オブジェクトを回転させる
 
 
 

回転はオブジェクトの向きを変更します。3 つの回転角度を組み合わせることで、考えられるすべての向きを設定できます。つまり、X 軸、Y 軸、Z 軸を軸とする回転です。いくつかの回転モードでは、回転の軸と中心をコントロールできます。

オブジェクトを回転させるには

  1. 回転させるオブジェクトを選択します。

  2. 次のいずれかの方法で[回転ツール]をアクティブにします。

    • [C]キーを押します。

      または

    • [Transform]パネル上の[r]ボタンをクリックします。

  3. 必要に応じて、次のオプションを変更します。

    • 回転モードは回転軸をコントロールします。最後に使用したモードが自動的にアクティブになります。各モードの詳細については、「回転モード」を参照してください。

    • 特定の軸に対する回転を制限することができます。「軸を指定する」を参照してください。

    • [COG]を有効にしてジオメトリのセンターを中心に回転させることができます。

      あるいは、ピボットを手動で設定します(「ピボットの設定」を参照)。

  4. 3D ビューでマウスを使用してオブジェクトを回転させます。

    • SRT マニピュレータを使用している場合は、表示されている変換軸のどの部分(ハンドル)をクリック アンド ドラッグするかでオブジェクトの回転が変わります。

      [SRT]マニピュレータの詳細については、「SRT マニピュレータを使用してインタラクティブに変換する」を参照してください。[回転]マニピュレータの詳細については、「[回転]マニピュレータを使用する」を参照してください。

    • SRT マニピュレータを使用していない場合は、3D ビューの任意の場所でクリック アンド ドラッグします。

      左、中央、右の各マウス ボタンの機能は、ツール、モード、およびその他のオプションによって異なります。メイン ウィンドウ下部の「マウス/ステータス」ラインで確認してください。また、複数のマウス ボタンを同時に押しながらドラッグすることもできます。

回転モード

回転モードは、回転の軸と中心をコントロールします。[回転ツール]が有効な場合は、[変換]パネルの SRT ボックスの下にあるボタンを使用してモードを設定できます。また、「ピボットの設定」の説明に従って、ピボットを設定して回転の中心を変更することもできます。

回転モード

グローバル

グローバル回転では、オブジェクトの現在の向きに関係なくグローバル軸の 1 つが使用されます。

ローカル

ローカル回転では、オブジェクトの軸の 1 つが使用されます。

ビュー

ビュー回転では、オブジェクトを操作している 3D ビューの表示プレーンに対して鉛直な軸が使用されます。

注:[カメラ]や[ユーザ]のようなパースペクティブ ビューで[SRT]マニピュレータを使用している場合は、[ビュー]モードでグローバル シーンの軸が使用されます。[回転]マニピュレータを使用している場合は、マニピュレータのシルエットをクリックおよびドラッグすることで、あらゆる操作モード([加算]は除く)で[ビュー]回転を実行できます。

Add(追加)

[加算]モードでは、その親を基準にして保存されたオブジェクトのローカル X、Y、Z 回転を直接コントロールできます。このモードは、階層内のボーンやその他のオブジェクトをアニメートする際に特に役立ちます。

これは、操作の軸がオブジェクトのローカル向きの座標と完全に一致する、アニメーションに使用できる唯一のモードです。[変換]パネルで軸を個別にアクティブにすると、各軸に対応するローカル位置のパラメータが自動的にマークされます。

[親]モードでは、オブジェクトの親の軸の 1 つが使用されます。[親]モードを使用するには、[加算]を有効にして[Ctrl]キーを押しながら回転させます。

参照

[参照]モードでは、別のエレメントや任意のリファレンス プレーンの X、Y、Z 軸を使用してオブジェクトを回転します。詳細については、「リファレンス プレーンの概要」を参照してください。

プレーン

[プレーン]モードでは、別のエレメントや任意のリファレンスプレーンの 1 つの軸(既定では Y 軸)を使用してオブジェクトを回転させることができます。詳細については、「リファレンス プレーンの概要」を参照してください。

[回転]マニピュレータを使用する

[SRT]マニピュレータを使用して回転を行う場合は、5 つのハンドルをクリック アンド ドラッグに使用できます。

A

1 つのリング上でクリック アンド ドラッグすると、その軸の周りを回転することができます。

有効軸を単一軸から XYZ の全軸に切り替えるには(またはその逆を実行するには)、軸をダブルクリックします。単一軸の有効/無効を切り替えるには[Shift]キーを押しながらダブルクリックします([変換設定]の[ツール]タブで[ダブルクリックでの有効軸のトグルが可能]がオンの場合)。

B

シルエット上でクリック アンド ドラッグすると、表示軸の周りを回転することができます。この操作は[加算]モードでは使用できません。

C

ボール上でクリック アンド ドラッグすると、自由に回転することができます。この操作は[加算]モードでは使用できません。

ハンドルをドラッグする操作のほか、以下の操作が可能です。

  • 3D ビューの任意の場所においてマウスの中央ボタンでクリック アンド ドラッグすると、ドラッグする方向に最も近い軸を中心に回転させることができます。

  • 3Dビューの任意の場所(マニピュレータを除く)をクリックしてドラッグし、[Tools] [Transform]設定の[Click Outside Manipulator]の設定に応じて異なるアクションを実行します。「マニピュレータの外側をクリックしたときの動作を選択するには」を参照してください。

