Shading Models(シェーディング モデル)

 
 
 

シェーディングモデルでは、ライティング条件が異なった場合に、オブジェクトのサーフェイスがどのように表示されるかが定義されます。シェーディングの計算にはいくつかの数学モデルが使用されます。各シェーディングモデルでは、サーフェイス法線の光源に対するリレーションを処理して、特定のシェーディングエフェクトが作成されます。

Phong

アンビエント、ディフューズ、スペキュラカラーが使用されます。サーフェイス法線の方向を読み取って法線間を補間し、スムーズなシェーディングを作成します。また、法線、ライト、カメラの視点間のリレーションを処理してスペキュラハイライトも作成します。

その結果、サーフェイス上にイルミネーションのディフューズエリアおよびアンビエントエリアがあり、スペキュラハイライトのあるオブジェクトが作成されます。これにより、オブジェクトはビリヤードの球やプラスチックのように光って見えます。[Phong]シェーダでシェーディングされたオブジェクトには、反射、透明度、屈折およびテクスチャを適用することができます。

Lambert

[Lambert]シェーディングモデルでは、アンビエントカラーおよびディフューズカラーを使用して、スペキュラハイライトのないマットなサーフェイスが作成されます。隣接するサーフェイス三角形の法線が補間され、シェーディングが連続して変化するマットなサーフェイスが作成されます。

その結果、卵やピンポン玉のように、スムースシェーディングされたオブジェクトができ上がります。[Lambert]シェーダでシェーディングされたオブジェクトに、反射、透明度、屈折およびテクスチャを適用することができます。

Blinn

[Blinn]シェーディングモデルでは、スペキュラハイライトの計算にディフューズ、アンビエント、スペキュラカラー、および屈折率が使用されます。このシェーディングモデルは、[Phong]シェーディングモデルとほとんど同じ結果になります。ただし、カメラとライト間の入射角が高い場合には、スペキュラハイライトのシェイプに実際のライティングがより正確に反映されます。

このシェーディングモデルは、粗いエッジや鋭いエッジの場合、およびメタルサーフェイスをシミュレートする場合に便利です。スペキュラハイライトも、[Phong]モデルよりも明るく表示されます。[Blinn]シェーダでシェーディングされたオブジェクトには、反射、透明度、屈折およびテクスチャを適用することができます。

Cook-Torrance

[Cook-Torrance]シェーディングモデルでは、スペキュラハイライトの計算にディフューズ、アンビエント、スペキュラカラー、および屈折率が使用されます。サーフェイス法線の方向を読み取って法線間を補間することで、スムーズなシェーディングを作成します。また、法線、ライト、カメラの視点間のリレーションを処理してスペキュラハイライトも作成します。

このシェーディングモデルでは、[Blinn]シェーディングモデルと[Lambert]シェーディングモデルの中間のような結果が生成されます。革のように、滑らかで反射性のあるオブジェクトをシミュレートする場合に便利です。[Cook-Torrance]シェーダでシェーディングされたオブジェクトには、反射、透明度、屈折およびテクスチャを適用することができます。

このシェーディングモデルは計算が複雑なため、他のシェーディングモデルよりもレンダリングに時間がかかります。

Strauss

金属サーフェイスのシミュレートにディフューズカラーのみを使用します。サーフェイスのスペキュラは、[スムーズさ]および[金属性]のパラメータで定義されます。このパラメータでディフューズのスペキュラ比率、反射、ハイライトが制御されます。

[Strauss]シェーダでシェーディングされたオブジェクトには、反射、透明度、屈折およびテクスチャを適用することができます。

異方性

ワード」とも呼ばれるこのシェーディングモデルでは、アンビエント、ディフューズ、およびグロッシーカラーが使用され、光沢のあるサーフェイスがシミュレートされます。「ブラシ加工」エフェクト、つまりブラシ加工されたアルミニウムなどを作成するには、オブジェクトのサーフェイスの方向に基づいてスペキュラカラーの方向を定義します。スペキュラは、UV座標を使用して計算されます。

[異方性]シェーダでシェーディングされたオブジェクトには、反射、透明度、屈折およびテクスチャを適用することができます。

コンスタント

ディフューズカラーのみが使用されます。この場合、サーフェイス法線の方向は無視されます。すべてのオブジェクトのサーフェイス三角形は同じ方向性を持ち、ライトからの距離も等しいとみなされます。

紙の切り抜きのように、サーフェイスにシェーディングがまったくないように見えるオブジェクトが生成されます。これは、スタティックブラーを追加してスペキュラまたは環境光がまったくないオブジェクトにしたい場合に有効です。また、テクスチャの定義に影響する属性がないため、テクスチャの作業にも適しています。