リジッドボディシミュレーションの作業では、シミュレーションの最初のフレームで、リジッドボディオブジェクトやコンストレイントオブジェクトのある特定の状態を設定したい場合がよくあります。そのような場合は、オブジェクトを思いどおりに変換し、それを初期状態として使用することができます。初期状態を設定しておくと、シミュレーションのフレームをプリロールして最初にリジッドボディを適切な状態にする手間が省けます。
初期状態とは、シミュレーションの最初のフレームでのリジッドボディオブジェクトまたはコンストレイントの位置、向き、リニア速度、および角速度です。リジッド ボディのシミュレーションではスケーリングを処理しないため、スケーリングは初期状態のプロパティとは見なされません。オブジェクトのスケールは自動的に初期状態として考慮されます。
左側: シミュレーションの現在の初期状態にあるリジッドボディオブジェクト
右側: リジッドボディオブジェクトの位置と向きが変換された状態 これはシミュレーションの最初のフレームでの初期状態になります。
リジッドボディオブジェクトやコンストレイントオブジェクトの初期状態を設定する方法は3つあります。
リジッドボディオブジェクトまたはコンストレイントオブジェクトをビュー内で思いどおりに変換し、それを初期状態として設定する方法(次のセクションを参照)。
アニメートされたリジッドボディの場合は、その位置、向き、および速度が自動的に初期状態の計算に使用されます(「アニメートされたオブジェクトの初期状態の設定」を参照)。
リジッドボディオブジェクトまたはコンストレイントオブジェクトの初期状態のプロパティを、プロパティエディタで直接編集する方法(「初期状態のプロパティの編集」を参照)。
シミュレーションを希望どおりに設定して再生する方法。その後で、シミュレーションの任意のフレームに移動し、そこでのリジッドボディオブジェクトまたはコンストレイントオブジェクトの状態を初期状態として設定することができます(「シミュレーションからの初期状態の選択」を参照)。
いずれの方法の場合も、リジッドボディオブジェクトまたはコンストレイントオブジェクトの初期状態のプロパティは、これらの値で更新されます。Softimage では、これらの値とともに、シミュレーションの時間コントロールの値も使用して、シミュレーションの再計算が行われます。
初期状態のプロパティには、リジッドボディオブジェクトやコンストレイントオブジェクトの初期のグローバル位置、向き、リニア速度、および角速度が含まれます。これらのパラメータは、オブジェクトの位置とモーションを定義するものです。
次のどちらかの手順に従って、[Dynamics Initial State]プロパティエディタを開きます。
必要に応じて、これらのオプションを設定して、オブジェクトの初期状態の位置や回転(向き)を調整します
[アニメーションから~](FromAnim)オプションのいずれか([アニメーションから位置]など)を選択すると、そのアニメーションからリジッドボディの値が計算されます(「アニメートされたオブジェクトの初期状態の設定」を参照)。
このプロパティエディタ([ポーズ]および[速度]タブ)の[X/Y/Z]の各パラメータはアニメート可能なため、これらのパラメータを使用するプロキシパラメータの作成や、式で制御されるカスタムパラメータを簡単に作成できます。ただし、これらのパラメータを直接アニメートする場合は、リジッドボディオブジェクトの[Local Transform]プロパティエディタまたは[Global Transform]プロパティエディタで行うことをお勧めします([Explorer]>アニメートしたいリジットボディオブジェクト>[kinematics]>[Local Transform]/[Global Transform])。
リジッドボディオブジェクトやコンストレイントオブジェクトがアニメートされている場合は、そのアニメーションでのオブジェクトの位置、回転、および速度を、シミュレーションの最初のフレームの初期状態の計算に使用できます。
たとえば、すばやく動くオブジェクトをアニメートし、それをリジッド ボディにすると、そのアニメーションでの位置と速度を、別のリジッド ボディとの衝突のシミュレーションの開始時に使用することができます。
リジッドボディオブジェクトやコンストレイントオブジェクトのアニメーションをその初期状態として使用するには
Dynamics Initial Stateプロパティエディタで適切な["FromAnim"]オプションを選択します。たとえば、リジッドボディのアニメーションでの位置を使用する場合は、[アニメーションから位置]オプションを使用します。
リジッド ボディまたはコンストレイント オブジェクトを選択し、[修正](Modify) [リジッド ボディ](Rigid Body) [アニメーションを初期状態として利用](Use Animation as Initial State)を選択します。これにより、[Dynamics Initial State]プロパティエディタのすべての[アニメーションから~](FromAnim)オプションが自動的に選択されます。
位置や向きを設定する場合ほど多くはありませんが、シミュレーション中の任意のフレームでオブジェクトの状態を取得し、それを初期状態として設定することができます。すると、この初期状態は、シミュレーションの先頭フレームにあるリジッドボディまたはコンストレイントオブジェクトの状態になります。