用するを参照してください。

乱気流(Turbulence)

乱気流フィールドは、作用を受ける nucleus オブジェクトに不規則なモーションを生成します。この不規則性はノイズまたはジッタとも呼ばれます。乱気流フィールドと他のフィールドを組み合わせることによって、水や空気などの流体または気体のランダムなモーションをシミュレートすることができます。たとえば、乱気流フィールドを使用して、木から落ちる nCloth の葉が舞い散る様子を作成したり、風に舞い上がる nParticle の埃が渦巻くモーションを作成したりします。

詳細については、乱気流フィールドを使用するを参照してください。

均一(Uniform)

均一フィールドは、nucleus オブジェクトを均一方向に押し出します。たとえば、nCloth で均一フィールドを使用して、スライドする生地のスクリーンを作成したり、nParticle を使用して横殴りの雨を作成したりします。

詳細については、均一フィールドを使用するを参照してください。

渦(Vortex)

渦フィールドは、円状またはらせん状にオブジェクトを引き寄せます。たとえば渦フィールドを使用して、洗濯物を物干し竿から吸い上げる竜巻などを作成できます。

詳細については、渦フィールドを使用するを参照してください。

ボリューム軸(Volume Axis)

ボリューム軸(Volume Axis)フィールドを使用すると、1 つのボリューム内で nCloth メッシュの複数のパーティクルまたは個々の nParticle をさまざまな方向に移動させることができます。オブジェクト上で伝わるモーションは、そのボリュームの軸に相関します。たとえば、 nCloth でボリューム軸フィールドを使用して、衣類オブジェクトを洗濯機内でぐるぐる回したり、nParticle で大気中に立ち上る煙を作成したりします。

ボリューム カーブ(Volume Curve)を使用して NURBS カーブを囲む軸フィールド領域を定義し、それから nucleus オブジェクトをカーブに沿ってさまざまな方向に移動することもできます。

詳細については、ボリューム軸カーブを使用するを参照してください。

関連項目