mia_exposure_photographic
 
 
 

カテゴリ: mental ray > レンズ

シェーダ ファミリ: レンズ

出力: カラー

[関連 Softimageシェーダ](Related Softimage shader): Photographic Exposure(mia)(写真露出(mia))

このシェーダは実際のピクセル輝度(単位はカンデラ/平方メートル)をカメラで見られるようなイメージ ピクセルに変換するトーン マッパーです。露出用のカメラ関連のパラメータ(F ストップやシャッター速度など)が適用されます。また、フィルム エフェクトとカメラ エフェクトをエミュレートするトーン マッピングも適用されます。

このシェーダには次の 2 つの基本モードがあります。

フィルム スピード(ISO)パラメータが 0 以外の場合は写真モードが使用され、0 の場合は任意モードが使用されます。

名前(Name)

シェーダの名前。任意の名前を入力するか、デフォルト名を使用します。

cm2_factor

写真モード(フィルム スピードが 0 以外)の場合は、この係数を使用してピクセル値とカンデラ/平方メートルの値を変換します。

任意モード(フィルム スピードが 0)の場合は、この係数はレンダリングされたピクセル値をスクリーン ピクセルにスケーリングするときに適用される乗数になります。これはmia_exposure_simpleシェーダのゲイン パラメータと似ています。

ホワイトポイント(whitepoint)

出力で「ホワイト」にマップされるカラーです。たとえば、この色相/彩度の入力カラーはグレースケールにマップされますが、その強度は変わらずそのままです。

[フィルム設定](Film Settings): 写真撮影では、フィルム感度(ISO 値)、絞り(F 値)、シャッター速度という要因すべてが合わさって、実際のカメラの露出が決まります。そのため、露出を変更するには、これらを個々に変更して同じ結果を得られるようにすることができます。たとえば、イメージの明るさを半分にするには、シャッター速度を半減させたり、フィルムの ISO を半分にしたり、絞りの「ストップ」を 1 つ変更したりします(たとえば、f/16 を f/22 へ変更する)。実世界のカメラでは、これらの方法の間にわずかな違いがある可能性もありますが、このシェーダを使用する場合はこれらの方法は数学的に同等です。

film_iso

フィルムの ISO の数値(フィルム スピードとも呼ばれる)を指定します。

前述したように、この値を 0 に設定すると任意モードが有効になり、すべてのカラー スケーリングが [cd/m^2 係数](cd/m^2 Factor)の値によって厳密に定義されます。

camera_shutter

秒数を分数で表すカメラのシャッター速度です。たとえば、値が 100 の場合はシャッター速度が 1/100 を意味します。この値は任意モードでは影響しません。

f_number

分数で表す絞り値です。たとえば、11 の場合は絞りが f/11 を意味します。

カメラの絞り値は特定の標準系列(f/8、f/11、f/16、f/22 など)で表されます。これらはそれぞれ「ストップ」と呼ばれます(実際のレンズの絞りリングでこれらの値を物理的に「カチリ」と動かすことが多いため)。個々の「ストップ」は次の「ストップ」に上げたときにフィルムに当たる光の量の半分を表します。このシェーダでは「ストップ」はカウントされないことに十分注意してください。実際にはそのストップに対する f 値を指定する必要があります。この値は任意モードでは影響しません。

口径食(vignetting)

実際のカメラでは光がフィルムに当たる角度が露出に影響し、イメージのエッジの周囲が暗くなる原因になります。口径食パラメータはこのエフェクトをシミュレートします。

値が 0.0 のとき口径食はオフになり、値が高くなるほどエッジの周囲の暗さが増します。このエフェクトはライト レイがフィルム面に当たる角度のコサインに基づき、カメラの視野に影響されます。また、オーソグラフィックのレンダリングでは動作しません。適した既定値は 3.0 です。これは、コンパクト カメラを使用した場合の結果に近くなります。

[トーン マッピング](Tone Mapping): イメージの実際の「トーン マッピング」は、[burn_highlights]パラメータと[crush_blacks]パラメータが制御します。つまり、これらのパラメータは、HDR イメージがディスプレイ機器の黒から白の範囲に収まるように正確に適合させるための指定値です。

[burn_highlights]が 1 で[crush_blacks]がゼロの場合、変換は直線的です。シェーダはシンプルで直線的な強度スケーラーのみのように機能します。

burn_highlights

露出オーバーを許容する量を定義します。

この値が 1 から 0.0 へ向けて減少すると、高い強度が段々と「圧縮」されて、より低い輝度になります。値が 0.0 のときは、圧縮曲線が漸近的になります。これは、無限の入力値がホワイト出力値にマップされ、露出オーバーが可能ではなくなることを意味します。適した既定値は 0.5 です。

crush_blacks

ダイナミック レンジの上部が圧縮されると、以前のそのコントラストの一部が自然に失われますが、[crush_blacks]パラメータを使用すると、イメージにその効果の一部を取り戻すことができます。

