ウェイト マップ
 
 
 

ウェイト マップを使用すると、オブジェクトのサーフェイス全体にパラメータ値をペイントできます。たとえば、ウェイト マップを使用してデフォーメーションを変化させたり、ICE パーティクルの放出をフィルタしたりできます。

ウェイトマップの概要

ウェイト マップとは、ジオメトリック オブジェクト上のポイント クラスタのプロパティです。ウェイト マップは、クラスタ内の各ポイントをウェイト値に関連付けるものです。各クラスタに複数のウェイト マップを設定することができるため、さまざまなオペレータのパラメータをそれぞれの方法で調整することができます。

ウェイト マップのオペレータ スタック

各ウェイト マップはそれぞれのオペレータ スタックを持ちます。ウェイト マップを作成すると、[WeightMapOp]オペレータによって基底マップ(定数または各種グラディエントのうちの 1 つ)が設定されます。その後、ウェイト マップでペイントすると、スタック内の[WeightMapOp]上の[WeightPainter]オペレータにストロークが追加されます。オペレータ スタックを持つその他のエレメントと同様に、ウェイト マップをフリーズしてそのヒストリを破棄することでシーン データを簡略化できます。

ウェイト マップの制限事項

ウェイト マップには、使用上の制限事項があります。

  • カーブ上にウェイト マップを適用できますが、それを表示したり、その上にペイントすることはできません。WeightMapOpオペレータで生成した基本マップ(定数またはグラディエント)を使用したり、ICEツリーを使用して値を設定することができます(「ICE でのウェイト マップ」を参照)。

  • ペイント ストロークをアニメートすることはできません。

ウェイト マップのワークフロー

ここでは、ウェイト マップを使用するためのワークフローを簡単に説明します。詳細については、この後のセクションで説明します。

  1. オブジェクトから開始します。

  2. 状況に応じて、複数のポイントを選択するか、クラスタを 1 つ選択します。

  3. [取得](Get) [プロパティ](Property) [ウェイト マップ](Weight Map)を使用してウェイトマップを適用します。

  4. [W]キーを押して[ペイント ツール]をアクティブにし、マウスを使用してウェイト マップ上にペイントします。

  5. ウェイト マップを接続して、パラメータの値(たとえば、プッシュ デフォーメーションの[振幅])を設定します。

  6. ウェイト マップを選択し直してその上にペイントを行うことで、エフェクトをさらに変更できます。

ウェイトマップを作成する

ウェイト マップを作成すると、[WeightMapOp]オペレータが適用されます。このオペレータによって基本ウェイト マップが作成されます。値は定数値かグラディエント値になります。

ウェイト マップを作成するには

  1. ウェイト マップを適用するエレメントを選択します。

    • クラスタを選択すると、ウェイト マップは、そのクラスタに適用されます。

    • オブジェクトを選択すると、そのオブジェクト上のすべてのポイントに対してクラスタが作成され、ウェイト マップは、そのクラスタに適用されます。

    • ポイントにタグを付ける(選択する)と、クラスタが作成され、そのクラスタにウェイト マップが適用されます。

      注:オブジェクト全体や大きな領域にウェイト マップを使用するよりも、局所的な小さいウェイト マップを特定のポイントに使用する方が、パフォーマンスは大幅に向上します。これは、ポイントの大部分が 0(ゼロ)にウェイト付けされている場合に特に当てはまります。
  2. 任意のツールバーから[取得](Get) [プロパティ](Property) [ウェイト マップ](Weight Map)を選択します。ウェイト マップが適用され、プロパティ エディタが開きます。

    オプションの設定時にウェイトマップを表示するには、ビュー設定を変更するか(次のセクションを参照)、[W]キーを押してペイントツールをアクティブにし、マウスポインタを 3Dビュー上に移動します。

  3. [ウェイト マップ ジェネレータ]ページで、基底マップに必要なオプションを設定します。たとえば、[ウェイト マップ タイプ](Weight Map Type)を[コンスタント]に設定し、[基準重量](Base Weight)を 0 に設定すると、ウェイトのペイントは空のマップで開始されます。また、リニア グラディエントおよびラジアル グラディエントからどれかを選択し、他のオプションを設定することもできます。

