クラスタを使ったローカル エフェクト
 
 
 

タグ付けしたポイントのクラスタを設定して、クロスの特定の領域を定義することができます。たとえば、風になびく旗やカーテンを作成できます。また、キャラクタが毛布をつかんだときに毛布の端が膨らむような演出も可能です。このようなローカル エフェクトを作成するには、クロス オブジェクト上のエフェクトを適用するポイントのクラスタを作成します。

クラスタをオンにするということは、シミュレーションによってポイントに影響を与えないようにポイントをロックすることを意味します。有効になったクラスタは静的であっても任意のデフォーメーションを受けてもかまいません。減衰係数では、クラスタの頂点付近のクロスの頂点に対し、指定された値がどのように伝わるかを定義します。クラスタ リストを変更する機能もあります。

クラスタの便利なもう 1 つの使い方は、クラスタのアクティベーションをアニメートさせることです。[ネイル](Nail)パラメータをアニメートすることにより、ピンで留めてから解放されるクロスのエフェクトのアニメーションを行うことができます。[有効]([ネイル](Nail)がオン)になっているクラスタは、クロス デフォーメーションの影響を受けません。クラスタは時間でロックされるか、モデルの元のアニメーションやデフォーメーションに基づいて動作します。[無効]([ネイル](Nail)がオフ)になっているクラスタは、クロス シミュレーションによってデフォーメーションされているその他のクロス モデルと同様に動作します(「オブジェクトの固定」を参照してください)。

注:エッジおよびポリゴン クラスタはサポートされていません。

クロス オブジェクトでクラスタを使用するには

  1. クロス オブジェクト(既にクロスが適用されているもの)を選択します。「クロス シミュレーションの作成」の手順を参照してください。

  2. クロス オブジェクト上の既存のクラスタを選択するか、クラスタに使用するポイントにタグを付けます([T]キーを押してポイントを選択します)。

  3. [シミュレート]ツールバーから[作成](Create)[クロス](Cloth)[ローカル クロス クラスタ](Local Cloth Cluster)を選択します。開いた[クロス]プロパティ エディタでパラメータを設定します。

    [ネイル]オプションは、クラスタをフォースに影響しない位置でピン留めします。また、クラスタをアニメーションによって移動またはデフォームさせます。

    [ローカル]オプションは、クロスに対するクラスタのローカル物理的プロパティをアクティブにします。

  4. オブジェクトをピンで留めた後で解放するには、[ネイル](Nail)パラメータのアクティベーション(オンおよびオフ)をアニメートします。

    [ネイル]オプションがオフの時、クラスタはオブジェクトに適用された重力によりデフォームされます。[ネイル]オプションがオンの時、クラスタはオブジェクトが静止した状態のままその場に残ります。

    注:[ネイル]オプションにウェイト マップを使用する場合(接続アイコンをクリックする)、その結果はウェイト マップの緩やかな減衰になりません。これは、このオプションがオン/オフ(ブール値)オプションであるためです。つまり、100% のウェイト マップは、ウェイト マップ値が 50% 以上である場合に適用され、0% のウェイト マップは、ウェイト マップ値が 50% 以下の場合に適用されます。

    Explorer では、クロス クラスタ コマンドが適用されている各クラスタの下に[クロス]アイコンが表示されます。詳細については、「Explorer を使ったクロス エレメントの検索」を参照してください。

オブジェクトの固定

ここでは、[ネイル]パラメータを使用してオブジェクトをピン留めする方法を、簡単な例で説明します。

  1. 既にクロス オペレータが適用されているオブジェクト上で、2 つのクラスタ(1 つは主要領域のクラスタ、もう 1 つはピン留めの対象とする領域のクラスタ)を作成します。

  2. 各クラスタに[作成](Create) [クロス](Cloth) [ローカル クロス クラスタ](Local Cloth Cluster)コマンドを適用します。

  3. クロス オブジェクトに重力フォースを適用します。

  4. アニメートされたスケルトンに対してクロスをエンベロープします。

  5. 2 つのクラスタの一方で[ネイル](Nail)パラメータを選択します。

シミュレーションを再生するときに、ピン留めされたクラスタはスケルトンとエンベロープの関係に従って移動とデフォームを行います。ピン留めされていないクラスタはクロス シミュレーションによってデフォームされます。

クラスタのアニメート

クロス モデルまたはクラスタをアニメートすることもできます。

アニメートされたクラスタ センターをクロス オブジェクトに使用する場合は、クロスを適用するにクラスタ センターを作成してアニメートする必要があります。

クロスをオブジェクトに適用したでクラスタ センターを作成すると、オペレータが実行される順番により、クラスタがアニメートされることがクロス オペレータに認識されません。

この問題を解決するための簡単な方法は、Explorerを開き、クロス オペレータがクラスタ センター オペレータより先に実行されるようにオペレータの順番を変更します。

クラスタの位置のアニメート

クロス上のクラスタの位置をアニメートすることによって、タオルを引っ張ってみましょう。以下にその方法を説明します。

  1. タオルのオブジェクトを作成した後、センターを持つクラスタを作成します。

  2. クラスタのセンターの位置をアニメートします。

  3. タオルを選択し、[作成](Create) [クロス](Cloth) [選択から](From Selection)を選択してクロス オペレータを適用します。

  4. クラスタが選択されている状態で、[作成](Create) [クロス](Cloth) [ローカル クロス クラスタ](Local Cloth Cluster)を選択してローカル クロス エフェクトを適用し、[ネイル](Nail)オプションを選択します。

    ヒント:クラスタ センターがタオルを「運び」、落とすように[ネイル]オプションをアニメートさせてみましょう。