スキニング後にポリゴンのスムーズ(Poly Smooth)が適用されたポリゴン オブジェクトがファイルに含まれており、UV のスムーズ(Smooth UVs)オプションがオンの場合には、レンダーされたファーのアニメーション内でフリッカ、またはモーション ブラーが発生することがあります。
ファーをコームすると(方向(Direction)をペイント)、基本的にはヘアの極性(Polar)値が変わり、その結果として軸を中心として回転します。傾斜(Inclination)やカール(Curl)がまったくない状態でコームを行うと、ヘアがその軸を中心に回転するだけなので、何も起こっていないように見えます。
対応策:傾斜(Inclination)を 0 より大きい値、0.5 などに設定します。前のコーム結果と後のコーム結果がすぐにわかるでしょう。
ペイントした方向(Direction)を既定値にリセットしたいが、削除する方向(Direction)マップが見当たらない
方向(Direction)をペイントすると、ブラシ方向の解釈された値に基づいて極性(Polar)マップが書き出されます。これは、方向(Direction)マップを表示するのが非常に難しいためです。
対応策: ヘアの方向をリセットするには、極性(Polar)マップをディテール(Details)セクションから選択して項目の削除(Remove Item)を選び、除去します。アーティザン(Artisan)で極性(Polar)マップを塗り潰し、変更内容をグローバルに方向(Direction)に適用することもできます。たとえば、スムーズ(Smooth)と塗り潰し(Flood)を選択してコーム結果を均等にします。
ポリゴンに方向をペイントしても、ファー(Fur)がブラシ方向に流れないことがある
UV マップが 1 つの連続したマップになっていなければ、ブラシが UV 方向の継ぎ目で交差してしまうことがあります。このような場合、UV の断片の方向がテクスチャ空間で異なっている可能性があり、適切な方向を定義できないブラシのファーが出てきます。
対応策: ペイントするときに、UV の境界線を表示します(ディスプレイ > ポリゴン(Display > Polygons) > カスタム ポリゴン表示(Custom Polygon Display) > テクスチャ境界(Texture Borders))。継ぎ目の近くをペイントする際に、ブラシを小さくして 1 つの継ぎ目の両側に同時にペイントしないようにすることができます。
ファー ディスクリプション(Fur Description)アトリビュートをマッピングしてベイク処理を行ってから接続を解除しても、マップがまだ接続されているかのようにファーがレンダーされる
アトリビュート マップを一旦ベイク処理したら、接続を解除した後でそれを除去するために再度ベイク処理を行う必要があります。
対応策:接続をベイク処理してから、「 ベイク アトリビュート(Bake Attribute) 」ポップアップで目的のアトリビュートを選択し、ベイク処理(Bake)をクリックします。
変形しているポリゴン サーフェス上のファーが裏返しまたはペタッと寝たように見える
ファーは UV に従ってサーフェス上に配置されます。このため、時間の経過とともに UV が変化すると、ファーがサーフェス上で寝たように見えます。この現象は、たとえば、デフォーマの適用後に UV を投影した場合に発生します。
対応策: 可能であれば、UV 操作に関する履歴を削除するか、操作がデフォーマの上位にあることを確認します。アニメーションを損なわずに UV の履歴を除去する方法の 1 つとして、メッシュを複製し、オリジナルの UV 投影(UV projection)ノードを削除してからメッシュ > アトリビュートの転送(Mesh > Transfer Attributes)を使用して、UV を複製から転送し直す方法があります。
ファー ファイルが膨大な数になりディスクがいっぱいになってしまう
レンダリングが完了したら、furFiles ディレクトリ、furShadowMap ディレクトリ、および furEqualMap ディレクトリの内容をすべて削除します。この内容は、高度なファー レンダリング(Advanced Fur Rendering)テクニックを使用していない限り、レンダリングのたびに作成されるものです。furAttrMap にある、まだ必要なシーン名のプリフィックスがついた内容は削除しないようにします。これはアーティザン マップおよびベイク処理したマップで、ファーの定義に必要なものです。合成結果が満足のいくものであれば、furImages ディレクトリの内容も削除できます。ただし、これは、合成アプリケーションで別途使用するのであれば、保存しておいても結構です。
対応策: これらのファイルが必要なくなったとき自動的に削除されるようにするには、ファー レンダー設定(Fur Render Settings)の Temp ファイルの維持(Keep Temp Files) (既定ではオフ)やファー イメージの維持(Keep Fur Images) (既定ではオン)をオフにします。フレームが完了するたびに削除が行われます。
ファーが裏返しまたはペタッと寝たように見える、あるいはアニメートしたトリム サーフェスでの配置がおかしい
Fur はトリム サーフェス自体を認識しません。このため、トリム サーフェスは、ファー レンダラ(Fur Renderer)に渡す前にポリゴンにテッセレーションする必要があります。トリム サーフェスがアニメートされている場合、サーフェスのテッセレーションはフレームによって異なり、ファーが裏返しになったりペタッと寝たように見えることがあります。mental ray でもアニメートしたトリム サーフェスの処理はうまくいきません。
レンダーしたファーが、ディスプレイスメント マップを適用したサーフェスの輪郭に沿っていない
変形が計算されるのはレンダー時のみです。このため、Fur では変形を認識できません。
対応策: 変形に使用したマップと同じものを、オフセット(Offset)アトリビュートのファー ディスクリプションに適用します。
ファー アトリビュート ペイント ツール(Paint Fur Attributes Tool)では値を示すのにグレースケール マップが使用されるため、その値は常に初めから 0 ~ 1 の範囲にマッピングされています。
対応策: まず値を 1 に設定してサーフェスを塗り潰します。それから、適切なアトリビュートのディテール(Details)セクションにあるマップ乗数(Map Multiplier)やオフセット(Offset)の値を変更します。たとえば、0 ~ 5 の範囲にある長さの値をペイントするには、長さ(Length)セクションでマップ乗数(Map Multiplier)を 5 に設定します。これで、この範囲の長さの値をペイントできるようになります。たとえば、値が 0.5 の中間のグレーは 2.5 の長さになります。