IPR を使用して単一のフレームをレンダーする

 
 
 

このセクションでは、mental ray レンダリングの IPR (Interactive Photorealistic Rendering)で作業します。

IPR でのレンダリングが優れているのは、イメージをレンダーしたあと、そのシーンのシェーディングとライティングのアトリビュートを調整し、レンダーしたイメージの一部または全部をすばやく更新して、変更結果を見直せることです。IPR は、特定のアトリビュートを微調整する必要があって繰り返し作業するような場合に便利です。イメージの更新は必ずしも即座にできるわけではありませんが、画質は保証されます。

mental ray for Maya レンダラを使用する

mental ray レンダリングの IPR を使用するには、最初に mental ray for Maya レンダラを選択する必要があります。

mental ray for Maya レンダラをオンにするには

  1. メイン メニューで、ウィンドウ > レンダリング エディタ > レンダー設定(Window > Rendering Editors > Render Settings)を選択します(または、レンダー ビュー(Render View)ウィンドウでレンダー設定(Render Settings)アイコンをクリックします)。
  2. レンダー設定(Render Settings)ウィンドウで、使用するレンダラ(Render Using)mental ray に設定します。
注:レンダラのリストに mental ray がない場合は、プラグイン マネージャ(Plug-in Manager)を使用して mental ray プラグインをロードする必要があります。ウィンドウ > 設定/プリファレンス > プラグイン マネージャ(Window > Settings/Preferences > Plug-in Manager)を選択し、Mayatomr.mll プラグインに対してロード(Loaded)を選択します。

IPR を使用してシーンをレンダーするには

  1. パース ビューで、ビュー > カメラ アトリビュート エディタ(View > Camera Attribute Editor)を選択して、カメラのアトリビュートを表示します。

    レンダーしたいパース ビューの領域を正確に指定する必要があります。

  2. アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、表示オプション(Display Options)セクションを開き、解像度の表示(Display Resolution)をオンにします。

    長方形の灰色の枠は、レンダーされる領域を示します。この領域によって最終的なイメージ領域が定義され、ユーザは最終的なイメージに何が表示され、何が表示されないかを判別することができます (長方形の左右の境界がウィンドウの端の位置に合わされる場合もあります)。

  3. レンダー > 現在のフレームの IPR レンダー(Render > IPR Render Current Frame)を選択します(あるいはステータス ライン(Status Line)にある現在フレームの IPR レンダー (IPR render current frame)ボタンを選択します)。

    レンダー ビュー(Render View)が次のように表示されます。

    IPR レンダー ビュー(IPR Render View)ウィンドウの下部には、「領域を選択してチューニングを開始します(Select a region to begin tuning) 」というメッセージが表示されます。次の手順では、IPR を使用してレンダーを行う、イメージの二次領域を作成します。

  4. レンダー ビュー(Render View)ビュー > イメージをフレームに収める(View > Frame Image)を選択して、レンダーしたイメージにぴったり合うようにレンダー ビュー(Render View)ウィンドウのサイズを変更します。

IPR を使用してレンダーする二次領域を選択するには

  1. レンダー ビュー(Render View)で次のようにセレクション ボックスをドラッグして、リンゴ、カウンタ、壁を小さな領域で囲みます。

    IPR を使用する場合、シェーディング、テクスチャ、またはライティングのアトリビュートを変更すると、この選択した領域が更新されます。選択領域を狭くすればそれだけ更新がすばやく行われます。イメージ全体にわたる領域を選択すると、それらの領域の更新を確認することができます。

  2. シーン ビューで、壁を右クリックし、マテリアル アトリビュート(Material Attributes)を選択して、壁に適用された Lambert シェーダのアトリビュート エディタ(Attribute Editor)を表示します。
  3. カラー(Color) サンプルをクリックし、カラーを緑に変更します。

    カラーを変更すると、レンダー ビュー(Render View)の選択した範囲内の領域が即座に更新され、壁は緑色になります。

    カラー チューザ(Color Chooser)ウィンドウのカラー ホイール内でマウスをドラッグすると、選択した領域が即座に更新されます。

    注:

    領域が更新されない場合、レンダー設定(Render Settings)ウィンドウでレイ トレーシング(Raytracing)オプションをオフにします。

    (このレッスンの目的は、完璧な結果を得ることではなく、レンダリングのプロセスを学ぶことであるため、その他のアトリビュートの変更は行いません)。

ここまでで、IPR を使用してシェーダに対して行った変更内容を確認しました。既定のライティングを使用せずにシーンにライトを追加する場合、ライティングの調整にも IPR を使用できます。