mental ray for Maya シェーダ サンプル ワークフロー

 
 
 

このセクションでは、dgs_materialdielectric_materialmisss_fast_simple_maya (サブサーフェス スキャタリング用)という mental ray for Maya の 3 つのシェーダのサンプル ワークフローについて説明します。

dielectric_material ノード(dielectric_material)

このシーンでは、dielectric_material シェーダを使用して、ボウルを作成します。このシェーダは一般に、ガラス、水、その他の液体など誘電的な媒体に使用されます。

dielectric_material のサンプル ワークフロー

  1. ハイパーシェード(Hypershade)エディタを開きます。作成(Create)タブの下にある mental ray を選択します。マテリアル(Materials)セクションの下の dielectric_material をクリックして、シェーダを作成します。
  2. シェーダのアトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、屈折率(Index of Refraction)を 1.65 に変更します。この値は、典型的なガラス材の屈折率です。
  3. dielectric_material1SG ノードをクリックします。アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、mental ray セクションを展開します。このシーンではフォトンが使用されるので(コースティクスおよびグローバル イルミネーションなど)、フォトン シェーダをシェーダ グループに追加する必要があります。カスタム シェーダ(Custom Shaders)セクションのフォトン シェーダ(Photon Shader)アトリビュートの をクリックし、フォトン マテリアル(Photonic Materials)セクションにある dielectric_material_photon を選択します。これは、dielectric_material シェーダに対応するフォトン シェーダです。
  4. アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、dielectric_material_photon屈折のインデックス(dielectric_material_photon)を 1.65 に変更します。このシナリオでは、ガラスの外観もコースティクス エフェクトもシミュレートします。したがって、dielectric_material シェーダと dielectric_material_photon シェーダの屈折のインデックス(dielectric_material_photon)は同じ値に設定します。

dgs_material ノード

このシーンでは、dgs_material シェーダを使用してボウルの台を作成します。このシェーダは一般に、金属、鏡、光沢塗装およびプラスチックなどの光沢のあるマテリアルをシミュレートするために使用されます。

dgs_material のサンプル ワークフロー

  1. ハイパーシェード(Hypershade)エディタを開きます。作成(Create)タブの下にある mental ray を選択します。マテリアル(Materials)セクションの下の dgs_material をクリックして、シェーダを作成します。
  2. dgs_material1SG ノードをクリックします。アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、mental ray セクションを展開します。このシーンではフォトンが使用されるので(コースティクスおよびグローバル イルミネーションなど)、フォトン シェーダをシェーダ グループに追加する必要があります。カスタム シェーダ(Custom Shaders)セクションの下で、フォトン シェーダ(Photon Shader)アトリビュートのをクリックし、dgs_material_photon を選択します(フォトン マテリアル(Photonic Materials)セクションの下)。これは、dielectric_material シェーダに対応するフォトン シェーダです。

サブサーフェス スキャタリング ノード

このシーンのぶどうは、サブサーフェス スキャタリング ノードを使用して作成しています。通常、サブサーフェス スキャタリングを使用して、(表面で光を反射するのではなく)ライトを内部で分散、吸光するマテリアルを作成します。サブサーフェス スキャタリングを使用すると、シーンのぶどうが透き通り輝いて見えます。

mental ray for Maya には misss_physical、misss_fast_shadermisss_skin_specular など、複数のサブサーフェス スキャタリング ノードが含まれます。

misss_physical は、もっともリアルで、物理的に正確なサブサーフェス スキャタリングをシミュレートします。一方、misss_fast_* は合理的なサブサーフェス スキャタリングのシミュレーションが可能で、より効率的なレンダリングや、より容易なセットアップが特徴です。

misss_fast_simple_maya シェーダのサンプル ワークフロー

  1. ハイパーシェード(Hypershade)エディタを開きます。作成(Create)タブの下にある mental ray を選択します。マテリアル(Materials)セクションの下の misss_fast_simple_maya をクリックして、シェーダを作成します。
  2. サブサーフェス スキャタリングは、サーフェスの近くでライトがバウンスするので、ライトマップをシェーダにアタッチする必要があります。ハイパーシェード(Hypershade)エディタで、ライト マップ(Light Maps)セクションの下にある misss_fast_lmap_maya をクリックして、ライトマップ シェーダを作成します。
  3. misss_fast_lmap_maya シェーダ ノードをクリックします。アトリビュート エディタ(Attribute Editor)Lightmap Write セクションを展開し、Lightmap アトリビュートの をクリックしてテクスチャ ノードを作成します。
  4. テクスチャ ノードのアトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、書き込み可能(Writable)をチェックします。ファイル サイズ(幅) (File Size Width)ファイル サイズ(高さ) (File Size Height)を使用するレンダー サイズに変更します。ファイル サイズ(奥行き) (File Size Depth)を 32 ビットに変更します。イメージの名前(Image Name)アトリビュートにファイル名を入力します。
  5. misss_fast_simple_maya マテリアルをクリックし、misss_fast_lmap_maya シェーダをその Lightmap セクションにマッピングします。
  6. Lightmap セクションでサンプル数を増やして、よりスムーズなエフェクトを作成します。サンプル数を増やすと、より多くのスキャタリングが作成され、ライト ギャザー エフェクトの強度が増します。したがってシーンのグローが増します。
  7. より良い結果を得るには、Algorithm control 下の値を微調整します。
    ヒント:

    Maya 8.5 以降、異方性(Anisotropic)ブリン(Blinn)Lambert海洋シェーダ(OceanShader)PhongPhongE サーフェス マテリアル ノードの mental ray セクションで使用可能な分散アトリビュートを調整することで、シーンにサブサーフェス スキャタリングの外観を取り入れることができます。これらの分散アトリビュートの詳細については、スキャタリングスキャタリングの操作を参照してください。

シーン設定

  1. dielectric (誘電性)マテリアルを含むシーンには、コースティクス(Caustics)を組み込むようお勧めします。レンダー設定(Render Settings)ウィンドウ(ウィンドウ > レンダリング エディタ > レンダー設定(Window > Rendering Editors > Render Settings))で、レンダラとして mental ray を選択します。mental ray タブの機能(Features)タブで、レンダリング機能(Rendering Features)にあるコースティクス(Caustics)を選択してアルゴリズムを有効化します。
  2. シーンにコースティクスを組み込むには、シーンのスポット ライトがフォトンを放出するように設定します。スポット ライトのアトリビュート エディタ(Attribute Editor)コースティクスとグローバル イルミネーション(Caustic and Global Illumination)セクションを展開します。フォトンの放出(Emit Photons)セクションをチェックします。
  3. シーンを明るくするには、スポット ライトのアトリビュート エディタのフォトンの強度(Photon Intensity)指数(Exponent)の値を上げます。フォトンの強度のみを大きくすると、レンダリング時間が大幅に増えることになります。指数値を下げることで、レンダリング時間を増やすことなくコースティクスを明るくすることができます。
  4. 箱庭の中の壁にできる斑点状のコースティクスが気になる場合は、レンダー設定(Render Settings)ウィンドウのフィルタ(Filter)タイプ セクションとフィルタ サイズ(Filter size)セクションを微調整します。