ウェイトマップを作成するとそのウェイトマップが自動的に選択されるため、即座にペイント(「 ウェイト値をペイントする」を参照)やデフォーメーションの適用(「パラメータ マップを使用してデフォームする」を参照)を開始できます。

マップを接続するの説明に従って、ウェイト マップに接続してパラメータを操作できます。

ウェイト マップを表示する

ウェイト マップは、いくつかの表示オプションがオンの場合に 3D ビューで表示されます。これらの表示オプションは、この後で説明する手順を使用して手動で設定することができます。

また、これらの表示オプションは、[ペイント ツール]がアクティブな状態でマウス ポインタを 3D ビュー上に移動すると、一時的にオンに切り換わることに注意してください。この場合は、[ペイント ツール]を終了すると自動的に元の表示設定に戻ります。また、 [Brush Properties]プロパティエディタの[プロパティマップの表示]をオフにして、ペイントストローク時以外はマップを非表示にすることもできます。

ジオメトリ ビューにウェイト マップを表示するには

  1. ディスプレイ モード メニューをクリックして[コンスタント](Constant)または[シェーディング](Shaded)に設定します。コンスタント モードの方が、シェーディング モードよりもはっきりとウェイト マップが表示されます。

  2. メニュー バーの目のアイコンをクリックし、[ウェイト マップ](Weight Maps)がオンであることを確認します。

    ディスプレイ オプションを設定する方法については、「エレメントおよびその他のデータをタイプ別に表示」(「表示と再生」)を参照してください。

ウェイト マップを選択する

ウェイト マップは、そのウェイト マップが属するクラスタの下に格納されます。

ウェイト マップを選択するには

  1. オブジェクトを選択します。

  2. [選択]パネルから[エクスプローラ](Explore) [プロパティ マップ](Property Maps)を選択します。ポップアップ エクスプローラが開きます。

  3. 必要なウェイト マップを名前をクリックして選択します。

ウェイト値をペイントする

ウェイト値をペイントするには、まず[ペイント ツール]をアクティブにします。ウェイト値の追加、削除、スムージングのほか、ブラシの半径や不透明度などのブラシ プロパティの変更を実行できます。

ウェイトのペイントの概要

ここでは、ウェイト マップのウェイト値のペイントについて大まかに説明します。各手順の詳細については、以降のセクションで説明します。

  1. ウェイト マップを選択します。この手順を省略した場合は、既定で、最後にアクティブになっていたウェイト マップに対してペイントが実行されます。

  2. [W]キーを押して[ペイント ツール]をアクティブにします。ペイントツールをアクティブにする他の方法については、「ペイント ツールのアクティブ化」を参照してください。

  3. 必要に応じて[ブラシ プロパティ]を調整します。

    • [R]キーを押してマウスをドラッグして、ブラシの半径をインタラクティブに変更します。半径は Weight Paint Panel で設定することもできます。半径を設定する他の方法については、「ブラシの半径の変更」を参照してください。

    • [E]キーを押してマウスをドラッグして、不透明度をインタラクティブに変更します。不透明度は、ブラシの各スタンプでウェイトをどの程度追加するかをコントロールします。

    • [Brush Properties]プロパティエディタ(Ctrl+Wキー)で他のオプションを設定します。

  4. クリック アンド ドラッグでペイントします。通常の(加算)ペイント モードの操作は次のとおりです。

    • ウェイトを大きくするには、マウスの左ボタンをクリックします。

    • ウェイトを小さくするには、マウスの右ボタンを使用するか、[Shift]キーを押しながらマウスの左ボタンを押します。

    • ウェイトをスムージングするには、[Alt]キーを押しながらマウスの左ボタンを使用します。

    ペイントの詳細については、「ブラシベース ツールを使用する」を参照してください。

ウェイト値をペイントする際のヒント

ウェイト値をペイントする際に考慮すべきヒントを簡単に紹介します。

  • ジオメトリ アプロクシメーションで作成したサブディビジョン サーフェイス上にウェイトをペイントするには、3D ビューのメニュー バーで目のアイコン(表示メニュー)をクリックし、[ポリゴンメッシュ ハル](Polymesh Hulls)がオンになっていることを確認してください。

