リジッド ボディ シミュレーションの準備をする
 
 
 

サイズの重要性

  • リジッド ボディ シミュレーションを設計する際には、Softimage 単位とシーン オブジェクトのスケールを常に念頭に置いてください。他のシミュレーション計算の場合と同様に、リジッド ボディの作業でもスケールはきわめて重要です。リジッド ボディ シミュレーションを開始する前に、使用する環境で 1 Softimage 単位に相当する単位(1 Softimage 単位が 1 m、10 cm、1 cm、1 フィート、またはそれ以外)を定義する必要があります。この定義を基準にしてオブジェクトをモデル化し、オブジェクトの質量や密度にもこの定義を適用する必要があります。

    たとえば、1 辺が 1 単位で質量が 1 kgの立方体を作成する場合は、1 Softimage 単位を 1 cmにすると非常に密度の高い立方体になります。一方、1 Softimage 単位を 100 m にすると、立方体はサッカーグラウンドのように大きく、空気よりも軽い 1 kg になります。

  • PhysX および ODE ダイナミクス エンジンがともに改良されたため、1 Softimage 単位を 10 cm として計算できます。

  • 可能であれば、シミュレーション環境で、リジッド ボディ オブジェクトのサイズを 1 Softimage 単位から 10 Softimage 単位に、質量を 1 kg から 10 kg にし、速度は適度(たとえば、毎秒 10~50 Softimage 単位)に変更してみてください。オブジェクトが極端に大きかったり極端に小さかったり、あるいは非常に速い速度で動くような場合は、シミュレーションが不安定になったり、シミュレーションの精度を確保するためにサブステップ数を多くする必要が生じます。

  • ダイナミクス シミュレーションは集約的な計算を用いて物理法則に習うため、いくつかの制限があります。ほとんど質量や密度を持たないオブジェクトのように、無限の値や非常に小さい値の使用は避ける必要があります。これは、必要な計算を行うとシミュレーションに数値エラーが生じる可能性があるためです。

重力とシミュレーション

スケールは重力にも適用されます。どのオブジェクトにおいても、重力は質量には関係なく一定となります。つまり、どのオブジェクトも同じ速度で降下します。ただし、オブジェクト同士が互いに衝突した時点で何もかも変更されます。衝突の時点で、そのオブジェクトの質量、エネルギー、および運動量が重要な役割を果たすからです。

重力によるオブジェクトの動作を正確なものにするためには、シーン内のオブジェクトのサイズを考慮する必要があります。たとえば、既定の重力は 98.1 に設定されています。この値は、1 Softimage 単位が 10 cm の場合に地球の重力になる値です。ただし、1 Softimage 単位を 1 m に定義している場合は、重力を 9.81 に設定する必要があります。

Softimage において既定の重力は 98.1 に設定されます。ほとんどのキャラクタのモデリングに使用されるのは、10 cm に等しい 1 単位のスケール(基本的に、既定の Softimage リグおよびモデルに使用されるスケール)であるためです。