このセクションでは、実際の作業で nCloth をより効果的に使用するためのヒントを提供します。
Maya Nucleus ソルバと nCloth をより効果的に使用するための一般的なアドバイスを次に記します。
シーンをキャッシュして望ましいシミュレーション結果が得られたら、nucleus ノードを無効にすることができます。nucleus ノードを無効にするとシミュレーションが発生しないため、キャッシュされたアニメーションのすばやいスクラブまたは巻き戻しが可能になります。
nucleus ノードを無効にするには、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で有効化(Enable)アトリビュートをオフにします。
中程度の密度のメッシュの場合、目的の自己衝突を得るためには厚み(Thickness) (nClothShape ノード)に大きな値を設定することが必要なことがありますが、nCloth オブジェクトが不均等で肥大化したようになってしまう場合があります。
これに対処するには自己衝突の幅スケール(Self Collide Width Scale) (nClothShape ノード)を使用することで、nCloth オブジェクトを肥大化させることなく nCloth の入力メッシュと出力メッシュの厚み(Thickness)をスケールできるようになります。
通常、コンストレイントを頂点で作成する場合は nCloth の出力メッシュが使用されます。しかしセットを使用するコンストレイントの場合、この方法はお勧めできません。ダイナミック コンストレイントの作成オプション(Create Dynamic Constraint Options)ウィンドウでセットの使用(Use Sets)オプションをオンにしてダイナミック コンストレイントを作成する場合、セットは出力メッシュの動作に影響するため、入力メッシュ(input mesh)上に作成する必要があります。セットを入力メッシュに作成していない場合は、ディペンデンシー グラフ(Dependency Graph)にループができてしまいます。
出力メッシュを非表示にしてセットを編集するには、nMesh > 入力メッシュの表示(nMesh > Display Input Mesh)を選択します。
コンストレイント セットを編集するには、nConstraint > メンバーの追加(nConstraint > Add Members)、nConstraint > メンバーの除去(nConstraint > Remove Members)、nConstraint > メンバーの置き換え(nConstraint > Replace Members)メニュー項目を使用します。
セットのリレーションシップ エディタ(Relationship Editor)を使用する場合は、同じタイプの入力メッシュ要素(すべて頂点、フェース、またはエッジ)のみを追加してください。
ダイナミック コンストレイントの作成オプション(Create Dynamic Constraint Options)ウィンドウのセットの使用(Use Sets)オプションをオンにしてダイナミック コンストレイントを作成すると、多数のノードと接続が作成されます。セット編集の際にメンバーシップが nComponent ノードで有効な状態に維持されるようにする制限がないため、エラーが起きる可能性があります。
セットを使用する代わりに、nConstraint > メンバーの追加(nConstraint > Add Members)、nConstraint > メンバーの除去(nConstraint > Remove Members)、nConstraint > メンバーの置き換え(nConstraint > Replace Members)メニュー項目を使用して、コンストレイント メンバーシップを簡単に修正できます。
オブジェクト間の距離が離れコンストレイントのリンクが長くなってしまっている場合、コンストレイント元のサーフェスの小さな振動がターゲット サーフェス上で増幅されるため、ポップが発生することがあります。
長いコンストレイントのリンクが必要な場合は、強さ(Strength)と接線の強さ(Tangent Strength) (dynamicConstraintShape ノード)設定を低くします。これらの設定を小さくするとコンストレイント リンクが少し緩まり、ポップを回避できます。