パーティクル スタートアップ キャッシュでは、アニメーションの初めから再計算を行う必要がなく、任意のフレームからファイルを保存できます。パーティクル スタートアップ キャッシュでは、パーティクル ディスク キャッシュ ファイルとは別のファイルに、パーティクル シェイプのアトリビュート値のコピーが保存されます。
スタートアップ キャッシュを使用すると、開始フレーム以後のフレームでパーティクル オブジェクトを含むシーンを保存してすばやくリロードできます。パーティクルの開始フレームでファイルを常に保存する場合は、パーティクルのスタートアップ キャッシュの保存(Save Startup Cache for Particles)をオフに切り替えてディスク容量を節約できます。
パーティクル キャッシュに使用されるディスク容量は、保存するフレームでシーンに存在するパーティクルの数、およびアトリビュートの数によって決まります。同じように、ファイルをロードする時間は、シーンの重さと再生時間によって決まります。単純な公式はありません。つまり、ファイル サイズと時間のバランスを自分で評価する必要があります。スタートアップ キャッシュをオンかオフに切り替えられるプリファレンスにしたのはこのためです。このプリファレンスは、既定でオンになっています。
このオプションをオンに切り替えると(既定値)、ファイルを保存するたびに、すべてのパーティクルのスタートアップ キャッシュが自動的に保存されます。パーティクル ディスク キャッシュとは異なり、スタートアップ キャッシュは毎回明示的に作成する必要はありません。
ファイルがロードされると(インタラクティブ モードかバッチ モードで)、パーティクル シェイプの現状がスタートアップ キャッシュから読み込まれ、アニメーションの再計算は発生しません。Maya がキャッシュ ファイルの検索か読み込みを行えない場合は、警告が表示されてからシーンが頭から再計算されます。たとえば、ファイルを別のワークスペースにコピーし、スタートアップ キャッシュをコピーしなかった場合にこれが発生します。その時点でシーンを保存しなおすと、スタートアップ キャッシュが再作成されます。
スタートアップ キャッシュ ファイルは、ワークスペース パーティクル ディレクトリのサブディレクトリに保存されます。各シーンには、別々のスタートアップ キャッシュ ディレクトリが作成されます。
通常の場合、シーン名に _startup を付けた名前がディレクトリに付きます。たとえばシーンが myScene という名前である場合は、myScene_startup というディレクトリにスタートアップ キャッシュが保存されます。
しかし、そのシーンのパーティクル ディスク キャッシュを作成した場合は、シーン名の代わりにパーティクル ディスク キャッシュ ディレクトリ名が使用されます。たとえばパーティクル ディスク キャッシュを safePlace ディレクトリに保存した場合、スタートアップ キャッシュには safePlace_startup という名前が付きます。(既定では、ディスク キャッシュ ディレクトリ名はシーン名と同じです)。
ある名前でシーンをディスク キャッシュしてからシーンの名前を変更した場合、スタートアップ ファイルでは最初の名前が使用されます(最初の名前でディスク キャッシュが作成されたため)。シーンには開始時に名前を付け、その名前を変更しないことをお勧めします。
スタートアップ キャッシュを保存したフレームをレンダーする場合に限り、バッチ レンダリングではスタートアップ キャッシュが使用されます。その他のフレームをレンダーする場合、スタートアップ キャッシュは使用されません。シーケンスをレンダーする場合、または分散方式や多重プロセッサ方式でレンダーする場合は、スタートアップ キャッシュではなく、パーティクル ディスク キャッシュの使用をお勧めします。
パーティクル ディスク キャッシュ(シーケンス全体)とスタートアップ キャッシュの両方がある場合は、パーティクル ディスク キャッシュがオーバーライドされます。Maya は、以下の順序でキャッシュを検索します。
パーティクル ディスク キャッシュがあるが、パーティクル ディスク キャッシュに格納されているものとは異なる状態を保存する場合は、パーティクル ディスク キャッシュの使用(Use Particle Disk Cache)をオフに切り替えてからファイルを保存してください。パーティクル ディスク キャッシュの使用をオフに切り替えないと、使用しないように指定するまで、そのキャッシュを使用してディスク キャッシュ内にあるものが保存されます。