シーンモーションブラー設定
 
 
 

[場所](Location):

シーンのモーションブラーはデフォルトでアクティブになっていますが、エフェクトを調整するには、シーンベースのモーションブラーオプション(シャッター速度、オフセットなど)を設定し、フレームでブラーが評価およびレンダリングされる場所を指定します。これらはモーションブラーエフェクトの主要な設定です。

シャッター間隔の指定

  1. シーンのモーションブラーの[速度](Speed)を設定します。この設定は、対象のフレームについてジオメトリとモーション変換/モーションベクトルが計算される時間の間隔(通常、0~1)を指定します。モーションデータがレンダラ(デフォルトではmental ray)に自動的に設定されます。

    • 速度を[0]に設定すると、モーションブラーがオフになります。

    • シャッター速度を遅くする(0.6以上の差)と、作成されるモーションブラーエフェクトは幅が広く長くなり、高速移動がシミュレートされます。

    • 速くする(0.3未満の差)と、モーションブラーは細かくなります。

    • シャッター速度を1より上に設定すると、非常に強いモーションブラーが作成されますが、レンダリングイメージでは不自然に見えることがあります。

      左のイメージは速いシャッター速度(< 0.1)で、中央のイメージはやや遅く、右のイメージは非常に遅いシャッター速度(> 0.6)で作成したものです。

      もちろんシャッター速度はすべて、ブラーをかけるオブジェクトがアニメートされる速度に関連します。シーンの端から端までを数フレームで移動するオブジェクトに対しては、シャッター速度に関係なく膨大な量のモーションブラーが作成されます。

  2. シャッター間隔の[オフセット](Offset)を指定します。これによって、モーションブラーのトレイルを長くすることができ、後のフレームに延長されすることも可能です。この機能は、レンダリングされた3Dオブジェクトをライブアクションのプレートと合致させる場合に便利なオプションです。

    オンフレームのシャッターモードの設定(Setting On-Frame Shutter Modes)

  3. ブラーの評価とレンダリングが行われるフレーム上の場所を決定し、「フレームの」シャッターモードを設定します。

    フレームの設定による動作の違いを示すために、下の図では静止マーカー(フレームを示す)と曲線状のパスに沿って移動するアニメートされた球体を使用します。球体は、フレーム0では最初のマーカーの上に、フレーム1では 2 番目のマーカーの上に、フレーム 3 では 3 番目のマーカーの上に移動します。フレーム 1 の X 方向 -10 からフレーム 3 のX方向 +10 までリニアにアニメートされ、ユーザーがフレーム2をレンダリングします。

    • [フレームで終了] (End on Frame): ブラーが現在のフレームの前で始まり、現在のフレームで終わります。たとえば、[速度]が 0.5、[オフセット]が 0.0 に設定されている場合は、シャッターが現在のフレームと前のフレームの中間で開き、現在のフレームで閉じます。

    • [フレームで開始](Start on Frame): ブラーが現在のフレームで始まり、現在のフレームの後で終わります。たとえば、[速度]が 0.5、[オフセット]が 0.0 に設定されている場合は、シャッターが現在のフレームで開き、現在のフレームと次のフレームの中間で閉じます。

    • [フレームの中心](Centeron Frame): ブラーが現在のフレームの中心にあります。たとえば、シャッターが現在のフレームの前で開き、現在のフレームの後からちょうど同じ距離にきたところで閉じます。たとえば、[速度]が 0.5、[オフセット]が 0.0 に設定されている場合は、シャッターが前のフレームと現在のフレームの間の 4 分の 3 のところで開き、現在のフレームと次のフレームの間の 4 分の 1 のところで閉じます。

      注:

      ブラーはオブジェクトの元の位置には揃えられません。これは、ブラーオブジェクトがカーブパスに沿って移動する場合に起こる[フレームの中心]の制約です(図を参照)。カーブの両端の2ポイント間の補間はリニアであるため、モーションブラーがなければ表示されるはずの位置にオブジェクトを正確に配置することができないのです。この場合、次のいずれかを行うことができます。

      • 代わりに、[フレームで終了]シャッターモードを使用します。

        または

      • 後処理に使用するモーションベクトルをレンダリングする場合、すべてのパスに「モーション」レンダチャンネルを有効にして、あとで合成する際にすべてのイメージが並ぶようにします。

      モーション ベクトルとコンペンセイション(Motion Vectors and Compensation)

      [場所](Location) Render Manager]>(パスを展開)>[mental ray]>[フレームバッファ]>[( > (expand a pass) > mental ray > Framebuffer > )シャドウ]([プロパティ リファレンス])

  4. モーションベクトルをレンダリング(モーションまたはラスタモーションレンダチャンネルを使用)して後処理ツールのパイプラインで使用する場合は、ブラーをかけたオブジェクトが[オブジェクトのモーションに対するコンペンセイト](Compensate For Object Motion)の設定に影響を受けます。

    [オブジェクトのモーションに対するコンペンセイト]はデフォルトで有効になっており、シャッターのオフセットと閉の値を動的に調整して、オブジェクトが、モーションブラーが有効でなかった場合に通常表示される位置(またはできるだけその近く)に配置されるようにします。これが無効の場合、コンペンセイションはなく、オブジェクトはいつもシャッター閉の位置に配置されます。

    上述のアニメートされた球体の例で、[速度]を 1.0 にしたとすると、次の結果となります。

    • [オブジェクトのモーションに対するコンペンセイト]をオンにして[フレームの中心](Center on Frame)を設定すると、球体は X=0 に表示されます。[オブジェクトのモーションに対するコンペンセイト]をオフにすると、球体がX=5に表示され、フレーム2のブラーがX方向の-5から5になります。

      注:ここでも、ブラーはオブジェクトの元の位置には揃えられません。上の図で、[フレームの中心]には、ブラーをかけたオブジェクトを曲線状のパスに沿って移動させる場合に、制限があることがわかります。この問題を回避する方法については、前の注を参照してください。
    • [フレームで終了](End on Frame)の場合は変化しません。球体は常に X=0 に表示されます。モーションブラーがその場所で終了するためです。このときブラーはフレーム2の-10から0になります。

    • [オブジェクトのモーションに対するコンペンセイト]をオンにして[フレームで開始](Start on Frame)を設定すると、球体は X=0 に表示されますが、[オブジェクトのモーションに対するコンペンセイト]をオフにすると、球体が X=10 に表示されます。このときブラーはフレーム 2 の 0 から 10 になります。