ボリュームによってポイントを操作する
 
 
 

ボリューム デフォーメーションは、オブジェクトのポイントを移動する際に使用するモデリング ツールで、球状のコントロール オブジェクトで構成されます。センターからのプロポーショナル減衰が適用されているコントロール オブジェクト内のポイントのみが影響を受けます。

   

クラスタに適用されるボリューム デフォーマのスケーリング

ボリューム デフォーメーションの概要

ボリューム デフォーメーションには以下の 2 つのパートがあります。

  • ボリュームデフォーム オブジェクト(ボリューム デフォーマ)はジオメトリ オブジェクトのデフォームに使用するコントロール オブジェクトです。3D ビューでは、小さなネジがある球状のアイコンで表されます。球状ボリュームの内側に存在するポイントはデフォーメーションの影響を受けます。

  • プロポーショナルボリュームオペレータは、ボリュームデフォーマをアタッチして変換する際に、ジオメトリオブジェクトに適用されます。

ボリューム デフォーメーションを使用する方法は 2 つあります。

  • モデリング ツールとして、ボリューム デフォーマのアタッチ、変換、デタッチ、他の場所への再アタッチ、再変換、繰り返しなどを行います。これにより、コンストラクション ヒストリに一連のプロポーショナル ボリューム オペレータが別途に追加されます。

  • アニメーション ツールとして、ボリューム デフォーマをアタッチし、変換をアニメートします。

ボリューム デフォーマ

ボリューム デフォーマは、デフォーム対象オブジェクトに作用するエリアを定義する球状のシェイプです。

ボリューム デフォーマを取得するには

  1. まず、必要に応じてデフォームするオブジェクト、クラスタ、またはポイントを選択します。コントロール オブジェクトは自動的に選択しているエレメントにアタッチされます。

  2. 任意のツールバーから[取得](Get) [プリミティブ](Primitive) [コントロール オブジェクト](Control Object) [ボリュームデフォーム](Volume Deform)を選択します。ボリューム デフォーマがシーンに追加されます。

    • ジオメトリック エレメントが選択されている場合は、ボリューム デフォーマはこれらにアタッチされます。プロポーショナル ボリューム オペレータが自動的に適用され、そのプロパティ エディタが開きます。

    • ジオメトリック エレメントが選択されていない場合は、初期状態でボリューム デフォーマがどこにもアタッチされず、プロパティ エディタが代わりに開きます。

ボリューム デフォーマ プロパティを設定するには

ボリューム デフォーマのプロパティ エディタを開きます。これをすばやく実行するには、ボリューム デフォーマを選択し、[Enter]キーを押します。

  • [半径](Radius)は、ボリューム デフォーマの変換されないサイズをコントロールします。

  • [アタッチしたオブジェクトの記憶](Remember Attached Objects)は、ボリューム デフォーマをアタッチするときの実行内容をコントロールします。

    • オンにすると、同じエレメント(オブジェクトまたはデフォーマ)に、以前のデフォーメーションが適用されます。

    • オフにすると、コントロール オブジェクト内に表示されているすべてのジオメトリ オブジェクトにデフォーメーションが適用されます。

      デフォーメーション対象から除外する場合は、コントロール オブジェクトをアタッチする前にジオメトリ オブジェクトを非表示にしてください。代わりに、エレメントを手動でアタッチすることもできます。詳細については、「手動でジオメトリをアタッチする」を参照してください。

ボリューム デフォーメーションを適用する

ボリュームでデフォームするには、まずボリューム デフォーマを使用して影響を受けるボリュームを定義し、ボリューム デフォーメーション オペレータを適用します。

ボリューム デフォーマの変換をアニメートしてジオメトリのシェイプを変更する場合は、ボリューム デフォーマをアタッチした状態にしておきます。ボリューム デフォーマをデタッチする場合は、ボリューム デフォーマをモデリング ツールに使用します。ボリューム デフォーマでは、影響を受ける新しいボリュームを定義し、別のボリューム デフォーメーション オペレータを適用し、これを繰り返します。

ボリューム デフォーマをアタッチまたはデタッチするには

  • ボリューム デフォーマを選択し、以下のいずれかを実行します。

    • [Shift]+[V]キーを押します。

      または

    • [Model]ツールバーから [修正](Modify) [コンポーネント](Component) [ボリュームデフォームのアタッチ/デタッチ](Attach/Detach Volume Deform)を選択します。

    ボリューム デフォーマのアイコンが変わり、アタッチ/デタッチされたことを表します。アタッチすると、デフォーマの[アタッチしたオブジェクトの記憶]パラメータの値に基づいて、ジオメトリが影響を受けます。詳細については、「ボリューム デフォーマ プロパティを設定するには」を参照してください。

       

