手のスキニング
 
 
 

アニメーションのために手を設定する作業は、キャラクタ設定の中で最も難しいもののひとつです。スムース スキニングでは、付近のジョイントの動作によって駆動されるインフルエンス オブジェクトを使用することによって、より微妙なエフェクトを作成することができます。

親指を人差指の方へ動かすと、手の上部の側面に沿った筋肉(m. interossesus dorsalis)がふくらみ、筋肉が張っていることを示します。リジッド スキニングではフレクサを使用してふくらみ具合のエフェクトを得ることができますが、この筋肉がふくらむ箇所にフレクサを配置すると失敗することもあります。スムース スキニングでは、インフルエンス オブジェクトを使用してこのエフェクトを得ることができます。

手のスケルトンとスムース スキンを作成する

手のモデルを作成するとします。その手は、指や手のひらの部分のサーフェスのある NURBS サーフェスで構成されています。また、その手のスケルトンを作成し、スムース スキニングによってスケルトンに NURBS サーフェスをバインドするとします。

ここでインフルエンス オブジェクトをセットアップして手の筋肉のふくらみを作成することができます。それには、ポリゴン球体を作成して球体をインフルエンス オブジェクトとして設定し、さらに球体のスケーリングをスケルトンの親指の動作にリンクします。

インフルエンス オブジェクトをセットアップする

筋肉のふくらみをシミュレートするためにポリゴン球体を作成するには

  1. ポリゴン球体を作成し、スケール アトリビュートをほぼ筋肉のシェイプになるように調整します(たとえば、スケール X(Scale X)を 1.5 に、スケール Y(Scale Y)を 0.7 に、スケール Z(Scale Z)を 0.7 に設定します)。
  2. 球体を手の内部、親指と人差指の間に配置します。

ポリゴン サーフェスをインフルエンス オブジェクトとして追加するには

  1. 手のひらのスキン オブジェクトを選択します (これは球体によって変形するスムース スキンされた NURBS サーフェスです)。
  2. 球体を選択します。
  3. スキン > スムース スキンの編集 > インフルエンスの追加(Skin > Edit Smooth Skin > Add Influence)を選択します。

筋肉のふくらみ具合をこぶしの形状にリンクするには

ここで親指のジョイントの回転をインフルエンス オブジェクト(ポリゴン球体)のスケーリングにリンクします。

  1. ドリブン キーの設定(Set Driven Key)ウィンドウ(アニメート > ドリブン キーの設定 > 設定(Animate > Set Driven Key > Set)を選択)を開きます。
  2. thumb1(親指のジョイント)をドライバ(駆動元)として読み込み、回転 Z アトリビュートを選択し、チャンネル ボックス(Channel Box)でアトリビュートを 0 に設定します。
  3. pSphere1(インフルエンス オブジェクト)をドリブン(駆動先)として読み込み、スケール Y およびスケール Z アトリビュートを選択します (スケール Y およびスケール Z は 0.7 のままにします)。
  4. キー(Key)をクリックします。
  5. チャンネル ボックスで thumb1 の回転 Z アトリビュートを -40 に設定します。
  6. チャンネル ボックスで pSphere1 のスケール Y アトリビュートを 0.8 に設定します。
  7. チャンネル ボックスで pSphere1 のスケール Z アトリビュートを 1 に設定します。
  8. キー(Key)をクリックします。
  9. 閉じる(Close)ボタンをクリックしてウィンドウを閉じます。

変形のテスト

これで親指が手のひらから離れているときには、筋肉が緩んで見えるようになります。

しかし、親指を手のひらの方に回転すると、サーフェスがふくらみ、筋肉の活動をシミュレートします。