サーフェイスイルミネーションの定義

 
 
 

このセクションで説明しているパラメータは、「高速サブサーフェイス スキャッタリング フェノメナ」に基づいています。ただし、説明の大部分は、どの高速サブサーフェイス スキャッタリング エフェクトを作成する場合にも当てはまります。

高速サブサーフェイス スキャッタリング エフェクトのサーフェイス イルミネーション オプションは、シェーダ オブジェクトの外側のサーフェイスを定義します。

スペキュラ レイヤ

スペキュラ イルミネーションは、サブサーフェイス スキャッタリング エフェクト全体で最も上にあるレイヤまたは最も外側にあるレイヤです。このイルミネーションは、その他すべてのライティング コンポーネントの上に重ねられるスペキュラ ハイライトを定義します。

スペキュラ ハイライトは次の 2 つのパラメータでコントロールされます。

  • [カラー](Color)は、スペキュラ ハイライトのカラーを指定します。カラーが黒色の場合、スペキュラ ハイライトはレンダリングされません。

  • [減衰](Decay)は、ハイライトのサイズをコントロールします。値が大きいほど作成されるハイライトが小さくシャープになり、値が小さいほどその逆になります。

A

スペキュラ カラーは黒色が設定されているため、スペキュラ ハイライトがレンダリングされません。

B

スペキュラ カラーは薄い灰色に、減衰値は 15 に設定されています。

C

スペキュラ カラーは変更されていませんが、減衰値は 50 に設定されているため、よりシャープなハイライトが作成されています。

ディフューズ レイヤ

ディフューズ イルミネーションは、スペキュラ ハイライト レイヤの直下に、そしてフロント スキャッタリング レイヤとバック スキャッタリング レイヤより上に配置されます。

ディフューズ イルミネーションは、次の 2 つのパラメータでコントロールされます。

  • [カラー](Color)は、ディフューズ イルミネーションのカラーを指定します。これは、オブジェクトの主要サーフェイス カラーです。通常はこのパラメータで、オブジェクトに適用する任意のサーフェイス テクスチャを接続します。

  • [ウェイト](Weight)は、ディフューズ イルミネーションがエフェクト全体にどの程度影響するかをコントロールします。

一般的には、ディフューズのウェイトを増やすとシェード オブジェクトの半透明性が下がりますが、これはフロント スキャッタリング レイヤとバック スキャッタリング レイヤのセットアップ方法によって大きく異なります。当然のことながら、ウェイトの値を増やすと、ディフューズ カラーが目立つようになります。

A

オブジェクトは、ディフューズの影響を受けずにレンダリングされています。

B

ディフューズ カラーがピンクに、ウェイトが 0.3 に設定されています。

C

ディフューズのウェイトを 0.5 に増やすと、最終的なエフェクトでディフューズ イルミネーションが目立つようになります。

アンビエンス

[アンビエンス](Ambience)パラメータは、シェード オブジェクトのアンビエント ライティング コンポーネントを定義します。アンビエント ライティングは、シェーダのライトマップに含まれており、他のライトと同様に拡散します。

このパラメータを使用して単純なアンビエント ライティングの調整を実行したり、オブジェクトのサーフェイスにディフューズ ライトを追加するシェーダにこのパラメータを接続できます。この追加のディフューズ ライトは、ライト スキャッタリング(ライトの拡散)の計算に組み込まれます。

全体のカラー乗算

[全体のカラー乗算](Overall Color Multiplier)パラメータを使用すると、サブサーフェイス スキャッタリング エフェクトのカラーをグローバルに調整できます。これは、他のライティング効果を設定した後に、エフェクトを明るくしたり、暗くしたり、薄くする場合に便利です。また、このパラメータには、ライト スキャッタリングを少ししか使用しない領域またはまったく使用しない領域を定義するテクスチャ マップを接続することもできます。たとえば、拡散したライトのほとんどをブロックするダート(ほこり)レイヤを追加する場合、ダート テクスチャをこのパラメータに接続します。

A

カラー全体が白色に設定されているため、最終的なレンダリングには影響していません。

B

カラー全体が非常に薄いピンク色に設定されているため、最終的な結果が淡く色付けされています。

C

カラー全体がテクスチャ化され、ライトが拡散しない部分に黒いスポットを作り出しています。