ポニーテイルと三つ編みの作成
 
 
 

ヘアのまとまりを 1 つ使うと、もっとも簡単にポニーテイルを作成できます。まとまりをうまく成型するため、ポニーテイルの部分のみにヘアの他の部分とは異なるヘア システムを用いることができます。ポニーテイルの目的の場所にある 1 つのヘアをペイントできます。ヘア システムで、ヘア グループの幅(Clump Width)に比較的大きな値を設定し、ヘア グループの幅スケール(Clump Width Scale)を調節して、ポニーテイルをシェイプします。まとまりの根元の幅をとりあえず大きくしておいてから、急に幅をせばめて、ポニーテイルの根元でしばられたヘアの外観をシミュレートします。しばられた部分から先、まとまりは少し広がります。ポニーテイルの根元は非常に固いが、しばった点を離れると急激に固さがやわらぐように、固さのスケール(Stiffness Scale)を調節することができます。ただしこの方法には、まとまりの根元が頭部の曲率に従わないという問題があるため、まとまりの根元の幅が広い場合には、ヘアの一部が頭部に収まらない可能性があります。この現象を補正するには、開始カーブの位置を少し頭部に食い込ませます。頭部の広い領域から生えた髪をポニーテイルにまとめるには、ヘア システムまたは毛根の集合を追加したほうが操作しやすくなります。これらをまとまりの根元で束ねたオブジェクトとして統合し、ポニーテイルの作成にヘアを 1 のまとまりに変えたことを隠したりもできます。

ヘア グループのカール(Clump Curl)の値を小さくすると、ポニーテイルのスタイルが自然になることがあります。また、ヘア グループごとのヘア(Hairs Per Clump)の数を大きく(200 以上)して、ポニーテイルに十分な密度を与えることもできます。マルチストリーク数(Multi Streaks)を利用すれば、レンダリング時間が長くなりすぎることなく、必要な密度が得られます。

ヘアのまとまりに三つ編みを入れ込むことができます。ある毛根で三つ編み(Braid)アトリビュートをオンにすれば、まとまりは内部的に、3 本の束から成る 1 本の三つ編みになります。このアトリビュートをペイントしたり、三つ編みにする毛根を選択してから、チャンネル ボックス(Channel Box)三つ編み(Braid)をオンにすることもできます。三つ編みを形づくるのは、まとまりを 1 つ使ったポニーテイルの作成に似ています。一般的に、頭皮から生えて三つ編みへと編み込まれるヘアをシミュレートするために、根元は広くとります。ヘア グループの幅(Clump Width)ははじめ急激に細くなり、そこから三つ編みの端まではゆるやかに細くなるようにします。必要なら、先端部分でヘア グループの幅(Clump Width)を少し大きくして、三つ編みの端にふんわりしたふさを付けられます。ポニーテイルとは異なり、三つ編みの場合は均一なプロファイルや断面は存在しません。三つ編みの方がポニーテイルよりも平らです。一般的に、平らな側が水平になっているのが自然な方向付けです。ヘア システムのヘア グループのツイスト(Clump Twist)を調整すると、三つ編みのほとんどの部分が正しい方向を向きます。変な方向にねじれているまとまりが残っている場合は、毛根のヘア グループのツイストのオフセット(Clump Twist Offset)を使って調整できます。三つ編みのカールを完全に取り除くには、ヘア システムのサブセグメント(Sub Segments)値を極端に大きく(特にまとまりの密度が小さい場合)します(三つ編みの数はヘア グループの幅(Clump Width)に比例します)。

ポニーテイルと三つ編みの両方について、まとまりをチューブのようなシェイプするには、正しいセルフシャドウが必要です。ヘアのまとまりのシャドウは、サーフェスとライトの角度でシェーディングするモデリングされたチューブとは異なります。ヘアのまとまりでは、サイドにありライトから離れたヘアは、他のヘアからのシャドウが投影されない限り、ライトに面した部分と同じくらい明るくなります。ペイント エフェクト(Paint Effects)のレンダリングでは、中間距離の使用(Use Mid Dist)をオフにしてデプス マップ シャドウを使用してください。ライトのバイアス(Bias)を慎重に調節すると、フィルタ サイズ(Filter Size)が高く(3 以上に)なります(ライトやシャドウに関するアトリビュートの詳細については、『ライティング』マニュアルのシャドウ アトリビュートMaya のシャドウを参照してください)。

複数のヘアのまとまりを束ねてポニーテイルを作成することもできます。ヘアを組み合わせるには、いくつかのテクニックがあります。

一旦ヘアをまとめたら、今度はシミュレーション中にばらばらにならないように固定する必要があります。このためには、ポニーテイルの根元付近にヘア対ヘア(Hair to Hair)コンストレインを作成します。このコンストレインを頭部にグループ化すると、後から頭部の開始位置を変えたときにコンストレインの位置を再調整する必要がなくなります。アタッチした点が大きく動けるようにするには、ヘア対ヘア(Hair to Hair)コンストレインが役立ちます。ただし、ヘアの方向は 1 つのヘア対ヘア(Hair to Hair)コンストレインでは完全には制御されません。頭部にグループ化したトランスフォーム(Transform)コンストレインは、頭部のある点にしっかりと固定したポニーテイルでより確実に機能します。ポニーテイルより高い位置の 1 つまたは 2 つのコンストレインも、ポニーテイルの固定に役立ちます。

三つ編みも同じように操作できますが、より難しくなります。一般的に、ヘア対ヘア(Hair to Hair)コンストレインだけで三つ編みのシェイプを束ねることはできません。この場合には、レスト カーブが役立ちますが、毛根の三つ編み(Braid)アトリビュートを代わりに使用する必要があります。