レンダリングとレンダー セットアップの新機能

 
 
 

ビューポート 2.0 の新機能

 

ビューポート 2.0 では、Windows 64 ビット システム向けの DirectX 11 レンダリング エンジンがサポートされています。ビューポート 2.0 は、DirectX 11 または OpenGL モードのいずれかで実行できます。

DirectX 11 では HLSL シェーダがサポートされており、提供されるサンプル シェーダ(AutodeskUberShader.fxo)は、DirectX11 Shader の作成時に自動的にロードされます。

DirectX 11 AutodeskUberShader により、テッセレーションされたディスプレイスメント、トランスルーセント、ブラー反射などの機能を Maya で直接操作できます。ライトおよびライト パラメータは、ライトの暗黙的なバインドによって自動的に接続されます。すべてのライト モード(既定(default)、選択ライトの使用(use selected)、使用しない(use none)、すべての使用(use all))のほか、テクスチャおよび非テクスチャの両方のモードがサポートされています。

dx11Shader.mll プラグインでは、AutodeskUberShader が実証するように、HLSL シェーダ用の整理されたシンプルなアトリビュート エディタ(Attribute Editor)を作成するためのセマンティックも提供しています。

これにより、Mudbox と Maya 間の相互運用性が保たれます。ビューポート 2.0 で DirectX 11 を使用することにより、レンダリングの必要なく、Maya シーン ビューで直接Mudbox モデルのディスプレイスメント結果をリアルタイムに確認することができます。

さらに、ビューポート 2.0 では、いくつかの新しいシェーダやユーティリティのノード、mental ray オブジェクト、NURBS 機能のほか、フィルタリングやテンプレート化などのその他の機能もサポートされています。

また、いくつかの領域でパフォーマンスが向上しています。

ムービー: ビューポート 2.0 の DirectX 11: 第 1 部

ムービー: ビューポート 2.0 の DirectX 11: 第 2 部

新しい mental ray の統一サンプリング

 

mental ray のレンダー設定(Render Settings): 精度(Quality)タブが、新しい統合サンプリング コントロールで更新されました。

統合サンプリングでは、シーンをインテリジェントにサンプリングすることで、ライト、シェーダ、オブジェクトのローカル サンプリング設定を調整する必要性を減らすことができます。

統合サンプリング オプションは主なサンプリング設定のための簡略化されたユーザ インタフェースを提供します。統合サンプリングは空間サンプリングと一時サンプリングを統合し、モーション ブラーと被写界深度レンダリングによるパフォーマンスの向上を見込むことができます。

統合サンプリングを使用する場合、.exr ファイルに診断フレーム バッファを作成することもできます。このフレーム バッファでは、サンプリング レートを分析し、各ピクセルのサンプル数と、各ピクセルをレンダーするためにかかった時間を確認することができます。

また、mental ray のレンダリング プリセットは精度(Quality)タブからレンダー設定(Render Settings)ウィンドウのプリセット(Presets)メニューに移動しました。プリセット(Presets)メニューはすべてのレンダラに共通です。新しい mental ray のレンダリング プリセットも使用できます。

新しい Substance テクスチャ

 

次の新しい Substance テクスチャが追加されました。

  • Sci_fi_001
  • StoneFilter
  • MetalFilter
  • MakeItFurry
  • Concrete_060

使用可能な Substance テクスチャのリストについては、以下を参照してください。

ビューポート 2.0 で頂点をカラーリングする

ビューポート 2.0 のカラー セットを使用して頂点をペイントできるようになりました。また、頂点はビューポート 2.0 のインフルエンス カラーに基づいてカラーリングできます。

レンダー設定(Render Settings)ウィンドウの新しい既存のフレームをスキップ(Skip existing frames)アトリビュート

レンダー設定(Render Settings): 共通(Common)タブの新しい既存のフレームをスキップ(Skip existing frames)アトリビュートを有効にして、レンダラが既にレンダーされたフレームを検出してスキップするようにできるようになりました。また、コマンド ライン レンダラで -skipExistingFrames フラグを使用することもできます。この機能を使用すると、レンダリング時間を短くできます。

マップの転写(Transfer Maps)機能がカスタム ハードウェア シェーダをサポート

Maya は MPxHwShaderNode に由来するハードウェア シェーダを使用するソース オブジェクトをサポートしています。続けてマップの転写(Transfer Maps)機能を使用して、シェーディング(Shaded)出力マップ(ライティングおよびシェーディング カラー マップ)をソースからターゲット メッシュにベイク処理できます。

mental ray レンダリングのトラブルシューティング

mental ray でバッチ レンダリングを行ったときに、mental ray がアニメーションを正しくレンダーしなかった場合は、新しい -perframe フラグを使用してフレームを最初から再度移動します。

レンダー設定: オプション(Render Settings: Options)タブに新しいレイトレースされたカメラ クリッピングに強制します(Force raytraced camera clipping)アトリビュートが追加されました。有効にすると、mental ray for Maya によるレンダリング時にカメラから投射された一次レイに対して近接/遠方クリッピング プレーンが考慮されます。既定ではこのオプションは無効になっていますが、レンダー設定: オプション(Render Settings: Options)タブから有効にすることができます。

レンダー設定: オプション(Render Settings: Options)タブに新しいレイトレースされたカメラのモーション ベクトル計算に強制します(Force raytraced camera motion vector computation)アトリビュートが追加されました。スキャンライン(Scanline)を無効にして BSP2 を有効にしている場合、このオプションを有効にして、カメラ モーション エフェクトを計算済みのモーション ベクトルに強制的に追加することができます。

サーフェスのすべてのフェースにマテリアル オーバーライドがある場合に、mental ray for Maya がマテリアルの割り当てを正しくレンダーするようになりました。環境変数を設定することで、従来の動作に戻すことができます。

EXR ファイル用の新しい ZIPS 圧縮方法の追加

レンダー設定(Render Settings)ウィンドウ: 共通(Common)タブで出力イメージ フォーマットに OpenEXR を選択している場合に、ZIPS イメージ圧縮方法が使用可能になりました。

mental ray バージョン 3.11

Maya では現在、mental ray バージョン 3.11 が使用されています。