値が 0.0 のときは、強度が低い範囲はリニアになります。1 へ向けて増加すると、強い「先端」の領域が変換曲線に追加され、低い強度は穏やかな(柔らかい)方法でさらに黒の方向へ近づけられます。

彩度(saturation)

明るい色のコンポーネントを圧縮すると、本質的にそれらは飽和色から遠ざかる方向へ移動します。場合によっては、非常に強い圧縮により、イメージの色が落ちて魅力のない結果になることもあります。彩度パラメータは最終イメージの芸術的な彩度をコントロールします。値が 1.0 の場合は、変更されていない標準の彩度が適用されます。値が高いほど彩度は高くなり、値が低いほど彩度は低くなります。

ガンマ(gamma)

ディスプレイのガンマ補正を適用します。イメージ パイプラインにガンマを 2 回適用しないように注意してください。

[サイド チャンネル](Side Channel): アウトプット シェーダを「ディスプレイ ピクセル値」に変換する前に挿入する場合に役立ちます。これはシェーダの 2 つのコピーを適用することで実行されます。1 つはレンズ シェーダとして、もう 1 つはアウトプット シェーダとしてのコピーです。2 つのシェーダは「サイド チャンネル」を介して通信します。サイド チャンネルは独立した浮動小数フレームバッファであり、レンダリングの前に設定しておく必要があります。レンダ チャンネルとフレーム バッファを参照してください。

side_channel_mode

  • [ノーマル(サイド チャンネルなし)](Normal (No side channel)): シェーダはレンズ シェーダとして通常どおり実行されます。

  • [サイド チャンネルをアウトプット シェーダで処理](Process side channel in output shader): レンズ シェーダはトーンマップされていない値をサイド チャンネルのフレームバッファに保存します。その後、アウトプット シェーダはメイン フレームバッファのピクセルではなく、サイド チャンネルのデータに基づいてトーン マッピングを再実行します。

  • [サイド チャンネルをアウトプット シェーダ内のメイン バッファ内で処理](Process side channel into main buffer in output shader): レンズ シェーダはトーンマップされていない値をサイド チャンネルのフレームバッファに保存します。その後、アウトプット シェーダはサイド チャンネル フレームバッファから読み取ったピクセルをメイン フレームバッファへ読み込みます。これはメイン フレームバッファでのみ実行されるサード パーティ製のアウトプット シェーダを実行する場合に便利です。

side_channel

サイド チャンネルとして動作するカスタム レンダ チャンネルの名前を入力します。

操作方法の詳細については、「シーンのカスタム レンダ チャンネルを作成する」を参照してください。さらに、レンダ チャンネルをパスに追加し、アウトプットをレンダリングするためにパスのオプションを設定する必要があります。「パスにレンダ チャンネルを追加する」(「レンダリング」)を参照してください。

プレビュー(preview)

プレビュー イメージを使用してトーンマッピングを調整するには、以下の操作を行います。

  1. [mia_exposure_photographic]シェーダを無効にします。

  2. イメージを HDRI 対応形式(*.exr、*.hdr など)のファイルにレンダリングし、そのファイルに名前を付けます(preview.exr など)。

  3. プレビュー イメージをイメージ クリップおよびソースとしてシーンに追加します。詳細については、「ソースおよびクリップを作成する」(「データ管理」)を参照してください。

  4. 写真露出シェーダを再び有効にします。

  5. Render Tree で[クリップ]メニューからプレビュー イメージを取得し、そのイメージをシェーダの[preview]入力ポートに接続します。

  6. [プレビュー使用]チェックボックスをオンにします。

  7. フォトン マッピングまたはファイナル ギャザリングをすべて無効にします。

  8. 再レンダリングします。このレンダリングでは実際のレンダリングは一切行われないため、ほとんど瞬時に終わります。イメージがプレビュー ファイルから読み取られ、直ちに画面にトーン マップされるためです。

  9. パラメータを調整し、再レンダリングします。満足な結果を得られるまでこの操作を繰り返します。

  10. フォトンまたはファイナル ギャザリングを再び有効にします。

  11. use_preview をオフにします。

  12. シェーダが調整され、最終出力の準備が整った状態になります。

use_preview

出力結果をプレビューして編集し、トーン マッパーをよりインタラクティブに調整するプレビュー イメージを有効にします。