ヘアセグメントのストレッチ

 
 
 

通常、ヘア セグメントは固定長ですが、[可変長]モードでは、ヘアセグメントの動作を一時的に変更して可変長にすることができます。可変長モードでヘアをスタイリングまたはアニメートすると、ヘアの束がセグメント長の固定された IK チェインよりもカーブらしく動きます。

   

ガイド ヘアの先端を選択し、一方向に移動した状態

ガイド ヘアの先端を選択し、[可変長]モードで同一方向に移動した状態

[可変長]モードでは、さまざまなデフォーメーションや変換を使用してヘアをスタイリングできます。その後でヘアをリサンプルすると、髪束の全長にわたって各ヘア セグメントが均等になるように近似され、シェイプがスムーズになります。リサンプル後、ヘアにダイナミクスを適用してアニメートすることができます(次のセクション「[可変長]モードでヘアをスタイリングする」を参照)。

注:ダイナミクスをヘアに適用してからリサンプルすると、ヘアの「伸びた」セグメントは、最も近い被コンストレイント位置に戻ります(つまり、髪束に対して IK が解決されます)。

[可変長]モードでは、アニメートされたデフォーメーション(たとえばラティスやエンベロープ)によってヘアのシェイプがどのように変化したかに応じて、各ヘア セグメントの長さを変更できます。[可変長]モードでヘアをアニメートすると、ヘアがデフォーム中に多少縮んでしまうという問題を緩和できます(「[可変長]モードでデフォーメーションを使用してヘアをアニメートする」を参照)。

[可変長]モードでヘアをスタイリングする

[可変長]モードでは、任意のデフォーメーションや変換を使用してヘアをスタイリングできます。スタイリングで[可変長]モードとプロポーショナル モデリングまたはブラシ ツールを併用すると、有機的な方法でヘアを効果的にスタイリングすることができます。さらに、この方法でヘアの長さをすばやく変更することも可能です。

スタイルが希望どおりのものになったら、ヘアをリサンプルしてヘア セグメントを再び均等にする必要があります。その後、[可変長]モードをオフにし、ダイナミクスを適用してヘアをアニメートすることができます。

[可変長]モードでヘアをスタイリングするには

  1. スタイリングするヘアのポイントまたは先端を選択します。

  2. 次のいずれかを実行して、[可変長]モードを有効にします。

    • [ヘア]ツールバーの下部にある[可変長](Stretchy)ボタンをクリックします。

      または

    • [ヘア]プロパティ エディタで、[一般]タブの[ヘア生成]ボックスの[ヘアのセグメントをストレッチ可能](Allow Stretching of Hair Segments)を選択します。これにより、[可変長]ボタンが有効になります。

  3. デフォーム オペレータまたは変換のいずれかを使用して、ヘアをスタイリングします。

    髪束が IK 動作を伴わずにあたかもリニア カーブであるかのように動作する点に注意してください。

  4. ヘアをスタイリングした後、[長さ](Length) [伸びたヘアをリサンプル](Resample Stretched Hairs)を選択してヘアを再サンプリングします。

    この操作を行うと、ガイド ヘアがリサンプルされ、シェイプを可能な限り近似して、15 のヘア セグメントをガイド ヘアの全長に沿って一様に分配することができます。リサンプルにより、アニメーションでのデフォーメーションが向上し、正確なダイナミクス シミュレーションが得られます。

    リサンプルは選択内容に基づいて動作するため、選択されている髪束のうち、[可変長]モードでスタイリングしたものだけがリサンプルされます。

       

    リサンプル前に、ヘア ポイントを[可変長]モードで移動した状態

    リサンプル後のヘア

  5. 可変長モードを非アクティブにするには、[可変長](Stretchy)ボタンをクリックし、その下にある[固定]ボタンをクリックします。[固定](Fix)をクリックすると、ヘアも自動的にリサンプルされます。

[可変長]モードでデフォーメーションを使用してヘアをアニメートする

エンベロープやラティスなどのデフォーメーション オペレータを使用してヘアをアニメートすると、デフォーメーションの結果、ヘアが縮れる場合があります。原因はデフォーメーションによってヘアの圧縮が試みられたためで、ヘア セグメントが固定長だからではありません。ただし、ヘアを[可変長]モードでアニメートすると、ヘア セグメントを縮れなしに伸縮できます。

   

ラティスによってデフォームされたヘア

[可変長]モードでラティスによってデフォームされたヘア

可変長モードをアクティブにすると、デフォーメーションオペレータは、このモードで実行する必要のあることを示す<[stretchy]>フラグを受け取ります。このフラグは、Explorer ではヘアのオペレータ スタック内に表示されます(左図を参照)。

ヒント:ヘアをアニメートするときに適切にデフォームされるようにするには、必ずデフォーメーション オペレータで[可変長]モードを有効にしてください。

[可変長]モードでヘアをアニメートして新規にデフォーメーションを作成するには

  1. [ヘア]ツールバーの下部にある[可変長](Stretchy)ボタンをクリックします。

  2. デフォーメーション(ラティスやエンベロープなど)をヘアに適用します。

    デフォーメーションをアニメートすると、ヘアはデフォーメーションの大きさに合わせて伸縮します。

既存のデフォーメーションに対して[可変長]モードを切り替えるには

デフォーメーションがすでにヘアに適用されている場合は、以下の操作を行います。

  1. Explorer で、デフォーメーション オペレータを選択します。

  2. [可変長](Stretchy)ボタンをクリックします。すると、[可変長]モードと非可変長モードの間でデフォーメーション オペレータの状態が切り替わります。