合成のプリファレンスの設定

 
 
 

[Preferences: Compositing]プロパティエディタでは、キャッシュ、レンダリングパフォーマンス、Cineon/DPXイメージ変換に関するさまざまな設定を行うことができます。ほかにも、2Dラスターペイント(「ラスター ペイントの概要」を参照)に関する設定もここで行います。

合成の設定を編集するには

  1. プリファレンスウィンドウを開くには、メイン メニューから[ファイル](File) [Preferences]を選択します。

  2. プリファレンスビューのエクスプローラペインで[Compositing]を選択します。右側のペインに[Compositing]プリファレンスプロパティエディタが表示されます。

  3. 必要に応じて、次のセクションで説明する設定を行います。

パフォーマンスオプションの設定

[Compositing]プリファレンスプロパティエディタの[パフォーマンス]タブのオプションは、合成のパフォーマンスの最適化に役立ちます。これらの設定の多くは、Fx ViewerでレンダリングしたオペレータのRAMおよびディスクキャッシュの制御に使用します。

デフォルトでは、Fx Treeは再生の遅延を最小限に抑えるために、すべてのレンダリングフレームをまずRAMに、次にディスクにという順番でキャッシュしようとします。オペレータをペイントしたりオペレータのプロパティを編集すると、オペレータのエフェクトを再処理する必要が生じ、フレームがキャッシュされます。最近使用した優先度リストを使用して、現在どのオペレータがキャッシュされているかを制御します。

必要に応じて、特定のオペレータの[ライブキャッシュ]オプションを有効にし、その他のオペレータよりもキャッシュ優先度を高くすることができます。この設定は、レンダリングに強く依存するオペレータや、レンダリングに強く依存する親を持つオペレータに有用です。ライブキャッシュの有効化の詳細については、「ライブ キャッシュを使用する」を参照してください。

CPUの数を設定してマルチプロセスを使用する

Fx Treeレンダリングでは、分散レンダリングを利用できます。[最大マルチプロセス](Maximum Multi-Processing)の設定を行い、Fx Tree のレンダリングに使用するレンダスレーブ CPU の最大数を指定します。CPU の数としてはシングル、2、4、または 8 が指定可能です。

メモリキャッシュオプションの設定

[Memory Usage]オプションは、Fx TreeイメージのキャッシュにシステムRAMをどのように使用するかを制御します。次の2つの設定が可能です。

  • [イメージメモリサイズ(MB)](Image Memory Size (MB)): FX オペレータからのイメージの保存に割り当てる RAM 容量をメガバイト単位で指定します。

  • [キャッシュの最大値(%)](Maximum For Caches (%)): イメージのキャッシュに使用する RAM の最大量をパーセンテージで指定します。この値は 0% から最大 80% までの範囲で、段階的に指定することが可能です。

ディスクキャッシングオプションの設定

ディスクの使用法では、FXオペレータからのイメージに使用するディスクキャッシュの有効化と管理を行います。有効にした場合は、RAMキャッシュがいっぱいになるとディスクキャッシュが使用されます。次のようなオプションが設定できます。

  • [オーバーフローキャッシュをディスクに](Overflow Cache to Disk): Fx Tree の編集中にキャッシュメモリが不足し、キャッシュしなければ失われてしまうイメージをディスクキャッシュに保存します。

  • [最大ディスクキャッシュサイズ(MB)](Maximum Disk Cache Size): ディスク上のキャッシュディレクトリに保存するデータの最大サイズを指定します。

  • [ディスク空き容量最小値(MB)](Minimum Disk Left Unused): 常に空けておく必要のあるディスク容量を指定します。この設定により、キャッシュしたイメージでディスクがいっぱいになるのを防ぐことができます。

キャッシュディレクトリの設定

Softimage では、デフォルトでは、プレビューしたオペレータは標準の一時ディレクトリを使用してキャッシュされます。必要に応じて、次の設定を行って別のディレクトリを使用することができます。

  • [Use Standard Temporary Directory]: 異なるディスクキャッシュディレクトリを使用したい場合は、このオプションを無効にします。

  • [User Specified Directory]:[標準テンポラリ ディレクトリ使用]がオフの場合、ディスクにキャッシュされたイメージはここで指定したディレクトリに保存されます。

Cineon/DPXオプションの設定

Cineon/DPX イメージでは対数のカラースペースが使用されます。このため、Fx TreeでCineon/DPX を扱う場合は、最初に対数カラースペースをリニアスペースに変換しておく必要があります。目的のエフェクトを適用した後で、これらのイメージを対数空間に変換し直したい場合があります。

Cineon/DPX の設定では、対数ルックアップテーブルをリニアルックアップテーブルに構成し、それをいつ使用するかを指定できます。Softimage では、Fx Tree から Cineon ファイルを読み込んでリニアカラースペースに変換し、ディスクへの書き込みが終了した時点でもう 1 度 Cineon ファイルに変換できます。

対数→リニアルックアップテーブルの設定

以下の[対数→リニアルックアップテーブル](Log-to-Lin Lookup Table)オプションを設定することで、[Cineon]イメージを対数カラースペースとリニアカラースペースの間で変換するためのルックアップテーブルを構成できます。

  • [ブラックポイント](Black Point):「黒のリファレンス」。この値を使用して、対数の最小値はリニアの黒の値である 0(ゼロ)にマップされます。値が0より低い場合は、黒にクリップされます。

  • [ホワイトポイント](White Point):「白のリファレンス」。この値は、最大の対数値を白のリニア値(255)にマッピングします。値が255より高い場合は、白にクリップされます。

  • [ソフトクリップ](Soft Clip): 元の対数イメージでハイライトをクリップすることによって発生する色の不均衡を滑らかにします。切り取った曲線をソフト化する、白のリファレンスの周囲の値の範囲が定義されます。これにより、イメージのハイライトの詳細を保持できます。

  • [フィルムガンマ](Film Gamma): フィルムガンマを調整します。

  • [表示ガンマ](Display Gamma): ガンマ補正を行います。モニタのガンマ修正の値を入力すると、モニタ上で元の Cineon/DPX イメージのガンマが適正に表示されるようになります。

ヒント:

[Cineon]イメージを Softimage に読み込んだときに自動的に変換されなかった場合でも、[Cineon]イメージを Fx Viewer で正確に表示するための同じようなルックアップテーブルを設定できます。

Fx ビューアのルックアップテーブルは、[Fx Viewer Settings]ダイアログボックスから設定することができます。これは、Fx ビューアメニューから[View] [Viewer Preferences]を選択することにより開くことができます。

自動変換オプションの設定

ルックアップテーブルを構成したら、[テーブルを自動的に利用](Automatically Use Table)オプションを有効にして、そのルックアップテーブルをいつ使用するかを指定します。

  • [When Reading Files]: ディスクから Cineon 形式のイメージを読み込む場合、Softimage は自動的に[対数→リニア ルック アップ テーブル]を使用します。

  • [When Writing Files]: ディスクに Cineon 形式のイメージを書き込む場合、Softimage は自動的に[対数→リニア ルック アップ テーブル]を使用します。