    ハル上のウェイト マップを確認する場合は、[サブディビジョン サーフェイス](Subdivision Surfaces)を必ずオフにしてください。

  • ペイント時は、オブジェクトのジオメトリ アプロクシメーションの設定を小さくすると、パフォーマンスが向上します。ペイント ツールは、オブジェクトを三角形に分割して、そのオブジェクトのサーフェイスを認識します。「ジオメトリ アプロクシメーションを適用および編集する」を参照してください。

  • ウェイト ペイント パネルで、ペイント モードとその他のブラシ プロパティを設定できます。ただし、ウェイト ペイント パネルはエンベロープ ウェイトでの使用を前提に設計されているため、ツールのほとんどはウェイト マップ向けではありません。

ウェイト マップ プロパティを設定する

ウェイト マップ プロパティは変更することができます。たとえば、名前や表示カラーの変更が可能です。これは、同一クラスタ上の複数のウェイト マップを区別しやすくする場合に便利です。

[ウェイト マップ]プロパティ エディタを表示するには

  1. オブジェクトを選択します。

  2. [選択]パネルから[エクスプローラ](Explore) [プロパティ マップ](Property Maps)を選択します。ポップアップ エクスプローラが開きます。

  3. ウェイト マップのアイコンをクリックします。

  4. オプションを設定して、ウェイト マップ名または表示カラーを変更します。

ウェイト マップをフリーズする

ウェイト マップをフリーズして、シーンのデータを簡略化することができます。フリーズすると、ウェイト マップ ジェネレータ(ウェイト マップの作成時に選択した定数またはグラディエントの基底マップ)を適用済みのすべてのストロークとともに折りたたむことができます。

ウェイト マップをフリーズした後は、新規のストロークを追加することはできますが、基底マップを変更したり、フリーズ前に実行したストロークを削除することはできません。

ウェイト マップをフリーズするには

  1. ウェイト マップを選択します。

  2. [編集]パネルで[フリーズ](Freeze)ボタンをクリックします。

ウェイト マップと対称

ウェイトを対称的にペイントするには、対称マップとオブジェクトのローカル センターのどちらか一方または両方を使用します。

対称マップを適用する

オブジェクト上の異なるクラスタに対してそれぞれ異なる対称マップを適用することができます。これにより、異なる領域に異なる対称平面を設定できます。

対称マップを適用するには

  1. オブジェクト、クラスタ、またはポイントを選択します。

  2. 任意のツールバーから[取得](Get) [プロパティ](Property) [対称マップ](Symmetry Map)を選択します。プロパティ エディタが開きます。

  3. [Symmetry Map Generator]プロパティ ページで、[対称平面]を希望の値([YZ](X = 0)、[XZ](Y = 0)、または[XY](Z = 0)に設定します。

    対称マップは、オブジェクトのローカル センターと選択した平面を使用し、2 つのポイント間の対応を確立します。

ブラシの対称オプション

ブラシの対称オプションを設定するには

  1. [ブラシ]プロパティ エディタを開きます([Ctrl]+[W]キーを押します)。

  2. [対称]タブでオプションを設定します。

    • [ローカルオブジェクト 対称平面の使用](Use Local Object Symmetry Plane)オブジェクトのローカル センターと、対称面が現在アクティブかどうかを使用して、対称かどうかを判定します。アクティブな対称面を設定するには、[Transform]パネルで[対称]を右クリックし、オプションを選択します。

    • [対称マップ使用](Use Symmetry Maps)は、オブジェクトに適用されている対称マップを使用して対称位置を決定します。

    • 両方のオプションがオンの場合、対称マップが優先されます。このため、存在するところでは対称マップを使用し、対称マップ付きのクラスタがないところではオブジェクトのローカル対称面を使用できます。

