流体の状態とは、流体のグリッド プロパティ値(密度(Density)、速度(Velocity)、温度(Temperature)、燃料(Fuel)、カラー(Color)、テクスチャ座標(Texture Coordinate)の値)の集合体です。先頭フレーム以外の任意のフレームにおけるキャッシュされていないダイナミック流体の状態は、その前のフレームの流体の状態によって決まります。Maya は、先頭フレームから始めて、ダイナミック流体のエフェクトを順次計算します。
シミュレーションの開始フレームで流体コンテナに定義されているグリッド プロパティ値は、流体の初期状態を表します。任意のフレームまでシミュレーションを再生し、そのフレームの現在状態を流体の初期状態として設定することができます。
たとえば、すでにコンテナに存在する流体から流体シミュレーションを開始するとします。この場合、コンテナに流体エミッタを追加してシミュレーションを再生し、流体の放出が目的の状態になったフレームでシミュレーションを停止し、このときの放出された流体の値を初期状態として設定することができます。その後、流体シミュレーションを再生すると、流体のアニメーションは初期状態として格納されたグリッド プロパティ値から開始します。
流体プロパティ値をグリッドにペイントするときは、流体の初期状態を設定する必要があります。初期状態を設定しないと、シミュレーションを再生する際、先頭フレームに戻ったときにペイントした初期値が失われてしまいます。流体値のペイントについては、グリッドへ流体プロパティをペイントするを参照してください。
シミュレーションの任意のフレームにおける流体のグリッド プロパティ値を保存し、保存した状態を別の流体コンテナに追加することができます。
たとえば、密度(Density)値を使用してダイナミック グリッドで会社のロゴを作成し、その現在状態をバイザー(Visor)に保存することができます。独自のロゴを使って別の流体エフェクトを作成したい場合は、保存したロゴの値を新しいコンテナに追加し、そのコンテナのアトリビュートを修正できます。
2D コンテナに保存されているグリッド プロパティを追加できるのは、2D コンテナだけです。同様に、3D コンテナに定義されているグリッド プロパティを追加できるのは、3D コンテナだけです。