デフォルトでは、シミュレーションの初期状態は、シミュレーション環境がアクティブな最初のフレームの[シミュレーション]領域の下にあるコンストラクション スタック領域の結果です。シミュレーションがアクティブである間は、下位の領域は再評価されません。シミュレーションの最初のフレームは初期状態であるため、[シミュレーション]領域でパーティクルを放出すると、次のフレームで表示されます。
ICE パーティクル シミュレーションまたはリジッド ボディ シミュレーションで作業しているときに、シミュレーションのある状態をシミュレーションの最初のフレーム(燃えているキャンドルや固定された状態のリジッド ボディなど)に設定しなくてはならないことがよくあります。開始するのに適切な状態にするためのプリロール シミュレーションを計算しなくても、既存のシミュレーションの任意のフレームを選択してそれを初期状態として使用することができます。初期状態には、シミュレーションの開始時に既に放出されているパーティクルの個数と、それらのプロパティが含まれています。
このキャンドルには初期状態が適用されているので、シミュレーションの最初のフレームからすでに燃えています。
初期状態を作成するには、最初にシミュレーションを作成し、必要に応じてセットアップする必要があります。次に、シミュレーションの任意のフレームに移動し、そのシミュレーションの初期状態としてキャプチャします。その状態が保存され、次に再生するときにシミュレーションの開始として使用されます。シミュレーションの残りの部分は、元のシミュレーション タイム フレームと同様、そのポイントから引き続き再生されます。
初期状態として設定するフレームに移動します。これが、再生時にシミュレーションの最初のフレームの前に再生されるフレームになります。
ポイント クラウドを選択し、[ICE]ツールバーから[パーティクル](Particles) [シミュレーション](Simulation) [初期状態の設定](Set Initial State)を選択します。
[初期状態の設定]コマンドは、シミュレートされた[ICETree]ノードの接続を解除してコンストラクション スタックに属さないようにしてからスタックをフリーズし(スタックのオペレータをすべて削除)、続けてシミュレートされた[ICETree]ノードを再度スタックのシミュレーション領域に接続することによって、シミュレーションの初期状態を設定します。これらの処理はすべて、ユーザ側では認識されません。
シミュレーションを再生します。初期状態として設定したフレームは作成されるシミュレーションの最初のフレームとして使用されるわけではありません。実際には、最初のフレームの前のフレームになります。
たとえば、フレーム 1 から開始するシミュレーションを作成したとします。その後フレーム 50 でそのシミュレーションを停止し、このフレームを初期状態として設定します。次に、そのシミュレーションを再生して(初期状態を使用)フレーム 1 に移動すると、初期状態として設定したフレーム(フレーム 50)とフレーム 1 の間に小さなシミュレーション ステップがあるのがわかるでしょう。この場合、フレーム 1 は、設定した初期状態のフレームの 1 つ後にくるステップです。