イメージクリップのメモリ管理
 
 
 

mental ray

Softimage が mental ray レンダラに渡すイメージクリップ情報の量を定義できるほか、mental ray が分散レンダリングネットワーク内のレンダスレーブに送る情報量を定義できます。ネットワーク間で送信される情報量を抑えることにより高速化できるため、この機能は大きなテクスチャイメージで作業をする場合に便利です。

各イメージクリップを、以下の 3 つの管理モードのいずれかに設定できます。

  • [メモリにロード](Load in Memory): イメージファイルが開かれ、そこに適用された変更内容やクリップエフェクトがメモリに保持されます。レンダリング時間には、エフェクトを含むイメージのピクセルデータが mental ray に送信されます。分散レンダリングを使用している場合は、ピクセルデータがマスタからレンダスレーブに送信されます。

    • この管理モードは、[Image Clip]プロパティエディタの[テクスチャリング]タブからクリップエフェクトを利用できる唯一のイメージ管理モードです。

    • [MI]ファイルを作成している場合は、インラインテクスチャを持ちます。

      注:大きなイメージクリップ(縦横が 1000 ピクセル以上)で作業をしている場合は、[メモリにロード](Load in Memory)モードを使用するとパフォーマンスが低下する恐れがあります。Softimage は、イメージピクセルデータを mental ray に渡す前にそのデータを読み取るため、イメージのコピーが2つ作成され、メモリの消費量も 2 倍になります。これが問題視される場合は、イメージ管理モードを[ブロードキャストまたはディスクから使用](Use From Disk or Broadcast.)に設定してください。
  • [ディスクから使用](Use from disk): イメージクリップのパスとファイル名が mental ray に直接渡されます。分散レンダリングを使用している場合は、mental ray がそのファイルを開き、イメージのピクセルデータをレンダスレーブに送信します。他の管理モードを指定しない限り、このモードがすべての新規イメージクリップのデフォルトイメージ管理モードになります。

    • Softimage はイメージをメモリに読み込まないため、クリップエフェクトを適用することはできません。

    • [MI]ファイルを作成している場合は、エコーバーバティムオプションをオンにしている限り、このファイルはにテクスチャがインラインで含まれます。エコーバーバティムがオフである場合は、[MI]ファイルにテクスチャへのパスリファレンス情報が含まれます。

  • [ブロードキャスト](Broadcast): イメージクリップのパスおよびファイル名を直接 mental ray に渡します。mental ray はそのテクスチャファイルを開き、パスおよびファイル名を一括してレンダスレーブに送信します。イメージのピクセルデータが送信されることはありません。

    • Softimage はイメージをメモリに読み込まないため、クリップエフェクトを適用することはできません。

    • [MI]ファイルを作成している場合は、エコーバーバティムオプションをオンにしている限り、このファイルはにテクスチャがインラインで含まれます。エコーバーバティムがオフである場合は、[MI]ファイルにテクスチャへのパスリファレンス情報が含まれます。

      注:

      イメージ管理モードを[ブロードキャストまたはディスクから使用](Use from Disk or Broadcast)に設定している場合は、mental ray および Softimage がともにサポートするフォーマットのテクスチャイメージを使用してください。

      Softimage は、イメージを開かずにそのパスおよびファイル名を mental ra yに渡すため、共通のファイルフォーマットを使う必要があります。Softimage およ び mental ray がともにサポートするファイルフォーマット: .pic/.tga/.tiff/.sgi/.jpg/.ct/.map

クリップのイメージ管理モードを変更する

各クリップのイメージ管理モードは、[Image Clip]プロパティエディタの[テクスチャリング]タブから指定できます。

  1. イメージクリップのプロパティエディタを開きます(「イメージクリップのプロパティの編集」を参照)。

  2. [テクスチャリング]タブで、[イメージマネージメント]モードを選択します。

既定のイメージ管理モードを設定する

新しいイメージクリップがデフォルトで使用するイメージ管理モードを設定できます。

  1. [Preferences]ビューを開き(メインメニューから[ファイル](File) [設定](Preferences)を選択します)、Explorer で[Rendering]プリファレンスをクリックします。

    [Rendering Preferences]プロパティ エディタが、右ペイン内に開きます。

  2. [イメージクリップデフォルト設定](Image Clip Default Settings) [処理のタイプ](Management Type)リストから、使用する管理モードを選択します。

全クリップに対するイメージ管理モードの設定

一度に 1 クリップずつイメージ管理モードを設定せずに、シーン内のすべてのクリップに対してイメージ管理モードを設定できます。この場合は、スクリプトエディタテキストボックスに以下のように入力します。

SetValue "Clips.*.ImageDefinitionType", <mode>

[Mode]を以下のいずれかに設定します。

  • [0]メモリにロード

  • [1]ディスクから使用

  • [2]ブロードキャスト

ハードウェア([リアルタイムシェーダ]表示モード)

3D ビューが[OpenGL]または[DirectX]表示モードに設定されている場合は、同じソースから複数のクリップが定義されていても、1 つのテクスチャコピーのみがグラフィックプロセッサにアップロードされます。これにより、テクスチャメモリの使用が最適化されます。