    デタッチ

    アタッチ

ボリューム デフォーメーションを適用するには

  1. ボリューム デフォーマがアタッチされていないことを確認してください。

  2. ボリューム デフォーム オブジェクトのサイズ、形状、および位置を調整し、影響するエリアを定義します。

    たとえば、半径の調整時と同じように、オブジェクトをスケール、回転、移動できます。デフォーマがアタッチされると、デフォーマはボリューム内のエリアのみに影響します。

ボリューム デフォーメーションを適用するには

  1. ボリューム デフォーム オブジェクトをアタッチします。

  2. ボリューム デフォーム コントロール オブジェクトをスケーリング、回転、および移動します。アタッチされたエレメントのボリューム内のポイントが、それに応じてデフォームされます。

    コンポーネント オブジェクトの変換を続行した場合は、新しいプロポーショナル ボリューム オペレータは適用されるのではなく、現在のオペレータが更新されます。減衰やその他のプロパティは調整可能です。詳細については、「現在(最後)のオペレータを修正するには」を参照してください。

  3. 終了したら、ボリューム デフォーム コントロール オブジェクトをデタッチし、すべての手順を繰り返し、オブジェクトを続けてスカルプトできます。

手動でジオメトリをアタッチする

ジオメトリック エレメントをボリューム デフォーム オブジェクトに手動でアタッチできます。たとえば、デフォーメーションを特定のクラスタに限定するのに役立ちます。

ジオメトリック エレメントをボリューム デフォーム オブジェクトに手動でアタッチするには

  1. 1 つまたは複数のオブジェクト、クラスタ、またはポイントを選択します。

  2. [モデル]ツールバーから[修正](Modify) [デフォーム](Deform) [ボリュームで](by Volume)を選択します。このコマンドは、[アニメート]および[シミュレート]ツールバーでも利用できます。

  3. ボリューム デフォーム コントロール オブジェクトを選択します。

    • コントロール オブジェクトがどこにもアタッチされていない場合は、選択したエレメントにアタッチされます。

    • コントロール オブジェクトがすでにアタッチされている場合は、選択したエレメントがアタッチされたジオメトリのリストに追加されます。

ボリューム デフォーム オペレータ オプションを設定する

ボリューム デフォーム オペレータは、デフォーメーションの強度や減衰などのパラメータをコントロールします。現在のオペレータを変更したり、シーン内で以降に使用するオペレータに既定の設定を用いたりできます。もちろん、以前に適用したオペレータのプロパティ エディタも、Explorer からいつでも開けます。

現在(最後)のオペレータを修正するには

  • [モデル]ツールバーから[修正](Modify) [コンポーネント](Component) [ボリュームデフォームのインスペクト](Inspect Volume Deform)を選択します。

以降のオペレータ用の設定を修正するには

  • [モデル]ツールバーから[修正](Modify) [コンポーネント](Component) [ボリュームデフォーム設定](Volume Deform Setup)を選択します。

パワー

[パワー](Power)は、デフォーム対象ポイントを変換時にどの程度ボリューム デフォーマのセンターに近づけるかをコントロールします。

  • [パワー]を 100 に設定すると、ポイントが正確にボリューム センターと一致します。

  • [パワー]を 50 に設定すると、ポイントはボリューム センターまで半分の位置に移動します。

  • [パワー]を 100 以上に設定すると、ポイントがボリューム センターを通り越します。

  • [パワー]を負の値に設定すると、ポイントは逆方向に移動します。

     

パワー = 100

パワー < 100

パワー > 100

減衰開始

[減衰開始](Start Damping)は、パワー最大時のデフォーメーションの半径と、減衰後の半径を定義します。値はボリューム デフォーマの半径に対する比率(パーセント)です。

  • 0 の値では、パワーが中央から減衰していきます。

  • 100 の値では、ボリューム内のポイントがフル パワーでデフォームされます。

  • 0 と 100 の間では、内側の球が減衰開始地点の半径を示します。

   

減衰開始 = 0

減衰開始 > 0

エンベロープ モード

[エンベロープモード]をオンにすると、ボリューム デフォーマの親に対して相対的にデフォーメーションが実行されます。このオプションは、たとえばエンベロープ デフォーマに関連付けられたボリューム デフォーマを使用して、盛り上がった筋肉を作成するような場合に役立ちます。ボリューム デフォーマは、親と共に移動してもエンベロープに影響しません。しかし、親と相対的に変換する場合には影響を受けます。

補間

[補間](Interpolation)はデフォーメーションの計算方法をコントロールします。

  • [リニア](Linear): 計算が高速になります。

  • [変換](Transform): 品質が向上します。特にボリューム デフォーマが回転する場合は効果があります。

減衰プロファイル

[減衰プロファイル](Falloff Profile)は、ダンプ開始(減衰開始)時の半径からボリューム デフォーマの最終半径に至るまで、パワーをどのように減衰させるかをコントロールします。アニメーション エディタの操作と同様に、プロファイル カーブはマウスやキーボード コマンドで編集できます。また、右クリックしてメニューを表示させることもできます。

   

ボリューム デフォーメーションをアニメートする

ボリューム デフォーマの変換をアニメートする方法でオブジェクトのデフォーメーションをアニメートする場合は、ボリューム デフォーマがアタッチされている状態にしておいてください。

パワーや減衰などのプロポーショナル ボリューム オペレータのプロパティをアニメートすることもできます。