プロパティのプロパゲーション
 
 
 

オブジェクトはさまざまなソースからプロパティを継承できます。この継承をプロパゲーションと呼びます。

[ディスプレイ]や[ジオメトリ アプロクシメーション]などの一部のプロパティでは、オブジェクトは 1 度に 1 つのプロパティしか持つことができません。複数のソースから同じプロパティを継承する場合は、優先度の最も高いソースが使用されます。

以下に、プロパティ プロパゲーションのソースを優先度の低い順で示します。

その他のタイプのプロパティについては、オブジェクトは一度に複数のプロパティを持つことができます。たとえば、ローカルのアノテーションを複数持つことも、異なる親やグループなどから複数のアノテーションを継承することも可能です。

通常のプロパゲーションのほかにも、オーバーライドという方法でパラメータまたはプロパティ値を適用することもできます。詳細については、「プロパティをオーバーライドする」を参照してください。

   

シンプルなプロパゲーション

この球体の階層では、各球体はその上の球体の子になっています。階層の最上位に位置する球体にテクスチャが適用されたときにその球体がブランチ選択されていたため、その下にある各球体にチェッカーボードのテクスチャが継承されています。

シーンのデフォルトマテリアルの復元

階層の最上位に位置する球体が単体で選択され、そのマテリアルが削除されています。他の球体は親からテクスチャを継承できなくなり(親のテクスチャが削除されたため)、シーンのデフォルトである灰色(またはユーザが設定した別の色)に戻ります。

   

ローカルマテリアル/テクスチャの適用

1つの球体が選択され、青いサーフェイスが指定されています。これはローカルのマテリアル/テクスチャに適用され、選択されているオブジェクトにのみ適用されています(子には適用されません)。親にはローカルテクスチャが割り当てられていますが、球体の子はチェッカーボードテクスチャを継承しています。

ブランチプロパゲーション

1つの球体がブランチ選択され、クラウドテクスチャが適用されています。残りの球体は別のブランチにあるため、チェッカーボードテクスチャのままになっています。

Explorer でプロパゲーションを表示する

Explorer は、シーンのエレメントとそのプロパティを表示するだけでなく、さまざまな階層間のプロパゲーションを表示する場合にも役立ちます。

A

ブランチモードで適用され、プロパゲートされるプロパティには、[B] という文字が表示されます。

B

マテリアルなどの共有プロパティは斜体で表示されます。括弧内はプロパティのソース(プロパゲーション元)を示しています。

ソースが表示されていない場合は、シーン ルートから継承していることになります。

また、以下のオプションを Explorer の[ビュー](View)メニューで設定できます。

  • [ローカルプロパティ](Local Properties) オブジェクトに直接適用されているプロパティのみが表示されます。

  • [適用済みプロパティ](Applied Properties) オブジェクトでアクティブなすべてのプロパティ(プロパゲートされているものかどうかに関係なく)が表示されます。

Schematic View でプロパゲーションを表示する

Schematic View には、オブジェクト間のプロパティの関係が階層で表示されます。

A

Sphere2 にはブランチ マテリアルが適用され、そのマテリアルが Sphere6 および 7 にプロパゲートされています。

B

Sphere6 には独自のローカル マテリアルが適用され、親のブランチ マテリアルより優先されています。

C

Sphere7 は Sphere2 からマテリアルを継承しているため、マテリアル ノードは表示されません。

PropertyFixupグループとは

シーンのロード時に、共有されていない同じプロパティまたはマテリアルが 2 つ以上のオブジェクトにローカルに適用されていることが検出されると、自動的に PropertyFixup グループが作成されます。通常はこのような状況は起こりませんが、旧バージョンの Softimage で特定の操作を行った場合に発生する可能性があります。

この状況が検出されると、PropertyFixup というグループが作成された後、そのグループにオブジェクトが追加され、プロパティがグループに適用されます。

シーンのロード時に PropertyFixup グループが作成された場合は、以下の操作を実行できます。

  • 必要なプロパティを適用し直した後、グループを削除します。

  • プロパティを共有したい場合は、グループの名前を変更してそのまま保持します。