プラグイン モジュールを作成すれば、ネットワーク上の任意の場所またはローカルに保存できるプラグインの配布可能インストールを作成できるようになります。これにより、場所を管理するために Maya インストールやその他のハードにファイルを書き込む必要がなくなります。モジュール
ファイルを使用することで、インストールされている数多くのプラグインの場所を別のスクリプト フォルダに変えるなど、モジュールの配布を簡単に変更できるようになります。
Maya では、複数のバージョンのプラグインをインストールしたり、OS、Maya のバージョン、および言語設定に基づいて異なるバージョンをロードしたりすることができます。
モジュール フォルダの構造
モジュール ファイルでは、モジュールの場所を指定します。場所は、読み取られる .mod ファイルの場所を基準としたパス、または絶対パスで指定できます。
モジュール フォルダの構造を上書きするには、次の構文を使用します。<オーバーライドするフォルダ>: <このフォルダの新しい場所>
たとえば、モジュールのスクリプト フォルダの新しい場所を指定するには、次の行を追加します。
scripts:../commonModuleFiles/scripts
この方法は、モジュール間でスクリプト/アイコン/プリセット ファイルを共有する場合に役に立ちます。
重要:スクリプト フォルダのパスを指定する場合は、scripts: の後にスペースを付ける必要があります(例: scripts: c:¥myScripts)。
例
モジュールおよびスクリプト ファイルの場所
- C:¥CustomModule¥Modules¥win64
- C:¥CustomModule¥Modules¥win32
- C:¥CustomModule¥Modules¥mac
- C:¥CustomModule¥CommonFiles¥scripts
.mod ファイルの場所
- C:¥ModulesMOD¥CustomModule.mod
.mod ファイルには次の行が含まれています。
+ PLATFORM:win64 CustomModule 3.10.5 ..¥CustomModule¥Modules¥win64
scripts: ..¥..¥CommonFiles¥scripts
最初の行では、.mod ファイルの場所(C:¥ModulesMOD¥CustomModule.mod)を基準にしてモジュールの場所を指定する相対パスが使用されています。次の行では、モジュールの場所(..¥CustomModule¥Modules¥win64)を基準にしてスクリプト フォルダの場所を指定する相対パスが使用されています。
モジュール フォルダのサブフォルダ
既定では、Maya はモジュール内に含まれるすべてのサブフォルダを無視します。Maya がモジュールのサブフォルダを無視しないようにするには、[r] キーワードを使用してそのフォルダの再帰的動作を要求する必要があります。次のように指定します。
[r] scripts: ..\..\CommonFiles\scripts
.フォルダ(すなわちドットで始まるフォルダ、別名隠しフォルダ)は、[r] キーワードが設定されていても無視されます。このフォルダは再帰的にパースされることはなく、検索パスとして Maya に追加されることもありません。
注: このフラグは、Extension for Maya 2013 でのみ使用できます。
モジュールのロードのための条件を指定する
モジュールをロードする条件を指定できます。次の条件の中から選択します。
サポートされている OS 条件は次のとおりです。
- プラットホーム: win32
- プラットホーム: win64
- プラットホーム: mac
- プラットホーム: linux
システム ロケールについては、次の条件がサポートされています。
- LOCALE:en_US (英語(米国))
- LOCALE:ja_JP (日本語)
- LOCALE:zh_CN (簡体字中国語)
Maya のバージョンを指定するには、MAYAVERSION: を使用します。
重要:条件は、+ とモジュール名の間に指定する必要があります。
例
+ MAYAVERSION:2013 PLATFORM:win64 LOCALE:ja_JP CustomModule 3.10.5 ..¥CustomModule¥Modules¥win64
この例では、Maya のバージョンが 2013、OS が 64 ビット Windows、システム ロケール設定が日本語の場合にのみ、CustomModule プラグインがロードされます。
環境変数
カスタム環境変数を設定するには、次の構文を使用します。
MYVAR=MYVALUE
モジュールの場所を基準とした値を使用して環境変数を指定することもできます。その場合は「:=」構文を使用します。
例
前述の例で、PYTHONPATH を C:¥CustomModule¥Modules¥win64¥python に設定する必要がある場合は、次のように設定するだけです。
PYTHONPATH:=python
変数の現在値にアペンドする
変数の現在値にアペンドするには、+ または : 演算子を使用します。次に例を示します。
PATH += c:/myModule/bin と設定すると、環境変数 PATH の現在値に c:/myModule/bin が追加されます。
PATH +:= bin と設定すると、環境変数 PATH の現在値に ;「モジュールの場所」/bin が追加されます。
モジュール パスを取得する
モジュール パスを照会するには、次のように MEL コマンド getModulePath を使用します。
getModulePath –moduleName “MyModule”
この照会によって次の値が返されます。c:¥MyModule
既知の制限事項
次のフォルダ タイプは、リーガル モジュール リソース パスとしてサポートされていません。モジュール システムでは、名前に次の拡張子が付いたフォルダは無視されます。
- .so
- .mll
- .bundle
- .py
- .dll
- .framework
- .plugin
- .plist
- .app
- .pkg
- .rtfd
- .download
- .sparsebundle