オブジェクト サーフェイスをペイントする
 
 
 

トゥーン シェーダのペイント属性は、いくつかの異なる領域に分かれています。あるペイント属性の上に別のペイント属性をペイントすることで、オブジェクトのサーフェイス シェーディングが作成されます。トゥーン シェーダが適用されたオブジェクトはそれぞれ、ベース カラーで始まります。さらに、ハイライトおよびリムライトをさまざまに組み合わせて追加することで、無数のサーフェイス シェーディング エフェクトを作成できるようになります。ペイント領域にはそれぞれ、ペイント後のオブジェクトの全体的な外観に追加される異なるシェーディング エフェクトが作成されます。

シャドウ(A)、ディフューズ ハイライト(B)、光沢ハイライト(C)、リムライト(D)。

これらのペイント領域の一部または全部を使用してオブジェクトをシェーディングするには、Toon Paint and Host マテリアル シェーダを適用します。代わりに、トゥーン ペイント ユーティリティ シェーダ(「トゥーン ユーティリティ シェーダ」を参照)を使用して、オブジェクトをシェーディングするには、これらの領域の 1 つをベース カラーでペイントします。

オブジェクト サーフェイス上にペイントを作成するには

  1. カートゥーン スタイルのサーフェイス シェーディングでレンダリングするオブジェクト(複数可)を選択します。

  2. [Render]ツールバーの[取得](Get) [マテリアル](Material)メニューで、以下のシェイプのいずれかを選択します。

    • [トゥーン](Toon)を選択すると、Toon Paint and Host シェーダが選択内容に適用されます。このシェーダを使用すると、選択したオブジェクト用の全てのペイント属性およびローカル インク属性をコントロールできます。

      または

    • [シンプルトゥーン ペイント](Simple Toon Paint)を選択すると、トゥーン ペイント シェーダが選択オブジェクトに適用されます。このシェーダを使用した場合、選択されたオブジェクトのペイント属性のみをコントロールできます。

      または

    • 他の単純なトゥーン シェーダ(Toon Paint Ambient、Toon Paint Rounded など)のいずれかを選択します。これらはユーティリティ シェーダとみなされていますが、これらのシェーダを使用して、選択されたオブジェクトに 1 つのトゥーン ペイント属性およびベース カラーを与えることができます。

合成(転送)モード

オブジェクトにさまざまなペイント レイヤを追加するには、あるペイント レイヤの上に別のペイント レイヤをペイントします。ベース カラーの上にハイライトをペイントし、ハイライトの上にリムライトをペイントして、という具合です。2 つのレイヤの結合方法は、合成モードによって決定されます。

以下のモードが使用できます。

モード

結果

法線

前景を使用します。これは、既定の転送モードです。

Add(追加)

前景を背景に加算します。背景が黒色の場合、前景が不可視になります。

このモードは、前景が発光して見えるように合成する場合に役立ちます。

乗算

前景に背景を乗算します。

結果は常に元の前景または背景よりも暗い色になります。2 枚の OHP シートを重ねて 1 つのプロジェクタで投影するのと同様です。

スクリーン

2 つのカラー値の逆数を乗算します。

結果として得られる前景は、元の前景または背景よりも高輝度になります。

Overlay(オーバーレイ)

背景の値によって、乗算またはスクリーニングします。

結果的に、背景が前景で置き換わらずに、背景は元の背景値でウェイト付けされているときは前景とミックスされます。

比較(明)

前景と背景の値を比較して、2 つのうちから明度が高い方を選択します。

結果的に、前景には何も影響せず、背景を明るくします。

比較(暗)

前景と背景の値を比較して、2 つのうちから明度が低い方を選択します。

結果的に、前景には何も影響せず、背景を暗くします。

背景から前景を減算して、反転色のエフェクトを生じさせます。

色相

背景の輝度と彩度、および前景の色相を使用します。

彩度

背景の色相と輝度、および前景の彩度を使用します。

背景の色相と彩度、および前景の輝度を使用します。

ソフト ボディ

前景の値が 50% グレーより大きい/小さい場合、背景が前景によって明るく/暗くなります。

結果は、イメージにディフューズ ライトを照射した場合と同様です。

ハード ライト

前景の値が 50% グレーより大きい/小さい場合、背景が前景によってスクリーン/乗算の効果を得ます。

結果は、オブジェクトに強烈なライトを照射した場合と同様です。

除外

差モードと同じではありませんが類似しています。

ベースカラーの設定

トゥーン シェーダが適用されたオブジェクトはそれぞれ、ベース カラーを持ちます。ハイライト、リムライトまたはインクなど、以降のレイヤはこのベース レイヤの上にペイントされます。

