ICE パーティクルの概要

 
 
 

パーティクルとは、 固体または液体の非常に小さな物質のことです。現実の世界では、ほこり、海塩、水滴、砂、煙、火花などがパーティクルとしてあげられます。

ICE パーティクルを使用すると、これらの自然のパーティクルを作成することができますが、それだけではありません。たとえば、転がり落ちる岩、宙を舞う紙ふぶき、飛び散るガラス、落ち葉、伸びる草、飛び回るチョウ、ブンブンいう蜂、歩き回る人間など、オブジェクトやキャラクタにパーティクルのような動きを与えることができます。パーティクルとして動きを与える作業はすべて、ICE パーティクルを使用して実行することができます。

注:このトピックについてのビデオを見るには、「Softimage YouTube Learning Channel」をご覧ください。

ICE パーティクルにこのような動作を与える作業は、 すべて ICE ツリーで実行します。このツリーは、さまざまなタイプのデータを含む一連のノードで構成され、すべてがネットワークで接続されています。

ICE ツリー

ICE は、パーティクル エフェクトなどを簡単に作成することができるように設計された、ビジュアル プログラミング環境です。ICE でノードのネットワークを構築することによって、インタラクティブなツールを作成できます。これらのネットワークは、シーンからデータを取得するノード、およびこのデータを変更および処理するノードから構成されます。

ICE ツリーでは、データの各部分がどのように接続されているかを簡単に確認することができます。このネットワーク内でのノードの操作は簡単です。新しいノードを追加したり、不要なノードを削除したり、他のプロパティを編集したりして、さまざまなエフェクトを手軽に試すことができます。これにより、エフェクトを自由に作成および適用することができます。

ICE パーティクルのコンパウンド

ICE の最も強力な特性の 1 つがコンパウンドです。コンパウンドは、特定の処理を行うノードを 1 つのコンテナにまとめたもので、ICE ツリーでノードのように使用することができます。

コンパウンドによって、複雑なパーティクル エフェクトを、ユーザが自分で一から設定することなく、簡単に使用することができます。コンパウンドはいつでも好きなときに開き、どのような構成になっているのかを確認できます。ノードの値を変更し、特定の場所で追加および削除を行ってから保存して、まったく新しいコンパウンドを作成することができます。

ICE パーティクルのワークフロー用に特別に設計された多くのコンパウンドが用意されています。これらは、パーティクルとしてすぐに使用できるように準備されたエレメントやタスクの一部です。

フォース(Forces)

自然現象を引き起こすフォース(動力)と同様に、ICE ツリーのフォースもパーティクルのモーションを変化させます。重力、風、流れに逆らったり、凝固するなど、自然現象のさまざまなタイプのフォースに応じて、パーティクルが動作するようになります。

詳細については、「ICEフォース」(「ICE ガイド」)を参照してください。

状態(States)

パーティクル状態は、パーティクルを動作グループに分割するための手段です。状態は通常、トリガーとエフェクトの組み合わせです。トリガーはパーティクルの動作が変化する要因を決定するもので、エフェクトはトリガーが実行されたときにパーティクルが取る動作です。これら 2 つの要素を使用して、パーティクルに発生するさまざまな項目の組み合わせを作成できます。

詳細については、「ICE パーティクル状態」を参照してください。

連続発生(軌跡)(Spawning (Trails))

パーティクルの連続発生では、既存のパーティクルから新しいパーティクルが生成されます。これにより、花火、レーザー ショット、雨の線、または煙のたなびきなどのエフェクトを簡単に作成することができます。

詳細については、「ICE パーティクルの連続発生」を参照してください。

ストランドおよびストランド ダイナミクス(Strands and Strand Dynamics)

パーティクル ストランドは、パーティクルの後に描かれるソリッドなシェイプのトレイルです。ストランドを使用すると、リボン、海草、髪の毛、光の軌跡などのエフェクトを簡単に作成できます。

詳細については、「ICE パーティクルストランド」を参照してください。

衝突およびサーフェイス インタラクションの動作(Collisions and Surface Interaction Behavior)

跳ね返る、スライドする、くっつく、水しぶきを上げるなど、衝突時にパーティクルに適用させる動作に応じて、さまざまなタイプのパーティクル衝突を作成できます。

詳細については、「ICE パーティクルサーフェイスインタラクションの動作」を参照してください。

ゴール(Goals)

パーティクルのゴールを作成すると、パーティクルはそのゴールに引き付けられたり、離れたりします。この原理を利用して、さまざまなパーティクル エフェクトを作成できます。たとえば、水滴が水たまりを形成するエフェクト、サーフェイスに塗料を吹き付けるエフェクト、蜂の群れが養蜂家を追いかけるエフェクトなどを作成することができます。

詳細については、「ICE パーティクルのゴール」を参照してください。

流れ(Flow)

オブジェクトの周囲にパーティクルを流し込むことができます。これは、岩の周りに溶岩を流したり、キャラクタの集団が障害物をよけて移動するパーティクルを再現する場合に便利です。カーブに沿ってパーティクルを流し込むこともできます。これは、魚の群れが流れに沿って泳いだ後に突如方角を変えたり、動脈に沿って血液が流れたり、火山を溶岩が流れるなど、パスや方向に沿って流れていくパーティクルを再現する場合に便利です。

詳細については、「オブジェクトの周囲を移動するICE パーティクル」および「カーブに沿って流れるICE パーティクル」を参照してください。

リジッド ボディ(Rigid Bodies)

リジッド ボディ(衝突時にデフォームしないオブジェクト)としてパーティクルを動作させることができます。パーティクルは、障害物として設定された他のパーティクルやオブジェクトで衝突させることができます。パーティクルをリジッド ボディとして使用すると(特にインスタンス化されたジオメトリと関連付けて)、衝突または蓄積する数多くの小さな破片を含むエフェクトを作成できます。たとえば、レンガ、石など、崩壊して山積みになるエフェクトや粉砕されるエフェクトです。

詳細については、「ICE リジッドボディ」を参照してください。

シェイプのインスタンス(Shape Instances)

パーティクルの 3D ジオメトリ(シェイプのインスタンス)への置換により、パーティクル シミュレーションの一部としてどのタイプのオブジェクトも使用できます。風に舞う紙、岩、蜂などのシンプルなオブジェクトを使用する場合、ランダムなエフェクト用の複数の異なるタイプのオブジェクトを含むグループを使用するか、オブジェクトの階層を使用して、キャラクタまたは複雑なオブジェクトを作成できます。

詳細については、「ICE パーティクルインスタンス」を参照してください。

ICE パーティクルのシェーダ

必要な動きを設定したパーティクル システムの設定が終わったら、シェーダを追加して希望の外観に仕上げる必要があります。

パーティクルを煙、霧、火、水などの特定の現象として見せたい場合があります。このために、特別な ICE シェーダがいくつか用意されています。これらのシェーダを使用すると、パーティクルにこれらのエフェクト(特にボリューム エフェクト)を作成できます。もちろん通常のサーフェイスとしてレンダリングする場合は、標準のシェーダも使用することができます。

ICE パーティクル シェーダの詳細と使用方法については、「ICE パーティクルのシェーディング」を参照してください。