ファイル リファレンスの概要
 
 
 

ファイル リファレンスを使用すると、シーンにファイルをインポートすることなく、シェーディング マテリアルやアニメーションなどの複数のオブジェクトをシーンに集めることができます。つまり、シーンに表示されるコンテンツは閉じたままの個別の既存ファイルから読み込まれ、あるいは参照されるのです。ファイル リファレンスは、複数のユーザが同時に作業して複雑なシーンのさまざまなアセットを共有する必要のある場合に、ユーザ間の共同制作を可能にします。ファイル リファレンスは、ワークフローでの必要に応じてこれらのシーンをセグメント化することで、これを実現しています。

階層の下位にある他のファイルを参照するシーン ファイルを親シーンと呼びます。親シーンは、シーンを構成する他のファイルをディスク(またはネットワーク)から参照、つまり読み込みます。これらのファイルは、参照されている子シーンと呼びます。

注:

ファイル リファレンスでは、親/子の命名規則は、参照リレーションシップとファイル リファレンス階層内のファイルの相対位置を示すために使用されます。開いているシーン ファイルとそれが参照するシーン ファイルとのリレーションシップは、現在開いている親シーンと表現します。

参照される子シーンは現在開いている親シーン内に表示はされますが、現在開いている親シーンとはあくまでも別のものです。現在開いている親シーン ファイルを保存しても、参照されていたシーン データはその中には保存されません。

リファレンスのロードとアンロード

子シーンが開いている親シーンに参照されると、子シーンのコンテンツがメモリに配置されてシーンに表示されます。この参照されているファイルの初期状態をロードされると表現します。現在開いている親シーンに、同時に他の子シーンをロードすることもできます。制作要件に応じて、現在開いている親シーン ファイルから、参照されている子シーンのファイルをロード、アンロード、またはリロードすることができます。

参照されている子シーンをアンロードすると、その子シーンとその親およびグランドペアレント シーンとのコネクションは中断します。つまり、参照されている子シーンファイルのコンテンツが、現在開いている親シーンのメモリにロードされなくなります。選択的プリロード(Selective Preload)オプションを使用して、最初に親シーン ファイルを開くときに、アンロードした子シーンをロードすることもできます。

リファレンス ノード

また、現在開いている親シーンで参照オブジェクトを編集することも可能です。この場合、参照する階層の下位にあるオリジナルの子シーンは変更されません。現在開いている親シーンで作業中に参照されたオブジェクトを編集すると、その編集内容は、最初に子シーンを参照したときに現在開いている親シーンに作成されるノードに保存されます。このノードをリファレンス ノードと呼びます。リファレンス ノードは、親シーンで参照されている子シーンごとに作成されます。リファレンス ノードは、親シーンが参照されている子シーンに含まれるオブジェクトを使用および変更した内容を記録します。

リファレンス階層

親シーンは、他の親シーンなどを参照することもできます。つまり、親シーンは他のファイルを参照することも、ファイル リファレンス階層内の相対位置に基づいて別の親シーンが参照されている子になることもできるのです。この場合、その子シーン ファイルは、孫シーン ファイルと呼びます。1 つの親シーンが他の子シーンを参照し、その子シーンが他の孫ファイルを参照するといった階層的な参照を、多重参照と呼びます。

多重参照階層は、複雑なシーン内のさまざまなコンポーネントや複雑な表示レベルをセグメント化する 1 つの方法です。一般的に、ファイル リファレンス階層はボトムアップ式に構築されます。つまり、孫シーンが子シーンに参照されてから、次にその子シーンが親シーンに参照されます。

以前に参照したシーンからデータを直接インポートすることが可能です。この場合、以前の参照時のコネクションは破棄されます。ファイルから選択した項目をリファレンスとしてエクスポートできます。リファレンスとしてエクスポートした項目は現在開いているシーン ファイルの子シーンになります。

注:

参照ファイルはその親シーンまたは階層の上位にある他のファイルを参照することはできません。

関連項目