オブジェクトのベース カラーが設定されています。

アンビエンスをアクティブにすると、シーンのアンビエンス値を使用してオブジェクトのカラーが変更されます。この例では、シーンのアンビエンス値を既定の RGB 値(0.2, 0.2, 0.2)に設定してあります。

アンビエンスはシャドウに対してのみ有効です。つまり、シーンのどの光源からも隠れた領域のみが、アンビエンスの影響を受けます。

ベース カラーを設定するには

次の手順は、オブジェクトに Toon Paint and Host マテリアル シェーダが適用されていることを前提にしたものですが、Toon Paint シェーダおよび Toon Paint Highlight シェーダの両方にも同じハイライト コントロールが存在しています。

  1. トゥーン シェーダが適用されているオブジェクトのうち、作成するハイライトが適用されているものを選択します。

  2. [Render]ツールバーから[修正](Modify) [シェーダ](Shader)を選択し、オブジェクトのトゥーンマテリアルシェーダを編集します。[Toon_Paint_and_Host]プロパティ エディタが開きます。

  3. [ベース]タブで、ベース カラーを設定します。このベース カラーの上には、ハイライトやリムライトのような他のペイント属性がペイントされます。

  4. 必要な場合は、[アンビエンス](Ambience)をアクティブにして、シーン アンビエンスを使用してベース カラーを調整します。

  5. 必要に応じてアンビエンスパラメータを調整します。

    • [量](Amount): シーンのアンビエンスがベース カラーに与える影響の度合いをコントロールします。

    • [合成](Compositing): ベース サーフェイス カラーにどのようにアンビエンス カラーを組み合わせるかを指定します。「 合成(転送)モード」に記載されている転送モードの 1 つを選択します。

    • [シャドウのみ](Shadows Only): 有効な場合は、どの光源からも隠れたサーフェイス領域にのみアンビエンスが適用されます。

  6. レンダ領域ツールがまだアクティブになっていない場合は、[Q]キーを押してアクティブにし、ビューポートで領域を描いてベース カラーの見え方を確認します。

ハイライトを追加する

トゥーン シェーダが適用されたオブジェクトに追加できるハイライトには、ディフューズと光沢の 2 種類があります。

  • ディフューズ ハイライトは、トゥーン シェーダの合成(転送)モードのいずれかを使用して、オブジェクトのベース カラーの上にペイントされるカラーの領域です。ハイライトの配置は、オブジェクトに影響を与えるライトにより決定されます。

  • 光沢ハイライトは、配置されている場所によって、ディフューズ ハイライトまたはベース カラーの上に、あるいはその両方の上にペイントされます。光沢ハイライトの配置は、ライトとオブジェクトを見ている位置からの角度の両方に左右されます。光沢ハイライトは、オブジェクトのスペキュラ ハイライトをシミュレートする場合に役立ちます。

ベース カラーのみを表示する元のイメージ。シャドウに何らかの定義を与えるには、シャドウに対してアンビエンスをアクティブにします。

白色のディフューズ ハイライトが、オブジェクトの各ベース カラーの上にペイントされ、オブジェクトに光が照射する位置に明るいスポットが作成されます。

このイメージの中には、白色の光沢ハイライトが追加されています。これにより、小さく明るいスペキュラタイプのハイライトを作成してディフューズ ハイライトの上にペイントすることができます。

ディフューズ ハイライトと光沢ハイライトの両方がソフトになり、オブジェクトのベース カラーとスムーズにブレンドできるようになります。

ハイライトを作成するには

次の手順は、オブジェクトに Toon Paint and Host マテリアル シェーダが適用されていることを前提にしたものですが、Toon Paint シェーダおよび Toon Paint Highlight シェーダの両方にも同じハイライト コントロールが存在しています。

  1. トゥーン シェーダが適用されているオブジェクトのうち、作成するハイライトが適用されているものを選択します。

  2. [Render]ツールバーから[修正](Modify) [シェーダ](Shader)を選択し、オブジェクトのトゥーンマテリアルシェーダを編集します。[Toon_Paint_and_Host]プロパティ エディタが開きます。

  3. [ハイライト]タブで、[ディフューズ]と[光沢]のいずれか一方、または両方を有効にします。

  4. 必要に応じて、どちらか一方または両方のタイプのハイライトに対して、次のパラメータを調整します。

    • [カラー](Color): ベース カラーの上にペイントされるハイライト カラーをコントロールします。アルファ値には、サーフェイス カラーに対するハイライトの割合を指定します。

    • [照度](Illuminance): ハイライトが適用されている領域内のオブジェクトのサーフェイス上で、ハイライト カラーにライト カラーが影響を与えるかどうかを指定します。このパラメータを無効にすると、ハイライト カラーがライト カラーの影響を受けません。