対称ペイントをアクティブにする

[対称](Sym)をアクティブにすると、ペイントを対称的に実行できます。

シンメトリを有効または無効にするには

  • [変換]パネルで[対称](Sym)をクリックします。

ローカルの対称平面を設定するには

次のいずれかの操作を実行します。

  • [対称](Sym)ボタンを右クリックし、[YZ]、[XZ]、](YZ, XZ,)または[XY]を選択します。

    または

  • [対称](Sym)ボタンを右クリックして[対称プロパティ](Symmetry Properties)を選択し、[Symmetry Options]プロパティエディタで[対称平面](Symmetry Plane)を適切な値に設定します。

ウェイト マップを数値で編集する

Weight Editor を使用して、数値によりウェイト マップを編集できます。Weight Editor は、ウェイト マップと頂点カラーに加え、エンベロープ ウェイトにも使用できます。

ウェイトエディタの表示

  1. エンベロープ、ウェイト マップ、または頂点カラー プロパティを持つ 1 つまたは複数のオブジェクトを選択します。
  2. [表示](View) [アニメーション](Animation) [Weight Editor]を選択するか、[Ctrl]+[E]キーを押します。

Weight Editor を使用してウェイト マップを編集する

A

選択されたセルのウェイトを設定します。値はウェイト編集モードの影響を受けます(N)。

異なる値を含む複数のセルを選択した場合、スライダは空白ですが、スライダを通常のように使用してすべての値を変更できます。

B

右クリックして値によりソートします。

C

複数のウェイト マップとそのマップ カラー。ダブルクリックして展開/縮小するか、または右クリックして詳細オプションを開きます。

最初の縦の分割線をダブルクリックして最初の列のサイズを変更し、プロパティ名を自動フィットさせます。

D

ポイントを行で一覧表示します。選択するには行ラベルをクリックします。また、ソートしたり、他のオプションにアクセスするには右クリックします。行の境界線をドラッグしてサイズ変更します。

E

テーブルの各セルにそのポイントのウェイト値が表示されます。

テーブル内の任意のセルのウェイトを直接設定するには、セル内で右クリックして値を入力します。

F

選択したセルが強調表示されます。

  • セルを選択するには、そのセルをクリックします。
  • セルの矩形範囲を選択するには、セルをクリックして選択範囲にドラッグします。または、最初のセルを選択し、[Shift]を押しながら最後のセルをクリックして選択します。
  • セルを選択に加える場合は、Ctrlキーを押しながらセルをクリックします。
  • 一連のセルを追加選択するには、[Ctrl]を押しながらセルをクリックして選択範囲にドラッグします。または、[Ctrl]を押しながら最初のセルをクリックし、[Ctrl]+[Shift]を押しながら最後のセルをクリックします。

G

[ファイル](File)メニューを使用して、プリセットを保存したり、ロードします。ポイントの数が現在のウェイト マップと同じ場合のみ、プリセットをロードできます。

[編集](Edit)および[表示](View)メニューのオプションは、ツールバーで直接使用することもできます。

H

現在表示されているエレメントにビューをロックします。

I

ビューがロックされているときにビューを強制的に更新します。また、[F6]キーを押す方法もあります。

J

ビューを消去します。

K

セルを3Dビューへ転送します。

L

ウェイト マップのオペレータ スタックをフリーズします。

M

テーブルのポイントの表示をコントロールします。

  • [表示](Show) 選択した行を表示し、それ以外を非表示にします。
  • [すべて表示](Show All) すべての行を表示します。
  • [フォーカス](Focus) 3D ビューで選択したポイントの行を自動的に表示します。
  • [フィルタ](Filter)を使用すると、3D ビューでポイントを選択する際に、0(ゼロ)にウェイト付けされているポイントが自動的に非表示になります。
  • [ハイライト](Highlight) セルを選択したときに 3D ビューのポイントが自動的にハイライト表示されます。

N

ウェイト編集モード:

  • [絶対値](Abs) 選択したセルのウェイトをスライダの値に設定します。

  • [追加](Add) 選択したセルにスライダの値を追加したり、減算します。

  • [率加算](Add %) 選択したセルの現在の値の割合としてスライダの値を追加したり、減算します。

  • [正規化](Normalize)はウェイト マップには適用されません。

O

編集するエンベロープ ウェイト プロパティ、ウェイト マップ、または頂点カラー プロパティを選択します。