複数のカメラを使用してレンダリングする

 
 
 

シーンには、第 1、第 2、第 3、第 4 のカメラを追加することができます。実際、シーンの表示やレンダリングに使用できるカメラの数は無制限です。複数のカメラを使えば、シーケンスの途中でカメラを切り替えたり、カメラ グループ内の各カメラの視点でパスをレンダリングしたりできます。

いずれの操作をするにしても、パスがレンダリングに使用するカメラ(またはカメラ グループ)を定義する必要があります。詳細については、「レンダパスカメラの設定と表示」(「レンダリング」を参照してください。

カメラを切り替える

カメラはいくつでも作成、編集、アニメート可能なので、シークエンスの途中でカメラを切り替える必要が出てくるでしょう。たとえば、シーンをフレーム 1 から 80 まではカメラ 1 で表示し、フレーム 81 から 200 まではカメラ 2 を使用し、フレーム 201 から 300 まではカメラ 1 に戻したい場合などです。

シーンでカメラを切り替える最も簡単な方法はパスを使用する方法です。元のシーンからいくつでもパスを作成できます。詳細については、「レンダ パスを定義する」(「レンダリング」)を参照してください。

次の例がSoftimageシーンに適用されます。最初のカメラはシーンの既定のカメラです。この例では、100 フレームのシーンを使用しました。

シークエンスの途中でカメラを切り替えるには

  1. Explorer を開き、[カメラルート]を展開します。必要に応じて、カメラを選択し、[H]キーを押して表示します。

  2. オーソグラフィック([トップ]、[ライト]、[フロント])ビューで、カメラが表示されるようにズームアウトします。

  3. [レンダ]ツールバーの[取得](Get) [プリミティブ](Primitive) [カメラ](Camera) [パースペクティブ](Perspective)コマンドを使用して別のカメラを作成します。作成したカメラに Cam2 という名前を付けます。

  4. 既定のカメラとは異なるアングルになるように Cam2 を移動または回転させます。

    レンダ パスにはそれぞれレンダ オプションと設定があります。カメラを切り替えるには、既定のカメラを既定のパスのアクティブ カメラとして定義し、Cam2 を別のレンダ パスのアクティブ カメラとして定義します。ここで第 2 のパスを作成します。

  5. [Render]ツールバーから[パス](Pass) [編集](Edit) [新規パス](New Pass) [エンプティ](Empty)を選択します。この操作により、既存のシーンに基づく新しい空のパスが作成されます。このパスが[パス](Pass)コンボ ボックスでアクティブ パスになる様子に注目してください(このパスをアクティブのままにしておきます)。

  6. 新しいパスのプロパティエディタで、新しいパスにCamera_Passという名前を付けます。

  7. プロパティ エディタの鍵のアイコンをクリックしてプロパティ ページを開いたままにしておきます。

  8. Explorer で、パスのスコープを選択します([P]キーを押します)。[Default Pass]および[Camera_Pass]が一覧表示されます。

  9. [Default Pass]のアイコンをクリックして、プロパティ エディタを開きます。

    この時点で、それぞれのレンダ パスのレンダ オプション プロパティ エディタが並んで表示されます。

  10. [Default Pass]レンダ オプション プロパティ エディタで、[開始]および[終了]をそれぞれ 1、40 に設定します。

  11. [フォーマット](Format)タブから、既定のカメラ(名称: [camera])が[カメラの出力]フィールドで選択されていることを確認します。

  12. [Camera_Pass]レンダ オプション プロパティ エディタで、[開始]および[終了]をそれぞれ 41、100 に設定します。

  13. [フォーマット](Format)タブから、[カメラの出力]フィールドで Cam2 カメラが選択されていることを確認します。

    これでそれぞれのカメラがどのフレームでレンダリングされるかを指定しました。もちろん、カメラを変更する回数に応じていくつでもパスを作成できます。

  14. 最終的な結果を表示するには、[レンダ]ツールバーで、[レンダ](Render) [レンダ](Render) [すべてのパス](All Passes)を選択します。レンダリングされるシークエンスでは定義したすべてのパスがレンダリングされます。

    注:

    カメラの切り替えに Animation Mixer を使用することもできます。ソースのカメラからマスタのカメラへの一連のコンストレイントまたはエクスプレッションを使用します。

    ミキサ用にこのエクスプレッションまたはコンストレイント(保持するカメラ パラメータもすべて含む)を保存する際に、好みに応じてシークエンスを設定したり、ミックスしたりできます。

複数のカメラのパスを作成する

複数のカメラで単一のパスをレンダリングすることができます。これを行うには、複数のカメラを 1 つのカメラ グループとし、そのカメラ グループをレンダ パスのアクティブ カメラにします。パスは、グループ内の各カメラの視点でレンダリングされます。特定のカメラのレンダがオフ(つまり、カメラが非表示)の場合、そのカメラはカメラ グループの一部としてレンダリングされません。

  1. 必要なカメラをシーンに追加し、各カメラをレンダリングの必要性に応じて設定します。

  2. Explorer を開き、スコープを[シーンルート]に設定します。

  3. グループ化するカメラのルート ノードを展開します。

  4. カメラ オブジェクトのみを選択します(カメラ ルート ノードやその他のカメラ リグのパーツは含めません)。複数のカメラを同時に追加するには[Ctrl]キーを使います。たとえば、次のように記述します。

    SelectObj "Camera1"
    ToggleSelection "Camera2"
    ToggleSelection "Camera3"
  5. メイン コマンド パネルの[グループ](Group)ボタンをクリックします。

  6. [グループ]プロパティ エディタで、グループに「CamerasGroup」などのわかりやすい名前を付けます。他のオプションはそのままにしておきます。

  7. 作成したカメラ グループを使ってレンダリングするパスのプロパティ エディタを開きます。

  8. [出力]タブの[パスカメラ](Pass Camera)メニューから、カメラ グループ(この例では「CamerasGroup」)を選択します。

  9. [レンダチャンネル出力](Render Channels Output)を、[Camera]トークンを含めるように設定します。たとえば、ファイル名は次のテンプレートを使用して定義できます。

    [Pass]_[Framebuffer]_[Camera]

    [Camera]トークンはレンダに使用されるすべてのカメラの名前を戻し、それらをレンダリングされた各フレームのファイル名に使用して、お互いに上書きされないようにします。

  10. パスをレンダリングします。この例では、出力は次のようになります。

    Default_Pass_Main_Camera1.[1...5].jpg
    Default_Pass_Main_Camera2.[1...5].jpg
    Default_Pass_Main_Camera3.[1...5].jpg