    • [合成](Compositing): ベースになるサーフェイス カラーにどのようにハイライト カラーを組み合わせるかを指定します。「 合成(転送)モード」に記載されている転送モードの 1 つを選択します。

    • [適用範囲](Coverage): ベース カラーがハイライトで覆われる割合をコントロールします。

    • [ぼかし](Softness): ハイライトのエッジをソフトにします。1 に設定すると全体がぼやけたハイライトになります。

  5. レンダ領域ツールがまだアクティブになっていない場合は、[Q]キーを押してアクティブにし、ビューポートで領域を描いてハイライトの見え方を確認します。

リムライトを追加する

リムライトは、トゥーン シェーダが適用されたオブジェクトのベース カラーの上にペイントされるカラーの領域です(ハイライトと少し似ています)。リムライトのサーフェイス上の位置は、シーン内のライトとはまったく関係ありません。代わりに、入射ベクトルに対するサーフェイスの関係に基づいて決定されます。

ベース カラーのみを表示する元のイメージ。シャドウに何らかの定義を与えるには、シャドウに対してアンビエンスをアクティブにします。

白色のリムライトが、オブジェクトの各ベース カラーの上にペイントされ、オブジェクトのエッジに明るいスポットが作成されます。リムライトは、既定の(カメラ)入射ベクトルに基づいて計算されます。

[反転]オプションが無効な場合、オブジェクトのエッジではなく中央部分にリムライトがペイントされます。

2 番目のセットのリムライトがアクティブになり、オブジェクトの中央部分にペイントされます。

ハイライトと同様、リムライトのぼかしは調整可能です。既定では、リムライトは多少ソフトになりますが、この例では、両方のリムライトのぼかしを 0 に設定して、明確に定義されたエッジを生成するため、減衰はありません。

リムライトを作成するには

次の手順は、オブジェクトに Toon Paint and Host マテリアル シェーダが適用されていることを前提にしたものですが、Toon Paint シェーダおよび Toon Paint Rimlight シェーダの両方にも同じハイライト コントロールが存在しています。

  1. トゥーン シェーダが適用されているオブジェクトのうち、作成するハイライトが適用されているものを選択します。

  2. [Render]ツールバーから[修正](Modify) [シェーダ](Shader)を選択し、オブジェクトのトゥーンマテリアルシェーダを編集します。[Toon_Paint_and_Host]プロパティ エディタが開きます。

  3. [リムライト]タブで、一方または両方のリムライトをアクティブにします。

  4. 必要に応じて、リムライトに対して次のパラメータを調整します。

    • [オーダー](Order): リムライトをハイライトの上にペイントするか、または下にペイントするかを指定します。

    • [カラー](Color): ベース カラーおよびハイライトの上にペイントされるリムライト カラー。アルファ値には、サーフェイス カラーに対するリムライトの割合を指定します。

    • [合成](Compositing): ベースになるサーフェイス カラーにどのようにリムライト カラーを組み合わせるかを指定します。「 合成(転送)モード」に記載されている転送モードの 1 つを選択します。

    • [適用範囲](Coverage): ベース カラーがリムライトで覆われる割合。値が 0 の場合は、リムライトをペイントしません。値が 1 の場合は、半球の全方面がリムライトで覆われます。

    • [ぼかし](Softness): リムライトのエッジをソフトにします。1 に設定すると全体がぼやけたリムライトになります。

    • [反転](Invert): リムライトの減衰プロファイルを反転させます。既定では、1 番目のリムライトを反転させますが、2 番目のリムライトは反転させません。

      カメラ入射ベクトル(既定)に基づいてリムライトを計算した場合、オブジェクトのエッジ部分は 1 番目のセットで彩色され、中央部分は 2 番目のセットで彩色されます。

    • [ベクトル](Vector): リムライト エフェクトは、該当のサーフェイスを指す入射ベクトルに依存します。

      通常これはカメラの方向そのものですが、その代わりに、ユーザ指定のベクトルやさまざまなプリセットも使用できます。

    • [空間](Space): 入射ベクトルの指定に使用される座標空間(ワールド, カメラ, オブジェクト)。

      カメラ座標系を選択すると、入射方向はカメラに相対的に計算されます(たとえば、「右上」はカメラの位置や方向に関係なく、レンダリングされたイメージの右上を指します)。

      ワールド座標を使用すると、エフェクトがそのグローバル方向に関係なくサーフェイス方向にロックされます。一方、オブジェクト座標を使用すると、サーフェイスと一緒にエフェクトが回転します。

    • [カスタムベクトル](Custom Vector): 3 次元(X, Y, Z)ベクトル。このベクトルは内部で自動的に正規化されます。

  5. レンダ領域ツールがまだアクティブになっていない場合は、[Q]キーを押してアクティブにし、ビューポートで領域を描いてハイライトの見え方を確認します。