  • 右クリックしてコンテキストメニューを開き、操作モードおよび他のオプションを設定することができます。[変換設定][マニピュレータの外側をクリック](Click Outside Manipulator)[選択ツール](Select Tool)または[SI|3D スタイル変換](SI|3D-style Transform)に設定されている場合は、マニピュレータを直接右クリックする必要があります。理由は、これらのオプションでは、マウスの右ボタンを使用して他のアクションを実行するためです。それ以外の場合は、任意の場所を右クリックしてコンテキスト メニューを表示することができます。再度右クリックすると、項目を選択することなくメニューが終了します。

[SRT]マニピュレータを使用する一般的な方法については、「SRT マニピュレータを使用してインタラクティブに変換する」を参照してください。

回転の中心を設定する

オブジェクトの回転の中心は、いくつかの選択肢から選べます。

  • 既定では、オブジェクト ピボットが回転の中心になります。オブジェクト ピボットは通常、オブジェクトのセンターと同じですが、「オブジェクト ピボットを使って作業する」の説明に従って変更もアニメートも可能です。

  • オブジェクトの[ローカル変換]プロパティ エディタの[ピボット]タブで[ピボットコントロール]の[アクティブ](Pivot Control - Active)がオフになっている場合は、回転の中心はセンター ピボットではなくオブジェクトのセンターになります。通常、オブジェクトのセンターはそのジオメトリの中央に配置されます。だだし、特に変換をフリーズしたり、センターを直接操作したりする場合など、一部例外もあります。これは、オブジェクトがどのように回転するかに影響します。

       
  • [リファレンス](Ref)モードでは、オブジェクトはリファレンス フレームの原点を中心に回転します。[リファレンス]モードは、オブジェクトのセンターおよびオブジェクト ピボットに優先します。詳細については、「リファレンス プレーンの概要」を参照してください。

  • [変換]パネルの[COG]をオンにしている場合、オブジェクトはジオメトリのセンター(すべてのポイントの平均位置)を中心に回転します。また、[COG]を使用すると、共通のジオメトリ センターを中心に複数のオブジェクトを回転させることができます。[COG]オプションは、[リファレンス]モード、オブジェクト センター、およびセンター ピボットに優先します。

    COG モードでは、複数のオブジェクトはジオメトリのセンターを基準にして変換されます。たとえば、オブジェクトを複数選択して、共通のセンターを中心にオブジェクトを回転させられます。

  • ピボットの設定」の説明に従ってインタラクティブな回転の中心を一時的に変更することができます。ツール ピボットは、他のすべてのスケーリングの中心に優先します。

回転に制限を加える

ローカル空間内のオブジェクトの回転の最大角度と最小角度を設定できます。たとえば、頭部のモデルとして使用する球には、現在位置から左右に 45 度以内で回転するよう指定できます。回転を制限することで、球が不自然な動きをするのを防ぐことができます。

オブジェクトの回転を制限するには

  1. オブジェクトの[キネマティクス]プロパティ エディタを開きます。詳細については、「 [キネマティクス]プロパティ エディタ」を参照してください。

  2. [回転 制限]タブをクリックします([ローカル変換](Local Transform)ページ)。

  3. オブジェクトの X、Y、Z 軸の[最大]/[最小]回転ボックスを選びます。

  4. チェックボックスを切り替えるたびに、対応するコントロールが表示され、その軸の最小回転角度と最大回転角度を設定できます。

    注:これらのオプションは、独自の回転制限を持つキネマティック チェイン エレメントには影響しません。詳細については、「回転制限の設定」(「キャラクタ アニメーション」)を参照してください。

回転順序を設定する

オブジェクトをその親の X、Y、Z 軸のどれを中心に回転させるのか、順序を設定することができます。たとえば、キャラクタ リグの設定時に発生するジンバル ロックのコントロールなどに役立ちます。ルートを最初のボーンに位置揃えし、ボーンの回転順序を ZXY または YXZ に設定した場合は、ジンバル ロックが生じる真ん中の回転が、使用頻度の最も低い回転となります(つまり、ボーンの長さ方向に沿ってねじれます)。

回転順序の設定はほかの状況でも役立ちます。たとえば、従来の映画撮影用カメラのような動作をする独自のカメラ設定を実装すると仮定します。この場合、ZXY の回転順序がパン、チルト、ロールの正しい順序に対応します。このカメラ設定は、機械的に正しい位置でジンバル ロックを起こします。90 度上または下にチルトした場合です。パンやロールでも同じ結果になります。

回転順序を設定するには

  1. オブジェクトの[キネマティクス]プロパティ エディタを開きます。詳細については、「 [キネマティクス]プロパティ エディタ」を参照してください。

  2. [ローカル変換](Local Transform)ページの[SRT]タブで、[Rotation Order]を設定します。

アニメーションと回転

ここでは、オブジェクトの回転値をアニメートする場合の留意事項をいくつか挙げます。

  • 最良の結果を得るために、[加算]モードでオブジェクトを操作してください。[加算]モードでは、保存されているローカル オイラー回転が直接反映され、再生時に発生する可能性のあるジンバル ロックなどの潜在的な問題に対応できます。

  • 必要であれば、オイラー値をキー設定する代わりにクォータニオン キーを使用します。クォータニオンは、ジンバル ロックのような問題を解決するほか、ポーズ間のよりスムーズで直接的な補間を可能にします。

詳細については、「回転をアニメートする」(「アニメーション」)を参照してください。