ライトを使用しないシーンのライティング
 
 
 

ファイナル ギャザリングのイルミネーション計算手段では、アクティブなライトを実際に使用せずにシーンをライティングできます。ライトを使用する代わりに、一定に明るくシェーディングされたオブジェクトを使用してシーンを照らします(写真家が反射板を使う方法とよく似ています)。より複雑なライティングを作成する場合は、このリフレクタ オブジェクトにカラーリングやテクスチャを施します。このようなテクニックは、青いリフレクタを使用して空からの間接照明をシミュレートする場合によく用いられます。

リフレクタを使用せずに、テクスチャ(ファイナル ギャザリングがイルミネーションの計算に使用するテクスチャ)が適用されたシーンを環境マップで囲むこともできます。このテクニックを使うと非常に現実味のあるライティングを作成できます。特に、環境マップのソースに High Dynamic Range(HDR)イメージを使用すると効果があります。HDR イメージと環境マップを併用する方法の詳細については、「環境マップを使用してシーンに照明を当てる」(「イメージベースライティング」)を参照してください。

2 次光線(反射、屈折、透過)の計算を実行する場合は、どちらの場合もカラーや輝度が少ない(または持たない)ライトが 1 つだけ必要となります。

通常、ファイナル ギャザリングのみを使用するライティングのセット アップでは以下のような手順を実行します。

  1. シーン内のライトの強度とカラーを 0 に下げます。ライトを閉じてもかまいません。これにより、ファイナル ギャザリング単独のエフェクトを確認しながらセット アップできます。

    シーンのアンビエンスも 0 にしておくと良い結果が得られるでしょう。ライトとシーン アンビエンスの設定の詳細については、「[アンビエント ライティング]プロパティ エディタ」を参照してください。

  2. 次のいずれかの操作を実行します。

    • ファイナル ギャザリングの「リフレクタ」をセット アップします。

      リフレクタは、ライトの代わりにシーンを照らすオブジェクトです。小さいリフレクタ オブジェクトをライトと同様に配置することもできますし、大きな反射オブジェクトを半球や大きなグリッドのように使用することもできます。

      ヒント:
      • (特にレンダリング シークエンス時の)ノイズやアーティファクトを抑えるには、ライトとして使用するオブジェクトのマテリアルにあまり多くのカラーを追加しないようにし、代わりにサイズを大きくしてください。

      • 光源を直接使用せずに、複数のカラー カード(コンスタント マテリアルを持つ 3D オブジェクト)を光源に使用してもよいでしょう。これにより、ライトの反射エフェクトが強化され、一層手の込んだシーンになります。

      または

    • ファイナル ギャザリングに使用するレンダ パスに環境マップを適用します。「環境マップシェーダを使用する」(「テクスチャリング」)を参照してください。

      よりリアル感を再現するには、HDRイメージを持つ[環境]シェーダを使用します。「環境マップを使用してシーンに照明を当てる」[イメージベースライティング]を参照してください。

  3. ファイナル ギャザリングを有効にし、Render Manager(またはレンダ領域オプション)の設定を調整します。「ファイナル ギャザリング ワークフローの概要」を参照してください。これにより、ファイナル ギャザリング エフェクトの品質を調整できます。

  4. 以上の操作を実行した後、必要であれば直接光およびアンビエンスをわずかに加え、シャドウやリフレクションのようなレイトレーシング エフェクトを強化できます。この場合は、リフレクタ オブジェクトと同じ場所にライトを配置すると好ましい結果が得られます。

    ヒント:最終レンダリング時には、グローバル アンビエンスを 0 に設定したままにしないでください。代わりに非常に低い値を設定すると、シーンの彩度が増大し、シーンが適切に照らされるようになります。