ウェーブやカールしたヘアの作成
 
 
 

ヘア システムのヘア グループのカール(Clump Curl)アトリビュートまたはディスプレイスメント(Displacements)セクションのカール(Curl)アトリビュートを使うと、ウェーブやカールしたヘアを簡単に作成できます。CV とほぼ同数のシミュレーションを行う必要が無いため、通常は開始(Start)レスト(Rest)位置カーブのシェイプを直接操作するより推奨されます(さらに、強くカールさせたレスト(Rest)カーブはアニメーションを不安定にすることがあります)。

当然ながら、シミュレーションには CV 数の少ないカーブを使用し、シミュレーション結果のほうに詳細な成型を適用する方が、ヘア システムのサブセグメント(Sub Segments)が増えて微細で美しいイメージが得られます。しかし、ヘアの大掛かりな成型には多くの場合、開始(Start)カーブとレスト(Rest)カーブの位置の編集が必要となります。ヘア グループのカール(Clump Curl)は、ヘアのまとまりの中心軸からみてどの位のヘアをカールさせるか決定します。きついカールを巻きたい場合には、グラフの範囲外の値を入力します。さらにこの場合は、サブセグメント(Sub Segments)も増やしてください。このグラフではヘアのまとまりに沿ったカールの比率を決め、値 0.5 でカールはゼロとなります。必要なら、まとまりの途中でカールの方向を逆転することもできます。ディスプレイスメントのカール(Curl)は、それぞれのまとまりではなく、ヘアの中心を基準とします。カールのディスプレイスメント量はヘアの幅(Hair Width)に比例するので、ヘアの幅(Hair Width)を変えた場合にはカール(Curl)のディスプレイスメント量も変えた方がいい場合があります。

縮れ毛を作成するには、カール(Curl)ディスプレイスメントに、大きな値を設定したカールの頻度(Curl Frequency)サブ セグメント(Sub Segment)数を組み合わせて使用します。サブセグメント(Sub Segments)を大きくするとリフレッシュが遅くなることがあるので、再生スピードを上げたい場合は、ヘア システムの表示精度(Display Quality)を下げてください。まとまりに含まれるヘアにはすべて同じカールが適用されます。まとまりの幅が小さく、カールのディスプレイスメント量が大きいと、らせん状のスタイルが作られます。「アフロ」のようなカールや部分的にアイロン パーマをかけた縮れ髪を作るには、通常よりカールを小さくしたほうがいいかもしれません。ノイズ(Noise)ディスプレイスメントはカールと異なり、まとまりが含む各ヘアに別々のディスプレイスメントを当てられます。2、3 など、スライダーの範囲を外れた値をノイズ(Noise)に入力してみましょう。また、周波数を大きくした場合の効果を確認するには、サブセグメント(Sub Segments)を大きくする必要があります。

カールには弾力性のある動きを付与することができます。一般的に、目的どおりの動きを得るには、シミュレーションを再生して、さまざまな固さ(Stiffness)の設定を試してください。ヘアの量が多くゆるいカールでは、ヘアのまとまりの長さがばねのおもちゃのように伸びることがあります。これを抑えるには、チューブの伸長度(Length Flex)アトリビュートを大きくします。反復(Iterations)アトリビュートは、チューブの伸長度(Length Flex)固さ(Stiffness)の両方に影響を与えます。大きなチューブの伸長度(Length Flex)が必要なときは、多くの場合、チューブの伸長度をゼロにしたまま、反復(Iterations)だけ下げれば十分です。(反復(Iterations)の値を上げる理由は、普通は固さを高くして、チューブの伸長度を小さくするためです)。

動きについて言えば、縮れたりウェーブしたりした髪は重く硬くなり、固形のマテリアルでできたブロックのように見えることが多くあります。これは、ヘアを容易に硬く保てるようにすることから(必要な反復も少なくて済む)、低い CV カウントを持つヘアを作成する場合に役立ちます。伸長なし(No Stretch)を有効にして固さ(Stiffness)を比較的高くする以外に、ヘアにトランスフォーム(Transform)コンストレインを作成し、これらのコンストレインを頭部の下でグループ化しても、ヘアを硬くできます。コンストレインのポイント方法(Point Method)U パラメータ(U Parameter) 0.5 を使用するように設定されていた場合、ヘアの中間点にある CV は頭部の動きにロックされます。コンストレインの固さ(Stiffness)の値を下げると、ロックされたこれらの点が少しだけ動けるようになるのでより自然に見えます。

また、カールさせた要素の弾力が大きくなりすぎないようにするには、ダンプ(Damp)アトリビュートが役立ちます。ヘアの自己衝突は、1 本の髪の毛で生じるはずの自然な弾む動きを弱める傾向があり、特に細かい縮れ髪では顕著です。しかし、量の多いカールでは弾力が大きくなりすぎることがあります。

注:

セルフシャドウが適切でないカールは平面的に見えます。ポニーテイルや三つ編みのセルフシャドウについては、ポニーテイルと三つ編みの作成を参照してください。ライトとシャドウ アトリビュートの詳細につい ては、『ライティング』マニュアルの「ライティング ノード」を参照してください。