グローバル イルミネーション(Global Illumination)を使用してレンダーするには、特定の設定またはアトリビュートをオンにする必要があります。最初に次の 2 つを設定してください。
最初に既定の設定でこれらアトリビュートを使用してシーンをレンダーし、レンダーしたイメージを確認します。その後、前のレイ トレーシング レンダリングを比較します。グローバル イルミネーション(Global Illumination)を使用したレンダリングを何度も行ううちに、最初に使用すべき設定がわかるようになります。
グローバル イルミネーション(Global Illumination)のレンダリング アトリビュートをオンにするには
これでプリセット アトリビュートの設定がオンになり、グローバル イルミネーション(Global Illumination)の質を制御できるようになります。最初は、既定の設定を使用してシーンをレンダーします。イメージをレンダーしてエフェクトを確認したら、レンダー設定(Render Settings)ウィンドウに戻って設定を適宜変更してください。
グローバル イルミネーション(Global Illumination)はフォトンを使用して、シーン内でのライトの相互反射をシミュレートします。フォトンは光源からシーンに放出されるエネルギーの小さな単位で、サーフェスで反射されて直接照らされない部分の光の輝度を左右します。レンダラはフォトン放出による照明をフォトン マップというファイルに記録します。
グローバル イルミネーション(Global Illumination)でシミュレーションを行うには、スポット ライトで光だけでなく、フォトンも放出するように設定する必要があります。シーンの全体的な明るさは、ライトの輝度と単一のスポット ライトからとフォトンの照明の組み合わせによって決まります。
グローバル イルミネーション(Global Illumination)のライティング アトリビュートをオンにするには
次にイメージをレンダーするときに、スポット ライトからフォトンがシーンに放出されます。グローバル イルミネーション(Global Illumination)の明るさはフォトンの強度によって決まります。GI フォトン(Global Illum Photons)では、シーンに放出されるフォトンの数を設定します。
通常、レンダーしたイメージを作成する場合、テスト イメージのレンダリングと評価を何度か行って最終的なイメージを作り上げます。このとき、特定のウィンドウやパネルで、レンダー画質、シェーディング、およびライティングの各種設定を調整します。さまざまなウィンドウを開いたり閉じたりするのはあまり効率が良くありません。
レンダリングで頻繁に使用するウィンドウやパネルを表示しておけば、ウィンドウやパネルを何度も開いたり閉じたりする必要がなく効率的に作業できます。
パネル レイアウトが更新され、ハイパーシェード(Hypershade)ウィンドウ、レンダー ビュー(Render View)ウィンドウ、およびパース ビュー(Perspective)が同時に表示されます。これにより、これらのウィンドウを繰り返し開いたり閉じたりしなくても簡単に作業できるようになります。
パネル レイアウトを変更するとレンダー ビュー(Render View) ウィンドウのイメージが粗くなる場合、次の操作を行ってください。
既にライトはフォトンを放出するように設定され、グローバル イルミネーション(Global Illumination)のプリセットが選択されており、グローバル イルミネーション(Global Illumination)を使用してテスト イメージをレンダーする準備は整っています。
グローバル イルミネーション(Global Illumination)を使用してシーンをレンダーするには
このレンダリングでは、グローバル イルミネーション(Global Illumination)によりシーンのシャドウの部分があまり暗くなっていません。また、ボウルが前のレンダリングよりも透明になっています。
ここでの目的は、グローバル イルミネーションによってシャドウ部分を間接的に照らして、ディテールが見えるようにすることです。つまり、グローバル イルミネーション(Global Illumination)の結果としてシャドウの領域のディテールを詳細に表示できます。このために、グローバル イルミネーション(Global Illumination)のフォトン アトリビュートを調整する必要があります。アトリビュートを変更してから、シーンをレンダーして変更結果を確認します。このように、テスト レンダリングを繰り返すことにより、目的の最終イメージを完成させることができます。
次の手順では、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)を使用してフォトンの強度(Photon Intensity)を上げ、シーンの全体的なグローバル イルミネーション(Global Illumination)を強化します。
フォトンの強度(Photon Intensity)を上げるとグローバル イルミネーション(Global Illumination)の明るさが増します。次のテスト イメージでは、シーンの影になっている部分の明度を上げてディテールが見えるようにします。
グローバル イルミネーション(Global Illumination)のライティングを強くするには
フォトンの強度(Photon Intensity)を上げると、グローバル イルミネーション(Global Illumination)の影響を受ける部分の明るさが増します。
フォトンの強度(Photon Intensity)を上げたため、このイメージの照明の明るさが増しています。これは、シーンの明るさが増してシャドウ部分のディテールが見えることからわかります。ただし、ボウルの後ろの暗い壁に円形の模様ができています。これは、フォトンの質が低く設定されているために生じているものです。
グローバル イルミネーション(Global Illumination)の質は、主に次の 3 つのアトリビュートに左右されます。
次の手順では、レンダー設定(Render Settings)ウィンドウとアトリビュート エディタ(Attribute Editor)に戻り、グローバル イルミネーション(Global Illumination)のエフェクトに影響を与える質のアトリビュートの値を大きくします。
グローバル イルミネーション(Global Illumination)の質の設定を大きくするには
精度 の設定によって、特定のサンプリング ポイントでグローバル イルミネーション(Global Illumination)の輝度を定義するために評価されるフォトンの数が決まります。また、半径によって、特定のサンプリング ポイントの周辺領域のサイズが決まります。サンプリングするフォトンの数が多いほど、最終イメージのグローバル イルミネーション(Global Illumination)が均一になります。
精度(Accuracy)と半径(Radius)の値を大きくすると、レンダーしたイメージから円形の模様がほぼ完全に消え、前のレンダリングに比べてグローバル イルミネーション(Global Illumination)が非常に均一になります。グローバル イルミネーション(Global Illumination)のフォトンの数を増やしても、グローバル イルミネーションをより均一にすることができます。
次の手順では、フォトンの数を増やしてシーンのグローバル イルミネーション(Global Illumination)を均一にします。
GI フォトン(Global Illumination Photons)の数を大きくすると、レンダー プロセスの最初に作成されるフォトン マップの密度が上がります。フォトンの数を増やすにつれて、グローバル イルミネーション(Global Illumination)はスムーズになりますが、レンダリング時間が長くなります。
このイメージでは、前のレンダリングで表れていた円形の模様が消えています。また、オリジナルのレイ トレーシング レンダリングと比べた、その他のグローバル イルミネーション(Global Illumination)のエフェクトを確認できます。
これで、小さなイメージのグローバル イルミネーション(Global Illumination)のテストおよび調整が完了したため、イメージ サイズを大きくしてシーンの最終イメージをレンダーしてその質を上げることができます。
サンプリングによってアンチエイリアシングの回数が決まります。サンプリング レベル(Sample Level) アトリビュートでは、イメージ内の指定したピクセル領域に対して行われるサンプリング数の下限と上限を設定します。アンチエイリアシングのサンプリング レベル設定を変更することにより、レンダーしたイメージのサーフェスをスムーズにできます。
レンダー設定(Render Settings)ウィンドウの設定をプリセットとして保存し、次にグローバル イルミネーションを使用してレンダーしたいときに設定を読み出すことができます。